73/150
「泥沼」/「悲恋」
「泥沼」
神経をすり減らして
君と口論 別れる別れないの繰り返し
大抵のカップルって結婚と言う約束が無ければ
次の相手を探せばいいやという事になる
ただ嫉妬とか憎悪とか言う感情は
薪の切れた暖炉みたいにブスブスと燻る
愛なんて ちゃんちゃらおかしい
そんな物無いんだよ いつも男女は争い
その度に後悔する
「悲恋」
苦しい秘密がございました
誰にも言えない悲しい恋
私は身籠っていました
それを告げるのが怖くて仕方ないのです
あの方は大きな庄屋の一人息子
私は早くに両親を亡くし弟と丁稚奉公している身
どう考えても不釣り合い
身投げしようとしても出来ず
ただ毎日泣いていたのです
案じても産めないのです ああ




