猫とぼくと僕とねこ と
月明りの、いや、ともったばかり外灯の下に猫を抱えた段ボールがあった。周囲に人はいない。
僕は段ボールを見るでも、もちろん猫を見ることもせず、しかし、その場で立ち止まった。
ニャー……ニャー……
段ボールがないている。
ひとつのため息をこぼす
-猫を拾えない僕と拾われない猫……不幸なのは一体どちらだろう-
そんなたいして意味のない問が頭に浮かぶ
静かになった段ボールを見ると、そこには思っていたのより小さな猫が倒れこんでいる。そこではじめて僕は猫を見た。
ニャー……ニャー……
猫がないていた
先の問を急に恥ずかしく思った
僕はいつも他者を見下してしまう。こんな美しいものをも
-この猫は何を求めているのだろう-
ああ、これなら。先の問に比べればだいぶ良いだろう
おなかがすいたのか。寒いのか。あるいは……
まあいい、試しになにかやろう。そう思ってポケットに手をいれた
けれど
けれど僕は何も持っていなかった。
もちろん鞄の中を探って確かめる必要もない
ニャー……ニャー……
猫が……ないているのか
わからない、分かるはずなかった
こいつのことなんて知らないのだから
いつもと同じだった
相手をよく見ずてきとうにラベル付けして……見下して
恥ずかしくて恥ずかしくて、涙が出た
ニャー……ニャー……
こいつは僕を見てなく
そのきれいな瞳がうらやましかった
だから、だからかな
その場から動けなかった
ニャー……ニャー……
こいつより小さく僕は泣いた
読んでいただきありがとうございます。
人とかかわるうえで大切にしないといけないことは多々あります
相手を傷つけないように相手のことを考えて、でもそんなの分かるはずなくて、自分のこともわかってもらえなくて。やっぱり人はいつも孤独なのかしら




