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神無き世界  作者: ヤング丸
第一章 広がる世界
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第一章 第九話 邂逅


 天空大陸、ドラグマ大陸、魔大陸、海人大陸に囲まるキャラクタル大陸。

 島面積や人口は世界一、多種多様な種族やモンスターが存在している。


「早速ですが本題に入ります」


 そのキャラクタル大陸に存在する【メルティシア王国】の都市、王都ソムラニアにある王城は現在物々しい雰囲気を漂わせていた。

 数時間前に世界各地で観測された空を廻る流星の直後、国王や大臣、騎士団長や各官僚などに全招集がかかっていた。


「その前に国王よ!!我々の全員招集により民に混乱を呼んでおるぞ!!」


 意見を飛ばした官僚の通り、既に王都の国民には知れ渡ってしまった。


 世間では停戦状態だったドラグマ大陸の進行が、再び始まったのではないかなどあることない事言われる始末。

 この事態をどのように収めるか、国王に問いていた。

 事態を飲み込めない者皆がキャラクタル大陸を統治する国王、プロテヘルに注目する。


「まずは急な招集にも関わらず、集まってくれたことに感謝を述べさせてもらおう。その上で今から語ることは外部に漏らさないと約束してほしい」


 プロテヘルは情報の開示をするのはこの場に居る者達のみ。

 民に声明を出すものの、今回の議題は一切出さない。


「何故民に言えぬのですか!?」

「混沌を呼ぶ…からだ」


 プロテヘルは言った。


 これはドラグマ大陸との戦争よりも恐ろしい事だと。

 世界が終焉を迎えようとしていると。


「ここからは私が国王に変わってお話します」


 そういって前へ出たのは国王直属の研究者、マルク。

 彼は皆の視線を受けながら語りだした。


 ただの予言。


 しかし皆が動揺を隠せず、震える。

 それは時代の命運を分ける予言であることは明確だった。


「そ、それは本当なのか!?」

「えぇ。これは神時代を生きた大魔術師(マーリン)の残した、最後の予言です」


 彼の取り出した資料は予言の石碑を映した書物。


 膝を突く人のような存在5つとその頭上に存在する大きな黒き太陽。

 下には神聖文字で書かれた一文が。


「リーベ!!いち早く調査を!!」


 皆が一人の人物に視線を送る。

 この空間でマルクに並び若年者。


 リーベ・グラーデアス。


 キャラクタル大陸最強の人物にして、最強の騎士団を率いる男。


「いいですけど先にやるべきことがあるんで待ってくれ」


 彼は国王の横に跪く。


「国王。申し訳ございません。お先に失礼します」

「例の天空人が起こした襲撃事件か?」

「その通りです」


 それは約一月前に起こった事件。

 任務を遂行していた騎士団員で組まれた部隊、死亡者6名、重傷者20名以上。

 その中には【聖域】の騎士団員もいた。


「そうか。気を付けろよ」

「了解。では行って参ります」


 すっかり日は暮れ、1日が間もなく終わる。


「アリシア。気を付けろ」


 世間やイルファルド達がこの日、彼らの共有した情報を知るのはまだ先のお話。


────────────────────────────────────


 昨日僕の前に現れたカラスだと視界に入った瞬間に気づいた。


「サァ。ボウケンノハジマリダ!!」


 いつもは早すぎて目で追えない父さんがゆっくりに見える。


『トラポ』


 魔法が発動した瞬間、僕の視界は一瞬にして切り替わる。

 まだ夕暮れだった景色は月光が照す夜へ。


 そして足場は消え上空へ。


「ア。タカサソノママダッタ」


 高さがそのまま。

 そんな言葉が聞こえた。


「う、うわああああああああああああッッ!!!」


 受験場のある浮島と同じ高さであり、その高さ2(キロメルト)以上。

 周りに落下を防ぐような何かは勿論存在せず、落下の勢いを多少軽減しても絶対に助からない。


「死ぬ死ぬ死ぬ!!!」


 昨日に引き続きなんで高所から落下するんだ。

 てか高すぎて想像する高所のレベル超えてない!?


「翼があればぁあああああああ!!!」


 あたふたしている間にも刻一刻と近づく地面。


 身体強化で風による体制崩しは防いでいるが、重力で皮膚が引っ張られ口の中がとんでもなく乾燥する。

 すると僕と共に落下しているように飛ぶカラスが横まで来た。


「ちょッ!!助けッ!!」

「コレハマズイネ。エット…ガンバレ」

「えええええええええええええええええええええええええ!?」


 [ここに飛ばしたの貴方だよね!?]

 [このままだと死ぬんだけど!?]


 片言な言葉で話すカラスに僕は心の中で叫んだ。

 本当は口に出して叫びたかったが、落下している現状では叫ぶことができない。


 セシルとも結局仲直りはできてないし、まだ旅すらできてない!!

 てか行ってきますとか言いたかった!!


 と僕は大量のアドレナリン分泌でおかしくなりそうだった。


 そうして暗さと高さで見えなかった地面が次第に見えてきた。

 落下地点は泉付近。

 もしかしたら水に入れる。

 そしたら助かるんじゃ。


 否。

 この高さだと水は鬼硬い。

 てかもう地面と変わらない!!


[あ。これ無理だ!!]


 残り200(メルト)程。

 何をどう足搔いても地面への落下は避けられない。


 父さん。

 母さん。

 セシル。


 先立つ不孝をお許しください。


 残り100(メルト)

 残り50(メルト)

 残り10(メルト)


 その時僕の落下先に一人の女性がいた。


「危なッ!!」


 何とか言葉を捻りだし、回避を促すが全く動かない。

 このままでは僕のせいで人が死ぬ。


 すると僕の右側に拳サイズの魔力の球体が現れた。

 

「くッ!!」


 そしていよいよ地面に直撃する直前。


『【アンチビティ】』

「グフッ!!!」


 謎の球体は破裂し、僕の身体を横から殴り飛ばすように起動が変えた。

 おかげで落下の勢いは大きく軽減され、代わりに横へ吹き飛びながら緩やかに落ちていく。


 向かう先は大量の水が溜まっている泉へ。


「助かっ…!?って!!まずッ!?」


 奇跡的に落下の恐怖から逃れたと思ったら今度は水。

 僕は何とか身体を丸め着水した。


『カカ。タスカッタヨ』

「なんか嫌な予感がしたけどまさかその通りとはね」

「キミヲ ヨンデイテヨ カッタヨ。カナラズマモッテクレル」


「プハッ!!」


 水面から顔を出した僕は、やっと深く息を吸い込んだ。


 僕の落下するはずだった場所には、僕をここまで連れてきたカラスと女性が何かを話しているようだった。

 落下中は気づけなかったが女性の背中には翼はなく、僕と同じ人族(ヒューマン)


「■■■■■■■■?」

「…アァ ソウサ」


 遠すぎるのと耳に水が入っているせいで何を話しているか聞こえない。

 とりあえず今は早く泉から出よう。


 季節がもう夏なのもあり寒くはないが、この泉にモンスターがいないとも限らない。

 すると水辺に立つ女性が僕に手を振りながら。


「おーい!!早く上がって!!ここモンスター出るよ」

「やっぱり!?」


 夜だったのが不幸中の幸いだった。

 もしも昼だったら着水の衝撃でモンスター達が気づき群がっていただろう。


「あ。ここのモンスターは夜行性!!」

「え?」


 次の瞬間イルファルドの後ろから、ザバアアン!!と大きな音を立てながらモンスター達が現れた。


「でっっ!!」


 この魚型モンスターは間違いなく大型級。

 【モルディ・キメラ】に勝るとも劣らない巨体、顔を覆う鎧のような鱗は言うなれば海の重厚騎士。


 【シルト・フィッシュ】怪物等級(モンスターランク)E。


「アレハ Eランクカ。カテナクハナサソウダナ」


「くっ!!」


 特別泳ぎが早くない僕にとって逃げるのは不可能に近い。

 だとしたら戦うしかない。


 水中戦は習っている。

 倒せなくても退けるだけなら。

 僕は水中でも小回りの利く【フィア・ナイフ】を装備した。

 そして。


『【テラ】』


 突如発生した魔法が【シルト・フィッシュ】を打ち上げた。


 それは初級土魔法。

 資質があれば学ぶことによって使える汎用魔法であり、効果は下から大地を隆起させる。


「今よ!!」

「!!」


 打ち上げられたことにより【シルト・フィッシュ】の弱点が露わになる。


「これなら!!」


 イルファルドは隆起した地面を使い飛翔する。

 ナイフを構え剣先は【シルト・フィッシュ】腹部へ突き刺さった。


 イルファルドの見つけた弱点は明白である。

 鎧のような鱗決して全身を覆っていないという事。

 守っているのは鰓から頭部まで。


 それより下は。


「斬れる!!」


 下から上への切り上げ。


「今なら逃げられる!!」


 あくまで撃退。

 今回は攻撃が成功したが二度目三度目が決まるとは限らない。


 それにここは少なくとも僕の領域(フィールド)ではなく、侵入者と言ってもいい。


 僕は土魔法により隆起した足場を使い、一気に泉を抜ける。


「足に身体強化。そして加速!!」


 冒険者試験での経験がいかんなく発揮される。


「思ったより強い」

「トウゼン」


 やっと抜けれた。

 息は切れ、昼間の激闘などもあり、疲労の蓄積が限界に近い。


「はぁ…はぁ…ありがとうございます」

「どういたしまして」


 本当に災難だ。

 昨日と今日で何回死にかけたんだ。

 こんなに不幸体質だっただろうかとイルファルドが意気消沈していると。


「初めまして。私はヴェイエ・スール」


 彼女、ヴェイエさんは座り込んでいた僕に手を差し出した。


 ヴェイエさんは白百合色の綺麗な長髪を持ち、身長もほとんど僕と変わらない。

 美しい人それが第一印象。


「ぁ…」


 でも何だろう。

 何故か初めてあった気がしない。


「どうかした?」

「あ、何でもないです。さっきはおかげで助かりました。僕はイルファルド・ランクルスです」

「うん。知ってるよ」

「え…?知ってる?」

「このカラスから聞いた」


 ヴェイエさんが指をさしたのは、僕達の隣を飛んでいるカラス。

 僕をここに連れてきた張本人。というより張本鳥。


「てか僕を帰してくださいよ!!それにここはどこ!?」

「カカカカ。ムリダネ。カタミチキップナノサ」

「そんな無責任な…」


 全くとんでもない誘拐事件にあってしまった。


「イルファルド。ここはキャラクタル大陸。いわゆる中央大陸だよ」

「キャラクタル大陸!?」


 人族(ヒューマン)のヴェイエさんを居ることもあり、もしかしてという疑念があったがまさかその通りとは。

 一体どれだけ移動したんだ。

 キャラクタル大陸という事は、最低でも試験場から数千(キロメルト)は飛ばされた。


 転移(テレポート)のレベルが違いすぎる。


[一体あなたは…?]


 どこまでの魔力を持っているんだ。

 尋常じゃない規模感だ。


 こんなのほぼ父さんと同じ何じゃ。


「カカ。ココハ タイリクセイブ!!」

「大体8000近くだね」

「なっ!?」


 驚きすぎて言葉が詰まる。

 なんでこんなことに巻き込まれているんだ。

 なんで僕なんだ。


「ボウケン サセテアゲルヨ」

「冒険…?」

「ドノミチ タビニデヨウトシテイタダロ」


 確かにその通りだがこれはあまりにも状況が違う。

 セシルとの喧嘩も皆に挨拶もまだ何も終わっていない。


「くっ」


 寂しいという感情がなかったわけではない。

 でもそれ以上にまだ終わらせていないことが一杯あり、こんな中途半端な状態で旅に出たくなかった。

 そんな悔しさから僕は目一杯拳を握った。


「イルファルド」

「カラスさん。貴方の目的は何ですか」

「シイテイウナラ ツヨクナレ ジブンノミヲマモレルヨウニ」

「それは僕が弱いからですか?」


 弱いから哀れみで冒険に行かせる?

 そんなたった一つのエゴだったのか。


「ソレモアル ダガミナニタノマレタ」

「頼まれたって何を…?それに皆って?」

「ソレハイエナイ ダガコウスルノガサイゼンシュダッタ」


 カラスはどこか悲しそうに月を見上げながら語っていた。


「コノサキハ ブジ テンクウタイリクニ タドリツイタラ オシエル」


 もう何をしても遅い。

 復讐はできないしする気もない。


「分かりました。無事に帰れたらその続きを聞かせてください」

「ナットクスルノカイ?」

「納得…ではないです。ただあなたの真意を聞きたい」

「カワッテルナ ウランデモヨイノニ ダガワルクハナイ」


 胸を張って、前を見て歩みだす。


 僕は必ず帰る。

 そして月を見上げながらどこか悲しそうだったあなたの真意を問う。

 そのために。


────────────────────────────────────


 次回 始まる冒険


────────────────────────────────────

【汎用魔法】


 汎用魔法とは魔導書に乗っており治癒や五大属性、火 水 地 風 光 の魔法がある。

 しかし誰でも使える訳ではなく、使用者の適正によって使用可能属性が分かれる。

 適性が一つもないということもあり、例えばイルファルドは全て使用できない。


 また各属性ごとに初級、中級、上級があり消費魔力や詠唱が変化し、威力も変わる。


────────────────────────────────────


 あとがき


 本日も最後まで読んでいただきありがとうございます。

 本来でしたら昨日に出したかったのですが、投稿時間があまりにも遅くなりそうだったため、一日ズラしました。

 申し訳ございません。


 今回から第一章という事で意気揚々と取り掛かってみたら想像以上に詰まった…

 第一章の内容は決まっていますが、キャラ心情や特徴を上手く表現できていないと感じております。

 

 今後はより魅力が出せるように試行錯誤を繰り返したい!!


 次回は3~4日後の予定です。


 今回も誤字、脱字など気兼ねなくご報告ください。

 またブックマークやフォローなどとても励みになります。


 何卒!!


 それではまた!!

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