表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/269

決着

 ユウキは「くどい」と言い放つと、一気に飛んだ。


 木を蹴って立体的に距離を詰める。

 そしてホブゴブリンの顔面を踏みつけ飛翔すると、両手を握り締めて重力を利用し、思いっきり胴体に叩きつけた。


 《アースシザー》

 叩きつけると同時に、地面から土塊が隆起して上下から挟まれる。



 ホブゴブリンはガハッと血を吐きだした。

 そして告げた。

「人族の戦士よ見事だ。先も述べたが・・我々は強き者を賞賛する・・。」



 炎の光が2人を照らす。


 ユウキが言葉を漏らす。

「お前も見事だった。だが許されない事もある。

 グライスと言ったよね?なぜ人を襲う?共存の道は・・」



 遮るようにグライスは言う。

「我々が人族と遭遇すれば立場は逆・・我々が襲われる。ただそれだけだ。

 円卓についた事もない。」



 それを聞いてユウキは、父から聞いた獣人の説明が一方的であることに気がついた。


(知性はあるが、話が通じず好戦的な種族)



 故にユウキはグライスにこう伝えた。

「時を待って静かに暮らして。ゴブリンの勇敢なる戦士達に賞賛を送る。」



 それを聞いてグライスは眉を寄せ俯いた。

「小さき人族の戦士よ・・名は?」


ユウキは迷わず答える。

「ユウキ・・・ユウキ・ブレイク。」



グライスは考え俯いた顔を上げる。

「ユウキ、この事は生涯忘れぬ。集落はこの先にある。」



 それを聞いて満足した。

「もうじき村の人が来ると思うから、ゴブリンは討伐したと報告するよ。戦士達の遺体はそのままに。」



 グライスは起き上がると頷き、巨体を引きずり動ける者とその場を後にした。



 ユウキは「ふぅー」と息を吐くと、瞳が黒く戻っていった。しかし、髪の色は淡い赤毛のままだ。



 ユウキはアリサを抱き上げると、村の方を目指して歩き始めた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ