2話 美波が異世界召喚されて、14日目・21日目
***美波が異世界召喚されて、14日目***
『ママァァァ―――!好きって言えぇぇ!!』
今日も私の脳内で美波の声がこだまする。
「はいはい。好きよ。
今日はどうしたの?」
『この前ママが言っていたのちゃんと調べたのよ』
「おー偉いね美波!流石我が愛娘!
頑張った成果をママに教えて―――」
『えっとね勇者はね、レベル23でHP985、MP438って言ってた』
「ん?」
『聖女はね、レベル25でHP580、MP1050
この世界ではこんなに凄いMP持ちは居ないって教えてくれた人が言ってたんだけど――』
「美波その話を聞いた人に、美波のステータスの話してないよね?」
『するわけないじゃん~。人の胸しか見ないあんな猿おやじに大事な情報いうわけ無いし~』
「おー…ママは美波がそう言う所しっかりしてくれてるのは嬉しいんだけど…
無理はしないように。
次からそーいう人じゃない人に話聞こうか?」
『そう?あーいう人口軽いんだよ。
おだてとけば情報吐いてくれるの良いよね~』
「あーあーあー、美波がブラック美波になってる気がする。
しっかりして!いらだってはダメよ!ファミコン美波に戻ろうね」
『はーい!ママ大好き―――!パパ元気してる?ゲーム進んだのかな?』
「美波が居なくて肩を落としているわよ。パパには電話しないの?」
『パパ寝落ちするモン。よくゲームしながら寝て負けてたじゃん!そのうちスキル鍛えてスピーカー通話覚えるね』
「あら、良いわね。パパが泣かなくてすむわ」
美波からの電話が切れた後、思う。
スキルよりなにより…
あの子のステータス確認せずに追放した国の連中、愚か。
さっさとその国から出れることをお勧めするわ。
さて、今日は晩御飯なにしようかしら。
キャベツと豚肉のミルフィーユ鍋でも作ろうかな…最近寒くなったしな。
晩御飯の時にパパに美波のステータス話してあげよう。
きっとゲーム好きのパパは美波のステータス聞いたら、戦術云々嬉々として語り始めるだろう。
それをメモしてあの子に伝えたら喜ぶだろうな。フフフ
***美波が異世界召喚されて、21日目
『ママァァァ――!!好きって言ってぇ―――!!』
今日も今日とて娘の声が頭に響き渡る…あら、でも今日はちょっと…
「はいはい。美波大好きよ。
どうしたの?少し元気がない声ね?」
『ヴぅぅぅ…さすがママ気づいてくれて嬉しい!
こっちの飯が……』
「飯がどうしたの?」
『まずいとまではいかないけど!
ママの料理が食べたいよ――
私の口は今!まさにママ特製唐揚げの口になってるの!
照り焼きチキンに、カレーにピザに、切昆布の煮物も食べたい…
大体調味料系が醤油無いし、ソースないし―――辛い
塩コショウだけとか飽きた―――』
今日は一段と不満を溜めている娘…
切り昆布の煮物なら昨夜の残りが冷蔵庫にあるし、
冷凍庫には作りすぎて余ったおかずをタッパーに入れておいてあるから…
渡せるならいつでも渡すのだけれども…
私も娘と同様にため息をつく
「食は異世界ものの、定番のお悩みだよね。
美波…簡単なものしか作らないしね…
ママの料理そっちに持って行ければいいんだけど…」
『―――それだ。』
「?美波?」
『ママ、私スキル鍛える』
「うん、そうかやる気になったんだね。良かった…スキル?」
『頑張るね―――今日は修業するから切るね!バイバイ』
「バイバイって…え?美波?…
―――テレフォンカードのスキル鍛えてどうにかなるものなのかしら?」
首を傾げていると、玄関の方から音がする。
あら、パパが返ってきたのかしら?
玄関に行くとパパが嬉しそうに”金八たこ焼き”の紙袋でお土産を渡してくれる。
「お帰りなさい、パパ」
「今日美波から連絡あった?」
「ありましたよ。食いしん坊なあの子そろそろ異世界飯に限界が来てるみたい」
「ははは、ついつい美波の事考えてたら、金八のたこ焼き買っちゃったよ」
「あの子の好物ですもんね。
美波の分まで買ってきちゃったのね」
「ついついな」
玄関先で苦笑した私たちは、居間のこたつに入って、お土産のたこ焼きを堪能した。
「ふふふ、美波の分、もったいないから、食べちゃいましょう」
美波の分のたこ焼きまで分けっこしていただいたのでこの日は晩御飯は作りませんでした。
たまに粉もの、ソースもの食べたくなる。
美波もきっと禁断症状が出てる頃じゃないかしら?
読んで頂きありがとうございます✿次話は明日12時更新予定です。




