第二話 断罪の焔
直ぐに状況を理解した女剣士は地面をえぐる脚力で飛び、私の近くに着地した。
「ありがとう、おかげで助かった」
女剣士は大剣を構え直し、オークロードに視線を向ける。
「それで、さっきの質問の答えだが……援護が欲しい。頼んでいいかい?」
「……わかった」
「Aランクのシリルだ。よろしく」
「……Bランク、フレイア」
「Bでその実力かぁ、いいね。安心して戦える! 行くぜ、フレイア!」
「……了解」
シリルは、さっきよりも激しい深紅の炎を纏い、オークロードに突撃した。
オークロードの隙を見逃さず、瞬時に重力操作を自身に付与して木の上に移動する。
オークロードに気づかれないように片手剣を弓に変えて、氷の矢を弦に掛け狙いを定める。
オークロードに突撃したシリルは、不敵に笑っていた。
この戦いを全力で楽しんでいるように感じた。
その笑顔に、私は嫉妬を覚えていた。
体勢を整えたにも関わらず押されたオークロードは、何とかして逃れようと試みる。
しかし、シリルの圧倒的な力の前に小細工は通用しなかった。
じわじわと押されていき、ついには私への警戒がゼロになる。
その一瞬の油断を、私は待っていた。
氷の矢を放ち、オークロードの足に刺さる。
瞬時に下半身を凍らせ、身動きを封じた。
「いい援護するねえ。こっちもいいもの見せないと」
シリルは大剣を深々と地面に刺し、左腕で右腕を掴む。
「顕現せよ! 断罪の焔」
瞬間、シリルの右腕が蒼白い焔に包まれ、やがて掌に集まる。
オークロードに向かって焔を飛ばす。
「さぁ、断罪の刻だ! 己が罪を呪え」
焔がオークオードに触れて消えた。
次に目にしたのは、内側から燃やされ苦しむオークロードの姿だった。
やがて全身に燃え広がり、真っ黒な灰だけが残る。
「あぁあ、燃やしすぎちまった。ま、当然だな」
シリルは右の人差し指に残った焔に息を吹きかける。
小さな焔は灰に舞い降り、小さく燃えていく。
焔が燃え切ると、灰は残っておらず緋色の魔石だけが残っていた。
私は木の上からふわりと地面に着地し、シリルに近づく。
「……大丈夫?」
「大丈夫だ。それより、援護射撃ありがとうな、フレイア」
「……次、行こ」
「そうだな、次も援護貰ってもいいか?」
「……わかった」
「うし、もう一体狩りますか」




