↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

クールっ!?

クールっ!?〜文化祭編・初日〜

作者: 矢枝真稀
掲載日:2010/04/27

文化祭初日


絶好の快晴とは裏腹に


「「・・・・・ハァ・・・」」


僕と会長さんは、台風が来て文化祭自体が無くなれば良いのに!なんて思いながら、ため息を吐いた。


「いっそ、逃げ「ナギ!私は覚悟を決めた!お前も腹を括れ!!」」


言葉と逃げ道を遮られました


「あぅ・・・」

「ナギ、何もお前一人が恥ずかしい格好をしてるわけじゃないんだ。私だって優だって宗一だって弥生だって恥ずかしい格好をしてるんだ」

「いや、僕と会長は恥ずかしいかもしれないですけど、あの三人は・・・」


優先輩・宗一先輩・弥生先輩は、なんかノリノリです。


「とにかく!逃げるなよ!!」


会長命令だ!と付け加えた会長さんは、ものすごく怖かった・・・です。






◇◇◇◇◇◇◇






現在時刻、午前9時。文化祭の始まりである。各クラス・委員会・部活動の出し物も今年はいっそうの気合いが入っている。


「いらっしゃいませぇ!三名様ですね!」


本日最初のお客さんらしい。優が丁寧に対応してるようだ。私とナギは、今は裏方で仕事中。ちなみに、私の格好は、ミニチャイナ(スリット入り)。いや、中にスパッツを履いているから見える事はないが、それにしても、心許ない。


「ナギちゃん!ご指名入ったよぉ!!」

「ひゃいっ!?」


生徒会の出し物は、生徒会室でコスプレ喫茶。入り口にコスプレした役員(私を含む)の写真が貼ってあり、客はその写真を見て、気に入った役員を指名。指名された役員は、その客の接客を担当する事になるのだ。


「い、いらっしゃいませぇ〜。ご、ご指名ありがとうございます!」


緊張感丸出しのナギだが、そこがまた


「・・・良い・・・」

「緋沙、鼻血・・・」


む、いかんいかん。私とした事が、ナギのあまりの可愛さについ興奮してしまったようだ。


「ほんと、だらしない・・・」

「・・・だって、可愛いじゃないか」


裏方に引っ込んだ優が、なんか言ってるみたいだが、今の私に何を言っても関係ないね。


「いや、まぁナギちゃんは可愛いけどさ、そろそろあんたの出番が・・・」

「かいちょ・・・じゃなかった緋沙さん、ご指名でーす!!」

「は?・・・あ!はいっ!!」


明日は我が身ってやつだったみたいだ。いつの間にか他の客が、生徒会室に押し寄せていたみたいで、じっくりとナギを観察していた私にも、ついに指名が来てしまった・・・


「い、いらっしゃいませ!ご指名あ、ありがとうございます、ヒサです」

「ヤッホー緋沙ちゃん!久しぶり〜!!」

「ん?あぁっ!!」


なんとまあ、私を指名した客は、中学時代の友人達だ。しかも、五人全部女性客・・・いや、むしろありがたいか。


「久しぶりだなぁ、一年ぶりか?」

「そだね、そんくらいだね!でもさ、まさか緋沙ちゃんがこんなミニスカチャイナ姿で・・・」

「言うな・・・」


いくらスパッツを履いているからって、さすがにミニスカチャイナはキツイ。

コスプレなんて初めてなのに、いきなりこの格好だもんなぁ・・・


「ま、積もる話は注文した後にしよっか!」

「・・・そうだな。それで、ご注文は?」


懐かしい顔なじみの姿は、私の心に少しのゆとりを生み出してくれたようだった。






◇◇◇◇◇◇






あ、なんか会長さん楽しそう・・・。しかも、笑ってる!

今日の会長さんは、怒ったような表情とか笑顔とか、色んな表情が見られます!びっくりです!!でも、あれが本当の会長さんの姿だと、僕はそう感じます。だって会長さんも、僕らと同じ人間だから、喜怒哀楽の表情があってもおかしくないんだから。


「ナギちゃん、どうしたの?」

「ふぇ?あ、すみません!」


すっかりお客さんの事を忘れて、会長さんをガン見していたみたいです。

仕事に集中!!


「それにしても、ホントに男?びっくりだよ!」

「ア、アハハハ・・・」


僕の担当してるお客さんは、男性二人に女性が一人。僕より少し、年上みたいです。最初こそ戸惑いましたが、いい人達みたいで、僕も少し、楽しいです!


そんなお客さんのおかげで、以後は楽な気持ちで接客をする事ができました。




「ナギちゃん、緋沙と休憩行って来てね!!」

「あ、はーいっ!」

「もちろん、着替えは禁止!!」

「ミギャッ!?」


優先輩は怖いです。逆らったら・・・・・・うぅ、考えただけでも恐ろしい。


「・・・ナギ、行くぞっ!」


あ、会長さんも着替えられなかったんですね・・・




優先輩いわく、この格好で校内をうろつけば、宣伝効果になるそうです。やってるこっちは恥ずかしいんですけど。


「ナギ、昼食はどうする?」

「うーん・・・お腹は空いてるんですけど」

「優から食事券を貰ってな、よかったら一緒に食べに行かないか?」


会長さんは、財布から二枚の食事券を取り出して、一枚を僕にくれました。


「ハイッ!」

「まぁ私のクラスだけどな・・・」


会長さんのクラスって、確か焼き鳥屋さんだっけ?

それにしても・・・


「なんか初めてですね、会長さんと二人っきりで食事って!」

「そそそそそうだな!い、いや、私なんかと食事ってのも楽しくないだろうが・・・」


あれ?僕、何か変な事言ったかな?会長さん、ものすごく焦ってるみたい


「そんな事無いですっ!会長さんとお昼ごはん、楽しみです!」

「そ、そうか!わ、私も楽しみ・・・って、どうした?」

「ん〜今日の会長さん、なんだか変・・・?」

「変?どこが?」

「ん〜と、表情がコロコロ変わるとこ?」


自分でそう言って、なんか自分の言ってる事が変な気がするような・・・


「フフッ、周りからは色々クールだとか表情が無いとか言われはするが、私だって楽しい時には笑うし、悲しい時には泣いたりもするさ」

「そ、そうですよね!すみません、変な事言って」


そうだよね、会長さんだって、僕らと同じで笑ったり泣いたり、色んな表情をするのは当然。


「気にするな」

「でも、うれしいです。会長さんが笑ったら、僕もなんだかうれしい気分になります!」


これはホントの気持ちです。会長さんが笑うと、僕もなんだか心があったかくなるような、そんな気分になりました!


「そ、そうか?おっと、着いたな・・・」


会長さんとお喋りをしていたせいか、あっという間に体育館横の出店コーナーに到着。もうもうと立ち込める煙りとともに、食欲をそそるいい匂いがコーナー全体を包んでいます。


「さてと、まずはうちのクラスの焼鳥でも食べるか?」

「ハイッ!!」


先輩に連れられて、最初に焼き鳥屋さんでお食事券と焼鳥の十本セットを交換して、後はタコ焼き・焼きそばも買って、近くに空いていたテーブル席で昼食を摂る事になりました・・・けど


「目立ってますね」

「目立ってるな・・・」


すっごく見られてます。色んな人に・・・仕方ないとは思うんですが、やっぱり・・・


「「恥ずかしい」です」


コスプレ衣装のままなんですよね・・・あぅ・・・






◇◇◇◇◇◇






ナギと二人っきり・・・ただそれだけの事でテンションが上がってしまい、自分達の格好をすっかり忘れてた。誤算だった・・・


「会長、食べましょ!」

「あ、ああ。・・・しかし、恥ずかしくないか?」

「そりゃあ、恥ずかしいです。でも、優先輩が宣伝して来いって言ってたし、なんか少し・・・慣れた・・かな?」


ナギはポジティブだった


「ま、たしかに、今更だな。・・・そうだ、ついでにもう一つ、ナギには慣れてもらわないとな!」


ここで私の頭の中に、あるアイデア的な事が思い浮かんだ。


「もう一つ?」

「ここは生徒会じゃないんだ。『会長』と呼ばれるより、『緋沙』と呼んで欲しい」

「えっと、じゃあ・・・緋沙先輩?」


・・・良い・・・。ヤバイ、ナギをギュッと抱きしめたい!!


「緋沙先輩・・・で、いいですか?」

「お、おぉもちろん!」


いかん、理性が吹っ飛ぶところだった。


「食べましょっか!」

「そうだな」


多少の視線は気になるが、こうしてナギと二人っきりの食事なのだ。誰に見られようと問題無い。

私は今、ものすごく幸せなんだ・・・。好きな人と一緒にいるこの時間、少しでも長く続く事を、私は心の中で願った。

文化祭初日編、いかがだったでしょうか?次作は文化祭中日(なかび)編を予定しています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。