表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/17

教会編 4


「命縛関係の解消方法ですか。名前を返せば解消されると聞いたことがありますよ。」


奏でるような声でゆったりと紡がれた言葉に思わず浮き立った。


あの後、解消方法について話し合ったが、互いに何も知らないことだけがわかる結果となった。ネロは第一階層に解消方法を知っていそうな宛がいると言っていた。


ただ、階層移動には通行許可書を発行してもらう必要がある。それだと、時間が掛かる上に未成年である私は保護者の許可がいるため、先に第二階層で情報収集をするということで意見が落ち着いた。


第二階層で解消方法を知っていそうな人物と言えば、私の中で真っ先に思い浮かんだのはこの学園に通う2つ上の先輩だった。


ヘレナ・オードニー。この名前は学園内で知らない者がいない程有名な人物だ。最年少で博士号を取得した学園きっての 天才と言われている。


また、容姿にも恵まれており、1つ1つのパーツが作り込まれたかのように整っている。黙って座っていれば人形と間違われるのではないだろうか。どうやらファンクラブもあると聞く。


そんな彼女と家同士の交流があり、小さい頃からよく可愛がってもらったのだ。この学園に入学した時も祝いの言葉と品を個人的に戴き、現在も交流が続いている。


そんな彼女なら解消方法を知っている可能性も高く、放課後に話を聞きに行くことにした。放課後は魔法制御室(学園内で唯一教師の監視下がなくても魔法が使える部屋)にいることが多く、案の定彼女がいる姿を発見した。


制御室へやって来た私を見て驚いたものの、私の後ろにいるネロを一瞥すると「彼が召喚されたという噂の…。」と呟いた。どうやら、ネロを召喚したことはすでに学園中に話が回っているらしい。


「いきなりお邪魔してごめんなさい。もう知っていると思うけれど彼を召喚した後に命縛関係を結んじゃったの。ヘレナ先輩なら解消方法を知っていると思いまして。何か知りません。」


そう言うと先輩は顎に手を添えながら、先程の答えを私達に伝えたのである。


「互いに相手の名前を言った後に『名前を返す』と明言してくださいね。そうしなければ、関係は解消されませんから。」


まさかこうも簡単に解消方法にたどり着くとは思わずネロの方へ視線を向けた。その視線を感じたのか、ネロもこちらへと視線を合わせた。


「方法さえ分ければ後は実行するだけだ。俺は今からでも大丈夫だ。あんたは。」


こちらの様子を窺うネロに、私は了承の意をこめて頷く。関係がなるべく早く解消されるならそちらの方が良い。


「私も大丈夫ですわ。今から致しましょう。」


互いに向かい合い、私は大きく息を吸った。期待に胸が膨らんでいくのを感じる。


「ネロ。貴方に名前をお返しします。」


「ベアトリクス・ローゼンバーグ。あんたに名前を返す。」


互いに言葉を述べた後、静寂が辺りを包み込む。鼓動が徐々に早くなるのを感じる。


これで何事もなくラスボスフラグを解体することができるのね!


一気に肩の力が抜け、思わず笑みが溢れる。お礼を言おうとヘレナの方へ顔を向けると、首を傾げる姿が目に映った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ