ある愛の詩〜チャットルームの怪〜
二次創作物とは言えないはずですが、昔のアニメか何かにも利用されているかもしれないちょっとマニアックな存在のお話です。
すみません。
後書き書き忘れてたので0:20追記させていただきました。
2:00序盤。パソコンの電源を再度入れて、と書き忘れあった為に追加
それはどこにでもあるネットゲーム。
そこはオンラインRPGで良くあるゲーム内チャットルーム。
今日も一緒にパーティを良く組んで遊んでいる仲間がチャットをしている。
ファルコン「よっし!今日も順調にレアアイテムGETだぜ!」
マイア「1人で突っ込みすぎて危なかったけどねw」
ファルコン「oh!いつも的確な指示を出してくれるワイアードに感謝だぜぃ!」
ワイアード「なぜそこだけ英語wま、いつもの事だからね」
ユミ「こっちも慣れたものよね(*^_^*)b」
ファルコン「回復と援護に感謝です(=´∀`)人(´∀`=)」
ユミ「マイアとファルコンの前衛2人がしっかりしてるから落ち着いて魔法とかスキル選べるから助かるよ〜(*^_^*)」
ワイアード「ユミも対象選ぶのとか早くなったよね」
マイア「ほんとほんと!最初の頃はどうなるかと思ったけどw」
ファルコン「HP満タンの自分にばかり回復魔法かけたりとかなwそれでMP切れ起こしたりとかw」
ワイアード「ターンアンデッドをファルコンにかけようとしたりなw」
マイア「あったね〜wワイアードにもかけようとした事もあったしw」
ファルコン「あれは痛かったw」
ワイアード「あれは苦しかったw」
ユミ「ううう、もうそんなことやらないもん(>_<)」
マイア「んん〜?今日も麻痺と毒を間違えたりとんでもない方に気弾撃ったりしてたような?w」
ファルコン「久しぶりだけどやってたなw」
ユミ「うぅぅぅ(>_<)」
ワイアード「・・・まぁ、なにはともあれ明日から連休でイベントも始まるから今日はこの辺にしておくか?」
ユミ「う、うん。そう、だね」
攻撃力特化の為に守備力低めだが盾も持たず両手剣を振り回すサブウェポンも片手剣二刀流というまるっきり前衛仕様のファルコン。
片手長剣に盾、サブウェポンに両手持ちの槍を持つ体力と素早さ重視だがバランス型のマイア。
ガチガチのレア装備に身を包み何故か前中距離でも攻撃出来るフレイル系を扱う肉弾戦高レベル魔術師ワイアード。
二ヶ月程前までネットゲームをやった事がなかった同じくフレイルを振り回す肉弾戦神官・・・これは魔法を使わず間違えて肉弾戦を仕掛けてしまうという意味で・・・ユミ。
ちなみに初心者にありがちな事にキャラクター名もまんま本名から、だったりする。
一足先にソロプレイをしていたワイアードがパーティメンバーを募集していてそれ以来この四人で時間を合わせてゲームをプレイしている。
ファルコン「そうだなぁ。今日の目的のアイテムも無事入手出来たわけだし?イベント用に回復やマップ移動用のアイテムなんかは皆大丈夫?」
マイア「もち大丈夫♪」
ユミ「私も大丈夫(*^_^*)」
ワイアード「大丈夫だ。倉庫にもたっぷり保管してあったはずだし」
ファルコン「・・・そういや、また倉庫拡張したんだっけか?どんだけ課金してんだよ( ;´Д`)」
マイア「あ、あたしも倉庫覗いてみないと!忘れ去られてるアイテムがたくさんありそうw」
ユミ「あぁ〜そうかも(>_<)」
ファルコン「倉庫はこまめに整理しようぜぃ( ;´Д`)」
ワイアード「ファルコンて意外に几帳面なとこあったりするよな」
マイア「あるね〜冒険中でもとんでもない場所まで歩いて意外なアイテム見つけたりしてるしw」
ワイアード「戦闘になると『あんな』なのにな〜ww」
ファルコン「・・・隅々までってのはフィールド探索の基本だろ?・・・あんな、って(´・_・`)ショボーン」
マイア「あはははw」
ワイアード「wwおっと。いつもながらずっと話続けちゃうな( ̄◇ ̄;)」
ファルコン「おぉっとそうだな、ではまた明日にして落ちるか」
マイア「そだね〜♪」
ワイアード「また明日(=´∀`)人(´∀`=)イベント楽しんでいこう〜」
ファルコン「また、な(=´∀`)人(´∀`=)おやすみ〜」
-ファルコンが退出しました-
マイア「はやっ!!wじゃ、またね〜♪」
ワイアード「また明日〜(^O^)/」
>ユミ
ワイアード「・・・・ユミ?どうかした?大丈夫?」
>ワイアード
ユミ「うん。大丈夫。ごめんなさい」
ユミ「また明日〜(*^_^*)おやすみなさい」
マイア「また明日ね♪おやすみ♪ワイアードもいつも細かい気遣いありがと♪」
-マイアが退出しました-
ワイアード「ユミ?何かあったの?マイアも言ってたけどなんか凡ミスしてたし動いてない時もあったよね。」
ユミ「う、うん・・・」
ワイアード「何か心配事とかなら相談に乗るよ?直接会ったりは出来ないけど、だからこそ逆に話せる事とかもあると思うんだよね」
ユミ「う、うん」
ワイアード「もしなんならメールの方でも良いよ?」
ワイアードはネットだけでなくパソコンや電子機器の類にも詳しく面倒見も良い為にパーティメンバーだけでなく色々なプレイヤーのネット・リアル問わずの相談に乗っていた。
パソコンに少し疎いユミやマイアもメアドを聞いていて、画面が固まったりパソコンが起動しなくなってしまった時なんかにすでに助けて貰っていた。
ユミ「うん。ちょっと私だけじゃ判断出来ないけどプライベートに関する事だから決心ついたらここじゃなくてメールするね(*^_^*)」
ワイアード「・・・わかった(*^_^*)あんまり大したことは出来ないかもしれないけど。それでも話を聞く事はいつでも出来るから。」
ユミ「うん。ありがとう(*^_^*)」
本当にワイアードは面倒見が良い。
そう思った。
ユミ「じゃあ、今日は落ちるね。おやすみなさい、ありがとう(*^_^*)」
ワイアード「うん。おやすみなさい☆連絡はいつでも良いから、ね(^O^)/またね」
ユミ「うん、おやすみなさい(*^_^*)」
-ユミが退出しました-
ワイアード「うーん・・・もし深入りするようなら今までとは違って覚悟必要かもなぁ・・・ま、仕方ないか」
-ワイアード¥##が##退出・・しました?-
ゲームから出、パソコンの電源までも落としてユミこと友美は椅子にもたれかかり考える。
友美「う〜ん。私自身の事じゃないし・・・別にそこまで気にする事じゃないのかもしれないけど・・・」
友美が頭を悩ませているのは会社の同期の友人の事。
「この間1日急に休みを取ったけどなーんかその前辺りからおかしい気がするのよね」
事務員として共に働いているその同僚の様子がここ1、2週間くらいおかしい気がするのだった。
例えば
友美「ねぇ?大丈夫?なんか辛そうじゃない?ちゃんと寝てる?」
仕事中にも拘らず机に伏せて寝てしまってるのではないか、と思うくらい怠そうにしていたり。
友美「あれ?何?今日もま〜た魚?そんなに魚好きだっけ?」
社員食堂で注文する物がある時からずっと魚、特に焼き魚が入った物に変わっていたり。
友美「ちょっと〜前髪の掻き上げ方が猫の顔拭きみたいになってるよ?そんなだっけ?・・・なんか可愛いけど(笑)」
その同僚が前髪を掻き上げる際に手を丸めて掻き上げるように変化していてそれが目を細めながらやるものだからまるで猫みたいに見えたり。
友美「・・・猫。そう、猫みたいになってるのよね」
もちろん気になったから本人に言ってはいるのだが。
それをその友人に指摘すると。
麻理「う〜ん?な〜んか最近夜になると目が冴えちゃって。本読んだりスマホいじって寝るんだけど昼間眠くて眠くて。なんか知らないけど魚を食べたくなってるのも身体が調子を整えるのに欲しがってるのかな、とか。」
・・・夜目が冴えるから、とスマホいじっていれば逆にどんどん眠気が覚めるような気がするのだが。
しかも身体が変調をきたしてると自覚あるならまずは医者へ行け、と。
・・・魚を欲しがるってカルシウム不足が原因でなるのかな?
それに。
それ以上に気になることを・・・いや、違う。そうじゃない。あんな事を言われたから気になってしまったのだ。
麻理「・・・猫、かぁ。・・・実はね?。。。」
長年流していた行方不明だった飼い猫の末路。
自分が探していた最中にすでに死んでいた猫。
普通の別れ方ではなかったその猫が普通の死に方をしてなかった事を最近知ったのだ、と。
友美「・・・散々探してた猫が殺されてた、かぁ。しかも大分可愛がってたみたいだったなぁ」
死んでしまった猫の事を考えるあまり猫に近づく、なんて事はあるのかもしれない。
そう。周りから本人がまるで猫に見えてしまうような・・・
「いやいやいや、ない、って!あれはやっぱりおかしいと思うんだよね」
「ワイアードは多分年上の男の人で色々な事を知ってそうだし。客観的な判断してくれそうだし、ね」
パソコンをまたつける。
《気がついてくれたように悩みがあって。》
メールを書き始める。
が、すぐに止めた。
「・・・こっちで良いよね」
今度はスマホを手に取りメールを書き始める。
・
・
・
すぐに返信が来た。
友美「え・・・?・・・え?・・・やっぱり?・・・え?どういうこと?」
結構長い文章を読み進める内に困惑度が増していく。
要約するとワイアードからのメールにはこうあった。
《その猫とお友達の関係について詳しい話を聞かないとなんとも言えませんけども。おそらく、ですが。そのお友達は死んだ猫、下手をすると飼い猫ではない猫に取り憑かれている可能性があるのではないか、と思います。一度部屋に呼ぶなりしてそのお友達とユミだけになってユミのスマホを使ってメールで話をさせて貰えませんか?」》
と、いうような内容であった。
「う〜ん・・・そりゃ知らない相手同士にメアドを勝手に教えるわけにはいかないけど・・・」
死んだ猫が取り憑いているだとか友人と直接メールさせてくれだのと結構衝撃的な内容であった。
「・・・真面目、に答えてくれてるよ、ね?」
読み直して考える。
・
・
・
・
そして翌日。
友美はアパートの部屋に友人である麻理を呼んでいた。
と、言っても同じアパートの階層違いだけの住人なので仕事が終わってから一緒に帰宅する事を含めて誘っただけだが。
麻理「・・・それで?なんか猫について相談があるって話だけど。何?」
テーブルの対面に座りにこやかに言う。
友美「う、うん。私じゃなくて。あ、いえ、私も、なんだけど。」
メールの事をどう切り出そうかあたふたふる友美。
麻理「うん?友美だけじゃないって事?誰か来るの?友達?」
友美「う、うん。友達、なんだけど」
麻理「・・・?あぁ〜!!わかった!彼氏でしょ!一緒に飼いたいとか一緒の種類飼いたいとか」
テーブルに手をつき身を乗り出して勢いよく言う。
ちょっと引き気味に
麻理「う?・・・う・・・うぅん?そういうんじゃないんだけど・・・」
メールを送りながら答える。
すぐに返信が来る。
麻理「んん??」
首を傾げてよくわからない風に友美を見つめる麻理。
友美「う、うん?友達が、なんだけど。まずはこのメール読んで貰える?返事は私が書くから。」
メールを開いたスマホを麻理に見せる。
麻理「うん。うん?・・・・えっ!?」
メールを読んで固まる。
友美「麻理?・・・麻理?」
心配になり声を掛ける。
メールを読み終え友美をジッと見つめる麻理が居る。
麻理「・・・・そっか。別に友美は知らないんだ。知らないで頼んだのね。もしくは向こうが知って友美に頼んだのか」
晴れ晴れとした顔で言う麻理。
友美「え?どういうこと?何を?」
戸惑う。
麻理「うん。良いよ?今から言う通りにメール書いて?」
笑顔で友美に頼む。
少し目がつり上がってる気がするが。
友美「うん。良いよ。任して。」
スマホを受け取り麻理に向かう。
麻理「ごめんなさい。始めは優しくて大切な主人をこれからも護りたい、と一緒に居たのですけど。飼い主であるわたしも一緒に居たくて受け入れていたのだけど。」
友美「だけど、と。・・・え?・・・ん?」
麻理「気にしないで続けて?」
友美「う?、うん。」
麻理「わたし。は。主人を護りたいという想いが今は強いのですが。貴方の言う通りです。あの時主人に会うまでの期間があまりにも長かった上に他の同類達の強烈な憎しみまで請け負ってしまい、今後どうなるかわかりません。確かに今はまだわたし、が前に出ていますが今後どうなるかは恐らく貴方の言う通りになってしまうと思います。」
友美「わたし?」
麻理を見て言う。
麻理「はい。わたし、です。続けてください。」
頭を下げて言う麻理。
麻理「今の状態で貴方がなんとか出来る、任せて下さいと言って下さるならお願いして良いでしょうか?ぜひお願いします。」
涙を流しながらお願いします、と口にする。
友美「これで送信して良いの?」
麻理「うん。よろしくお願いするわ」
涙を見せながらも微笑んで言ってくる。
友美「送信っと。」
友美「なんか詳しい事を聞きたいかも」
麻理を見つめて聞く。
またすぐに返信が来た。
友美「・・・・はい?・・・なにこれ?」
麻理「?どうしたの?」
友美「うん、とりあえず麻理にスマホ見せてって。それだけ。」
そう言って麻理にスマホを見せる。
と。
友美「きゃっっ!」
麻理「あっ?!」
スマホの画面から光が溢れる。
麻理「あっ、あっ、あっ!アァアアァァァアアア〜!!」
友美「なに、これ???」
光は数字の羅列を形成していた。
0と1だけの羅列。
それが渦となり麻理を呑み込んでいく。
麻理「アァアアァァァアアア」
宙に少し浮かぶ形で硬直した麻理が数字の渦に呑まれる。
友美「麻理っっ!!麻理っ!!」
麻理「良いのよ、これで。思ったよりちょっとキツイけど。」
顔を上にし苦しんだ状態のまま言う。
麻理「あっアァッ!」
友美「えっ?あっ!?」
猫達「「ギニャァァアア〜!!」」
猫達「フギャァアア〜!!」
麻理の身体から猫が。猫達が。
たくさんの猫が出て行く。
そして。
そして数字の渦に混じっていく。
どのくらい叫び声と数字の渦が続いていただろうか。
最後に大きな猫・・・体が白く茶色い手袋をしたような猫が麻理の身体から出て行き。
友美「あ」
ドタタンッ
バチバチバチッ
麻理の身体が部屋の絨毯の上に落ち。
数字の渦がスマホに吸い込まれていく。
スマホが、いや、スマホの画面が中と外身の両方で嫌な音を立てている。
友美「・・・・・」
友美「・・・・あ?・・・麻理!!麻理?」
とりあえずスマホには触らないように麻理を抱き起こす。
「・・・ユミ・・・」
友美「良かった生きてる。怪我とかもなさそう?」
麻理は目を覚まさないが無事のようであった。
「・・・ユミ・・・」
何処からか友美を呼ぶ声がする。
友美「??どこ?誰?」
麻理「ぅ・・・ゆみ?・・・?」
友美「あ!良かった麻理!!どう?大丈夫?どっか痛かったりしない?」
麻理を抱き抱えたままの状態で聞く。
「ユミ・・・」
麻理「う・・・うん、大丈夫。多分なんともない。なんかすごく疲れてる?体力が一気に無くなってるような感じはするけど。それだけ。多分。」
軽く頭を振りながら答える。
友美「良かったよ〜!」
泣きながら抱きしめる。
「うん。ごめんね、完全に巻き込んだ。ありがとう。」
軽く微笑んで言う麻理。
大丈夫そうだ。
友美「うん。良かった!良かったよ〜!」
「・・・ユミ・・・・」
「それよりもスマホ。ひょっとしたら大丈夫じゃないのかもしれない」
疲れた顔で、けれども少し焦ったように友美に言う麻理。
友美「スマホ?」
「・・・ユミ」
友美「あっああっ!誰か電話?誰だろ?」
麻理「・・・・友美、この状況でそれは無いと思う」
更に疲れたように呟く。
友美「・・・え?・・・はい、もしもし?」
不思議そうな顔で麻理の方を向きスマホを耳に当てる。
「・・・・いや。耳に当てなくて良いよ。ちゃんと返事をして話を聞いてくれれば」
こちらもかなり疲れた声で言ってくる。
しかもノイズ混じりで聞き取り難い。
友美「・・・えっと。はい。えぇっと。誰でしょうか?」
電話?の主「ワイアード。そう言えば分かるだろ?」
やはり疲れた声で言ってくる。
ノイズ混じりな上に声が小さい。
友美「・・・はい?ワイアード?・・・はいぃ?ワイアードぉ?ですか?」
麻理にも聞こえるよう離していたスマホを再び顔に持ってきて叫ぶ。
思わず大きな声で問い掛ける。
麻理「もう!」
ワイアード?「っっ!」
友美「あ。ごめんなさい。」
被害を受けた話し相手はもちろん、友美とスマホの近くに居た麻理にも謝る。
友美「で、でも。ワイアード?って。メールしたワイアード?いつもゲームしたり相談乗ってくれてる?」
慌てて問い掛ける。
ワイアード「そう。そのワイアード。間違いなく本人。ただしこうして話をする時間は残り少ない。」
ノイズが減った気がする。
友美「・・・本人なの?ほんとに?と言うか、え?」
やはり混乱する。
電話番号なんて教えてない!
しかもどういうタイミング?
すると横から
「ワイアードさん、ですか。今回はありがとうございました。ご迷惑をおかけしてすみませんでした。」
麻理が謝罪と感謝を述べる。
友美「あ。あ、あぁ〜。そうだそうだ。ワイアード、ありがとう?助かったよぅ」
何が何だかわからないが。
ワイアード「・・・うん。こっちへ引っ張り込んで処理した。無事に皆処理出来たからもう安心して良いよ。もう大丈夫」
少し明るい声で言ってくる。
麻理「本当にありがとうございました」
友美「ほんとに?・・・そうなんだ。本当にありがとう」
友美も終わった、と感じ感謝の言葉を口にする。
ワイアード「うん。それで。えっと。まずは麻理さん?ですかね?最期の挨拶をしたいそうなので。どうぞ。」
少し丁寧な喋りになり麻理に言う。
麻理「はい」
泣きそうな顔で返事をする。
スマホから
「にゃ〜ぉん」
麻理「・・・うっうん・・・・うっうっ・・・チビ・・・」
泣き出してしまう。
チビ「にぁ〜」
麻理「ありがとうね。チビ。ありがとう、さようなら、チビ。」
スマホを手に取り泣きつく。
ワイアード「・・・良い関係で。今回良いタイミングだったみたいだ。力を貸してくれたし。メールで話してる最中にも会話してたんだよね。」
麻理に向けて問い掛ける。
麻理「うっぅっ・・・はい。このままだと私もチビも負の力に引き摺られてマズイ方に行っちゃうって。やっぱりちゃんとお別れするしかない、って。それで今回友美からの話を聞いた時にチビが絶対に断ったらダメだ、って。多分チビには分かっていたんでしょうね」
友美「・・・そうだったんだ」
自分は何も分からなかったな、と力無く言う。
が、
「友美が私の事をちゃんと見てくれていて。正しい方向に進んでいけるコだから今回私は助かったの。チビも感謝してる。絶対。」
麻理が友美の手を握り面と向かって言った。
友美「そう、かな。そうだと良いけど。・・・ワイアードには助けられてばかりだし」
困ったように言う。
「あぁ〜それなんだが。」
ワイアードもなんとなく困ったように言う。
友美「うん?」
ワイアード「すまない。自分も限界だ。力を使い過ぎた。多分存在の力、って奴を。だからもう皆と一緒に楽しんだり手を貸したり出来ない。・・・と、思う」
頭を掻きながら困った姿が見えるような気がする。
友美「???どういうこと?どういう意味?」
麻理「ごめんなさい。」
友美「どうして麻理が謝るの?なに?どういうこと?」
「・・・うう〜〜ん・・・何から説明するべきか。多分そんなに時間無いしなぁ」
完全に困った風に言うワイアード。
友美「う〜ん。じゃあまずワイアードって誰?何者?って聞いた方が良いのかな?今の電話してる状況ってほんとはおかしいよね?」
良く考えて首を傾げながら問いかける。
ワイアード「うん、そうだね。分かりやすくそこからかな。」
ワイアード「まず。『ワイアードゴースト』って聞いた事は?」
麻理・友美「ないわ/です」
友美「ワイアードの名前の由来?」
ワイアード「うんそれもある。まぁ普通はそうだよね。昔ね、それこそインターネットが創られる前から。パソコン通信って物があったころから噂とか都市伝説としてあるものなんだけど。」
友美「うん」
ワイアード「通信回線開いたまま死んだ人間の魂がパソコンの中や回線自体に入ってしまって『そっち』を彷徨うって奴。それが所謂ワイアードゴースト。電子霊とか電子精霊とか言われる存在なんだ。」
友美「・・・・ふぅ〜ん。考えると有り得そうで恐いね」
麻理・ワイアード「「・・・ふぅ。」」
友美「・・・えっ!?何その溜息は??!!」
ワイアード「いや、だからさ。俺の名前の由来。と、言うか俺の話。」
一時疲れが取れたかと思いきやなんか再び疲れた声で言ってくる。
「・・・友美・・・分かってはいたけど。。。肝心な所に限って天然発揮するよね」
麻理も同じように言う。
友美「・・・え、え?だって。噂、都市伝説、でしょ?・・・それがワイアードの名前の由来で。。。??ワイアード自身の事?で?」
ワイアード「・・・うん。・・・はぁ」
麻理「わかるわ。」
「・・・・ん??と、言う事は?」
ブツブツ呟いている友美と何故か意気投合している麻理とワイアード。
友美「え?ワイアードって?・・・・ひょっとして幽霊?ってこと?」
麻理「良くできました」
ワイアード「うん。・・・・こんな時間取られるとは思わなかった。思い切り生命力吸い取られた感じがする」
麻理「わかるわ」
友美「うううう、ごめんなさい」
ワイアード「と、まぁ、そういうわけで。だから憎しみに凝り固まった1つになっていた猫達をコッチ側に引っ張り込んで。」
友美「コッチ側?」
ワイアード「なんとか、ってそう、コッチ側。電子の海と言うか電気の世界と言うか。俺の力の方が上になるかな、と思って。」
友美「なるほど〜」
ワイアード「それで、まぁ、なんとか思念の欠片も残らないくらい粉々に出来たし、力を貸してくれたあのチビという猫も上手く切り離せたわけだ。」
麻理「チビ・・・」
友美「麻理」
ワイアード「あぁ〜。チビに関しては安心して良いと思うよ。ちゃんと行くべき所に行ってちゃんと生まれ変わって来ると思う。」
麻理「そうなんですね」
友美「良かった」
ワイアード「・・・と、言う事で。説明終わり。あ、俺の死因についてはまぁ、あそこに永く居るということで察してくれればな、と。。。俺も。もう消える。さよなら、だよ」
友美「・・・?え・・・?」
ワイアード「いやぁ、大丈夫かな、と思ったんだけど1対1じゃなかったし凄まじい怨念でね。・・・・ただ存在してる、存在しちゃってる俺の力じゃ使えるもの全部を使わないと敵わなくて、さ。」
「ユミ、もう少し皆と楽しく過ごしていたかったけど。正直ネットの知識を持たずにやってくる未熟な人達の面倒をもう少し・・見ていたかったけど。」
声が。
声が少しずつ遠くなっていく。
「お別れだ。ユミ、今までありがとう。他の皆には急に居なくなってごめん、と言っておいてくれ、な」
友美「・・・いやぁ・・・いやだよ・・・」
ワイアード「・・・お別れだ・・・よ・・・」
友美「好き!・・・好きだったの!!」
ワイアード「っ!!」
ワイアード「・・・ごめん・・・ユミ、さよなら・・・おれ・・・・・も・・・」
・・・ズザザザザ・・・・
そしてスマホからはノイズ音だけが聞こえて来る。
友美「・・・・っ・・・うっっうっ」
「う、ぁああああぁぁあん」
麻理「・・・・友美・・・」
そして友美の部屋には泣き崩れた友美と力無く座り込む麻理だけが残された。
・・・そして今日も数多くの老若男女問わず人々がインターネットを利用している・・・
・・・・
・・・
・・
・
-ワイアード*・が*¥*入室しました-
〜終〜
書き忘れすみませんでした。
読んでいただきありがとうございます☆
タイトルとメイン登場人物が違いますが一部(?)前回書いた『化け猫』の続きとなっております。
いかがでしたでしょうか。
読み終えた後に何かしら残るものがあったら幸いです☆
0:20後書きを追加しました。