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「アイドルか、それとも…? 揺れる心と友人の助言」

 「可愛い女の子に囲まれてステージで踊る…想像しただけで楽しそう」

アパートへ帰る途中、しおりは誰もいない夜道をふらふら歩きながらニヤけていた。 しかし同時に、「でもやっぱり不安もあるんだよなぁ」とぽつりとつぶやく。

男性スタッフが苦手なことはもちろん、自分がそんなに華やかに立ち回れるのか、という疑問が頭をもたげるのだ。

「ダンスは好き。でも、アイドル?私なんかでいいの?」と考えれば考えるほど、気持ちがぐるぐるしてしまう。


 翌朝、いつものようにバイト先で開店準備をしていると、らんから電話がかかってきた。

「昨日の子、どうだった?ちゃんと話進めた?」

少しハスキーな声がスマホ越しに流れてくる。

しおりは「うん、あの子すごい情熱でさ。私のダンス動画を見てくれたって」と説明すると、らんは満足げに笑う。

「そりゃあいい。あんたのダンスは確かに見栄えがあるし、男なんかに邪魔されないなら最高じゃない?」

しおりは「そうなんだけど、やっぱりステージに立つのは大変そうだし…」と歯切れが悪い。


するとらんは「何言ってるの。私は夜の世界で男相手にばっちり稼いでるけど、あんたは女の子同士が好きなんでしょ?なら遠慮する理由ないじゃない」と豪快に言いきる。

「まあ確かに…」としおりは苦笑い。

らんは「男が苦手なのはともかく、夢を見られるならやってみなさいよ。ダンスが好きなんでしょ?」と背中を押してくれる。

その言葉は聞いていて嬉しいが、実際にアイドルとして活動するとなると、想像もつかないトラブルが待っていそうだ。

可愛い女の子とイチャイチャしながら踊るのは最高だけど、その裏には練習や売り込みなどの地道な努力が必要になるはずだ。


バイトを終え、夕方近くにみちるから「カフェに寄らない?」と誘いのメッセージが届く。

合流すると、みちるはカウンター席でドリンクを用意して待っていた。

「あんた、まだ悩んでるんでしょ?」と率直に切り出す姿に、しおりは苦笑を浮かべる。

「うん、正直どう動くのがベストなのか…わからない」 そう答えるしおりに、みちるは「男の人が多い現場が苦手なのは知ってるけど、まどかさんがいるなら、ある程度安心じゃない?」とフォローする。


「それはそうなんだけどね。練習や撮影現場で、男性スタッフと完全に切り離されるわけじゃないでしょ?」

その疑問に、みちるは真剣に頷く。

「でもさ、まどかさん、本当にやる気あるみたいだし、女性スタッフを中心にしてくれるって言ってたじゃない。らんさんも協力してくれそうだし」

確かに、頼りになる味方が周りにいるのは心強い。

しおりはストローをくわえて「うーん…まぁ、可愛い子に囲まれてステージに立つのは夢みたいだし」と視線を横にそらす。

「それに、大きなチャンスかもしれないでしょ?」とみちるが笑って言う。

「ダンスが大好きなしおりなら、きっと活かせると思うよ」


 しおりはその言葉を噛みしめるように「…そうだね」と呟いた。

男性苦手を理由にチャンスを逃すのはもったいないかもしれない。

ましてや可愛い女の子とステージなんて、想像するだけで心が浮き立つのも確かだ。 「よし…やってみようかな。いや、でもやっぱり怖い気持ちもあるし…」と迷いが尽きない。

みちるは「大丈夫。あんたにはちゃんと味方がいるんだから」と優しく微笑む。

その横顔を見たしおりは、少しだけ肩の力が抜けるのを感じていた。

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