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ラストバトル

 さっそく、一列になって壁の中の空間に入ることにした。

 順番は、華桐が先頭、次にるし、L、ニール、最後がきりんせいじ。

 その部屋は薄暗く、中央にぽつんと玉座があるだけだった。


 そのときだった。

 おや、ニールの様子が……?

 バリバリバリィッと皮がむけ、ニールの後ろにいたきりんせいじだけが、その冒涜的な状況を見ることとなった。

 目の前至近距離による、ニールの怪物への変化を目にしたきりんせいじは、


「うわああぁぁあぁあ!!!」


 発狂してしまった!

 きりんせいじは突然刀を抜き、相手を確認せずに斬りかかった。並び順により、目の前のニールに突進していく。

 だが、その錯乱状態での攻撃は大失敗。刀は玉座の方まで吹っ飛んでいってしまった。


 カラァン!


 突如後方から飛んできた刀に、何事かと前を行く三人は振り返った。


 ――そう、振り返ってしまった。


 三人は、もはや人ではないニールの姿を目にしてしまったのだ。

 るしとLの精神が削られ、Lはとうとう発狂した。一方華桐は、感覚が麻痺していて、精神状態にはなにも響かなかった。


「……」

「ギシギシギシ……」


 きりんせいじは、さっきからずっと無言でいる。

 Lは見るからに、誰彼構わず襲い掛かって来そうだ。


「やばい! 止めないと!」

「どどどうしたの? って、やばっ!」


 華桐が、荷物から縄を取り出し、Lを拘束することにした。

 Lの体を縄でぐるぐる巻きに縛り、ひとまず行動不能にして逃げられなくした。

 次にるしが、ジタバタしているLに手加減しながらこぶしで殴りかかった。

 Lは昏倒し、きりんせいじも得物を失っていることから、仲間内で攻撃し合う心配は薄まった。


 そうしている間に、ニールは動こうとしている。


「そうだ!」


 あることを思いついた華桐は、荷物からその道具を取りだした。

 華桐はそれを――英和辞典を高く掲げた。

 ニールを包む不思議な力が掻き消され、攻撃力が人並みまで減少、人間でも倒せるまでになった。


「ニャル……ラト……テップ……」


 突然、頭の中に言葉が浮かんできた。

 ニールの本名はニャルラトテップだった!


 ニャルラトテップは攻撃を仕掛けたが、命中力も人並みまで落ちているらしく、攻撃は外れた。

 これを皮切りに、戦いの火蓋は切って落とされた。


「わたしから行きます!」


 るしは、ライトソードを取り出し、斬りかかるが当てられず失敗。


「ドンマイ! 次行くよっ」


 華桐も、手持ちの中から攻撃力を上げようと、一番重いとおもわれる虫めがねを縄で括り、えいやっと投げつけた。こちらは命中。

 ドゴッという硬質な音が響いた。

 きりんせいじは、刀を取り戻そうとしたが刀に手は届かず、Lもまだ復帰には至らない。

 ニャルラトテップは攻撃を当てた華桐に仕返しとばかりに攻撃、華桐は回避しようとしたが、避けきれずに掠ってしまった。

 その隙にるしがライトソードで攻撃するが、またしても当てられない。

 華桐は今回も虫めがね付きの縄を振り回し、ニャルラトテップに命中させた。今回は急所を突いたようで、ニャルラトテップの装甲が壊れて使い物にならなくなり、先ほどの倍ほどのダメージを与えた。


「かたなかたな……」


 きりんせいじはニャルラトテップと女子勢の激しい戦いを避けて、刀の場所まで辿りつき、回収に成功した。

 Lの復帰はまだのようで、依然昏倒している。


 ニャルラトテップは、今度はるしに攻撃を仕掛けた。これをるしはひらりと躱す。

 るしはそのまま、態勢が崩れているニャルラトテップにライトソードで斬りかかった。三度目の正直という言葉がある通り、見事命中、強烈なダメージを与えた。


「よし! 華桐さん、きりんさんをお願いします!」

「わかった!」


 まだ相手を判別できないまま攻撃しようとするきりんせいじに対し、華桐はLにしたのと同様に縄で拘束して動けなくしようとしたが、きりんせいじに逃げられ失敗。

 そのままきりんせいじは、刀で斬りかかる。その矛先は、運よくニャルラトテップだった。

 正気を保っている華桐とるしはほっと胸を撫で下ろした。


〈グオォォオオアアオオアアアゥァ……!〉


 刀により相当なダメージを負ったニャルラトテップは、苦しそうな呻き声をあげた。

 そしてニャルラトテップは、翼のようなものを広げ、星間の空間へ飛び去っていった。


「え、うそ……」

「発狂しながら倒したの……?」


 なんと、きりんせいじの攻撃が止めとなったようだ。

 しっかりとした手ごたえに、きりんせいじは我に返った。このときLも偶然、昏倒から復活した。


「あレ?」

「さっきの化物は……?」

「ふふ、今さっき自分で倒したんだよ」

「もう全部終わったので、皆で帰りましょうか!」


 四人そろってメインルームへ戻り、ワープゾーンの中へ入った。

 目の前の空間が歪み、気付けば始めに四人が集合した家の前に戻ってきていた。

 そして、途中で別れてそれぞれ無事に帰宅し、組織に今回の出来事を報告した。



 ちなみに、きりんせいじは対ナイフ戦での負傷により一週間病院へ入院、Lも精神安定のため二週間入院することとなり、この間に二人はとても仲良くなっていた。




To Be Continue…?


まあ、小説版は続かないんですけどね。


あとがき諸々は明日までにまとめて公開したいと思います。

ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました!

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