表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
氷結時代の終わり  作者: 六角光汰
第二章 超AIの罪と罰
46/130

---------- 45 ----------

 ステルスモードが初体験だったルビア艦長は、異様な経験とともに敵の攻撃をかわすことに成功し、少し興奮していた。

「ステルスの解除は待ってください。今の攻撃はあまりにも非合理的なおかつ原始的でした。何かあるのかもしれません」

 超AIがそういったとたん。細長いホログラムが壁から二本猛烈な速度で突き出た。まるでレーザーの照射のようにいつまでも消えない。しかしよく見ると、幅三メートルほどの帯の内側には構造がある。複雑な電子機器やエンジン、そして激烈な光を発する小型核融合エンジンの構造が流れながらも、長く引き延ばされて見える。

「これは! 大型ミサイルだ!」 

 ルビアが大声を上げた。結局、相当の速度ですれ違ったにもかかわらず、船内に突入してきた異物が突き抜けるまでに五分もかかった。

「相手の戦術に引っかかるところでした。ステルスを解除するタイミングを見計らって、ミサイルを発射していたのです。ステルス中はミサイルの観測ができませんから」

「最初のデブリのまき散らしも作戦だったのだな。あやうくひっかかるところだった」

「いま、有線でつながったセンサーをステルス空間の外へ出しました。その結果、脅威は観測されません。モードを解除します」

 船外の情報が一気に流れ込んできた。ガザリア号は三〇光秒前方にいた。安堵したルビアは次の行動の選択肢を考えた。全面攻撃は早すぎる。まだ交渉を続けるべきだろう。市長に続いてイアイン・ライントにやらせてみてはどうだろうか。情報によれば、彼女が心配しているロロアという女がガザリア号にいるらしい。それがとっかかりになるかもしれない。いや、ならないに違いない。要するにあらゆる手を使ったという経緯はしっかりと作っておくべきなのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ