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 夕日に染まる教室。そこにいるのは二人の少年だった。

 片や黒い髪をざんばらに伸ばした少年、もう片方は眼鏡をかけた知性的な雰囲気を漂わせる少年。二人ともここ、高麗学園2年B組の生徒である。

「去年の――今日だった」

 黒い髪を伸ばした少年が小さく呟いた。その目は窓の外に向けられており、そこに浮かぶ感情を知るのは難しい。

「姉さんが消えた。警察はろくに調査もせずに行方不明とだけ決め付けて、この件はもう忘れられた――」

 抑揚無く、淡々と続けていく。

「今年も起きるかもしれない、と?」

 眼鏡の少年が言葉を遮る。

「ロマンチストだな、どこの七不思議かねそれは」

「この学園が何か隠しているのは事実だ、現に姉さんの時だって――」

「君も都合よく巻き込まれるとは限らないだろう?」

「ッ!」

 ギリ、と歯軋りの音が聞こえる。

「ま、それしかないのならそれに懸けるというものだがね」

「お前は何でいるんだよ、ここにいる理由がないだろ?」

「お前を一人にすると何をしでかすかわからなくてね、別に不味いことはないだろう?」

「勝手にしろよ」

 ざんばらに伸ばした髪をくしゃっと掻き、少年が教室から出る。

(ったく、保護者ぶりやがって)

 心中で愚痴をこぼしていると、耳に何やら声が入ってくる。

『……対象者は……去年度よりも質の高い素質……超PSI発生システム……』

 どうやら成人男性の声のようである。人数は二人程度というところか、学校の教室か何かだろうか。

 声は先ほどまでいた教室の隣の教室から聞こえてくるようである。

「おい、綾媛――」

「分かっている、隣の部屋の声だろう?」

「ッ!!」

 声は少年の背後からした。何時の間にか眼鏡の少年――綾媛が背後に立っていたのである。

「気配を消すような真似は止めろよ……」

「俺はそんなつもりはないのだがな」

「余計性質が悪いな」

 少年は吐き捨てるように言うと、扉の隙間から隣の教室内の様子をのぞいた。中にいるのは白衣のようなものを着た大人の男が三人。その肩には従の円が規則的に並べられた紋様――セフィロトの樹が描かれたワッペンがつけられている。

「セフィロト機関か?」

 セフィロト機関。その強さの強弱に関わらず人間が潜在的に持つ超能力を利用した商品を製造、販売している会社である。その規模は大きく世界中に支社を持っており、もちろん日本にも幾つか支社がある。

「そんな大きな会社が何で……」

 綾媛が呟く。刹那――。

「誰だ?」

 男の一人がこちらを向き、問い掛けてくる。少年たちが逃げ出そうとしたときにはもう遅く、扉が開けられる。

「ん、君達は――2年B組の十六夜(いざよい)(ゆう)君と綾媛(あやひめ)幹也(みきや)君だね。ふむ、少し話がある、時間をいただけないかね?」

 思えばこれがすべての始まりだったのだ。

 そう、あの地獄のような日々の……

 ん、何々、ギアライザーじゃないのかって?そのとおりです、違います。

 ギアライザーの方については保留中です、多分完結はさせますんでまぁ、気長に待っていてください。多分ですが。

 今回はギアライザーと違ってかなりのシリアスになる予定です。それはもうマジで。

 なので暗い話が嫌な方は読まないほうがいいと思います。きっと鬱になるんで。

 まぁ、このプロローグを読んで少しでも惹かれたら読んでくれると幸いです。

 ではこれにてノシ


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