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カウントダウンシリーズ

悪役令嬢、断罪前緊急36時間 【コミカライズ】

作者: 三香

 美人の定義は、時代や国や様々な要因によって変化するけれども、そうね時代考証的美人とでもいうのかしら?


 ほら、有名なのが平安美人。

 広い額、細く切れ長の一重の目、ふっくらと丸みを帯びた頬、小さなおちょぼ口、鼻筋の通った小さな鼻、白い肌にふくよかな体型。そして重要なのが長く艶やかな髪。


 私が転生したこの世界も同じ。


 長くて艶やかで水が滴るような光沢のある髪が美人の絶対的条件。


 ここで注目なのが王国三大美女。

 麗人、金髪のアンナマリーシア嬢。

 佳人、銀髪のセリスアーヌ嬢。

 美人、黒髪のシェリリア――はい、私。


 もっともそれは明日までのこと。

 

 明日の王宮の大夜会で、私は婚約者である第三王子から冤罪で断罪されて、押さえつけられて人々の前で髪を切られてしまうのである。


 思い出したのだ。


 階段から落ちたり池に落ちたりショックなことがあったりした訳ではなく、単にお茶を飲んでいただけなのに前世を思い出してしまったのだ、たった今。


 ――落ち着け、私。


 ゆっくりとお茶を口に含み、喉を潤す。もう一口。それから深呼吸をして前世の内容を整理する。自室でよかった。呼吸を整えながら、目がつり上がりそうになる怒りを抑えた。


 ここは恋愛小説の世界。

 現在は導入部で、ヒーローとヒロインは私の冤罪事件の後に登場する。こんな事件があったんだよ、恐ろしいね的な会話をして。いわば私は、ヒーローたちの会話のネタのために髪を切られてしまうのだ。


 まあ、それはいい。良くないけれども、許せる。

 許せないのは、――。


 第三王子と婚約をしたのは1年前。

 伯爵家の四男で医師の幼馴染みとの婚約が決まりかけていたのに、王家が横槍を入れてきたのである。


 その頃は、今もだけども、第三王子は男爵令嬢を寵愛していて、自分に甘い甘い母親の王妃におねだりして男爵令嬢を婚約者にしようとしていた。王妃は、砂糖づけの菓子のように第三王子を溺愛していたから快諾したが。

 慌てたのは国王だ。国王は、第三王子を貴族と政略結婚をさせて、国内における王家の影響力を高める予定であったのに男爵家では役にも立たない。その上に令嬢の父親である男爵の評判がかなり悪かった。


 そこで国王は王命を使って、侯爵家のひとり娘である私の婿に第三王子を捩じ込んできたのである。


 天災にも等しい暴挙だが、王命には逆らえない。父親の侯爵も私も不満ではあったが、貴族の義務と責任感から第三王子を婿としてきちんと受け入れるつもりだったのだが。


 第三王子は違った。


 父王に反発できないかわりに、私に暴言三昧、滲み出る鬱憤を私をサンドバッグにして発散したのである。


 暴力こそなかったが、悪意ある罵詈雑言を私に浴びせて、事実無根の噂を流布させた。私が横恋慕して、第三王子と男爵令嬢の真実の愛を引き裂く悪女である、と。社交界では王命による婚約だと知れ渡っていたし、私が一方的に罵倒されている姿も見られていたので信じる者は少なかったが、極々一部では私のことを劇で流行りの悪役令嬢のようだと面白おかしく噂したのだった。


 そんな1年を耐えての、明日の冤罪による断罪である。


 私はお茶を飲みほすと立ち上がり、父親の執務室へ向かった。


 トントントン。

「お父様、シェリリアです。入室の許可をいただけますか?」

 控えめなノックの音に父親は、愛娘に穏やかに応えた。

「ああ、大丈夫だよ。お入り」


「実は第三王子のことでお話が」

 父親の目が鋭く細くなる。

「また可愛いシェリリアに何かしたのか? あのボンボン王子が」

「いえ、これからするのです」


 本当は小説の知識だけども偶然立ち聞きしたことにして、明日起こる断罪計画を詳しく父親に伝えた。


 父親の端正な顔が般若になった。腸が煮えくり返っているらしく、声が地を這うように低い。

「小僧め、どこまで我が侯爵家を舐めおるのか!!」


 怒り心頭の父親に、

「お父様、落ち着いて下さいませ。私たちは上手く立ち回らなければ、正真正銘の不良債権となる第三王子を国王陛下から押し付けられてしまいます。私を傷ものにした責任をとる、との理由で」

 と私が言うと、父親は頭を掻きむしった。


 小説では、償いとして第三王子が婿入りするのだ。もう贖罪でも懺悔でも、謝罪ですらない。婿入りが詫びだと言うならば、第三王子との結婚は小説のシェリリアにとって地獄への道だ。想像するだけで胃が引き絞られるように痛い。


「国王陛下のしたたかさを考えれば、その実現性は高い。だが、可愛いシェリリアを不幸にする結婚なんぞ認められん! 愛人がいることは何とかギリギリ目を瞑れた、わしのように亡き妻一筋な者は稀だ。しかし! しかし! 冤罪を被せて女性の命である髪を切る王子を婿に!? 虫酸が走るわ!!」


 私は父親の憤りに煮える目を見つめた。

「お父様、私に策があります」

 父親が私のエメラルドの目を見つめた。

「第三王子を婿にしない方法があるならば、何でもするぞ」 


「明日の計画を阻止することはできますが、阻止したところでロクデモナイ策略をまた第三王子はしかけてくる事でしょう、髪どころか命まで狙ってくるようになる可能性も。だから、明日は計画通りに髪を切らせます」

 父親が顔色を変えて口を開くが、

「ここからが肝心です。タイミングよくお父様は国王陛下とご一緒に現れて下さい。そして逆に第三王子を断罪するのです」

 私は父親よりも早口で言葉を続ける。

「第三王子の暴言や浮気の証拠をお父様はお持ちでしょう。加えて明日までに、私が男爵令嬢を階段から突き落としたとかドレスを汚したとかの諸々のくだらない冤罪の反証を証拠にして揃えて下さいませ」


「時間との勝負です。王家に反論の隙をあたえず、まずは婚約破棄の言質をとるのです。その後はゆっくりと」

 私はにっこりと笑った。

「第三王子の責任を正しく追及いたしましょう。それに、私を床に押さえつけるのは騎士団長の息子、私の髪を切るのは宰相の息子、貴族ですから家にも責任問題が及びますでしょう?」


「しかし! 可愛いシェリリアの髪を犠牲にはできない!!」

「私、ほとほと第三王子に愛想がつきました。第三王子との結婚がなくなるならば、髪を切っても惜しくもないほどに」

「しかし!」

「お父様、お願いいたします。私は第三王子と結婚をしたくないのです。どんな手を使っても」


 両手をあわせる私に父親は唸った。


「結婚がなくなり、王家と騎士団長と宰相に大きな貸しをつくれるのです。髪ひとつで」

「…………髪の短い令嬢の結婚は難しいのだ、わかっているのか?」

 簡単に割り切れない父親は、渦巻く激情を吐き出すこともできずに歯を喰いしばる。そもそも第三王子との婚約を拒絶できていれば、と後悔に拳を握った。

「うふふお父様、大丈夫ですわ。幼馴染みのルドヴィスに逆プロポーズをしようと思っておりますの。だってルドヴィスは私の太陽ですもの」


 小説のシェリリアは、不幸な結婚をするが陰日向にルドヴィスが助けてくれて、最後には第三王子が事故で死亡した後に独身のままであったルドヴィスと再婚をするのだ。そしてルドヴィスは――。


「ルドヴィスか……。あの男ならば」

 父親は悩みに悩んでしぶしぶ頷いた。

「ルドヴィスとは今でも秘密裏に連絡を取り合っているから、第三王子への逆断罪にも喜んで協力をしてくれるだろう」

 憤怒の鼓動を刻む胸に片手を当てて抑えると、父親は侯爵家の当主として背筋を伸ばして冷静に決断と選択を始めた。最善を求めて思考をフル回転させる。


「では、お父様。私たちも第三王子の計画に対抗して策略を練りましょう」


 父親と私は貴族らしく薄く笑ってお互いを見つめ返した。


 明日の勝負まで時間は限られている。

 蒔かぬ種は生えない。効率よく動き、必ずや勝たねばならないのだ。


 次に私は、親友のアンナマリーシアとセリスアーヌに手紙を書いた。


 上質な紙を選び丁寧な挨拶文を綴り、本題。


 内容は婉曲な言いまわしで言葉を飾りながら、第三王子に冤罪を被せられそうなのでそれを社交界に広めてほしい、ただし王家と宰相家と騎士団長の家には明日の大夜会まで知られぬように、と。まあ、もし報告をうけても第三王子の計画は穴だらけの馬鹿げたものだから信用に値しない、と国王陛下たちは一笑に付するだろうが、念のため。

 常々第三王子の愚行を若々しい正義感で批判していたアンナマリーシアとセリスアーヌは、すぐさま了承の返事をくれた。あの二人には下僕も多いから瞬く間に野火のように噂は燃え盛り、灰になるまで消えることはないかも知れない。


 社交界の噂の目眩ましに、使用人たちにもお喋りをしてもらった。

「ここだけの話なんだけど、うちのお嬢様は第三王子様に虐げられていてね、酷い目に」等々、街の彼方此方でペラペラ。

 王家の醜聞である。事実であるだけに、こちらの方に王家の注視は向くはずだ。

 興味津々で誰もが耳をそばだてて、脚色をつけて口軽くヒソヒソと街の隅々に無責任に流れていくことだろうから、揉み消しに躍起となるかも?


 情報を把握して意図的に操作するのは貴族の、特に上位貴族の嗜みである。

 かつて第三王子が私を悪女と流布させた噂など子どもの拙い遊戯に過ぎないが、噂の二重層で返礼はきっちりとするべきよね。


 それから商人を呼びつけた。

 侯爵家と契約をしている、商人として何よりも大事な〈信用〉がある初老の男だ。私が、前世で演劇やイタズラに使われていた品を注文すると見たことも聞いたこともない品物だと首をひねった。おもしろい品物だ、とも。

 私が口止め料を含む、商人の掌が支えきれないほどの金貨を積むと「必ず明日には」と磨きあげられた笑顔で約束をして帰っていった。


 忙しく働いていると、時間は早い。

 夕闇が迫っていた。

 西の空が赤く紅く朱く染まり、夕日が雲を鮮やかに照らす。星のない空と風のない大気の一瞬の美しさに私は息を呑んだ。時間に追われているというのに、足が止まる。


 雲の彼方へ去る鳥の鳴き声が響いた。

 鳥が高く高く、遠くへ飛ぶ。深い深い海の底に沈んでいくように、鳥は雲の波間に消えていった。太陽が最後の光で大地を黄金色に縁取る。その後ろを夜闇が翼を広げて飛翔して、全てを暗闇に塗り替えたのだった。


 夜の帳がおりると私は父親にエスコートされて、国王と不仲な王弟殿下の夜会に出席した。

 すでに王弟殿下の屋敷には大勢の客が到着しており、ほとんどが貴族の勢力の拡大を狙う反国王派閥である。


 敵の敵が味方とは限らないが、根回しは大事であり疎かにしてはならない。


「おや、侯爵。久しぶりだね」

 王弟殿下に声をかけられて父親とともに頭を下げる。王弟殿下は、国王に次ぐ権力を保持しており穏やかな人格者として尊敬されていた。

「先日ターナー地方に旅行に行きまして珍しいものを見つけたものですから、殿下のお気に召すかと」

 賄賂ではないわよ、お土産ね。お・み・や・げ。


 王弟殿下は最新の学問である考古学を学ばれて、趣味は化石の収集なのである。

 渋いイケオジで声も渋くてフェロモンがだだ漏れの色気があって、教養もあり。愛しているのはルドヴィスだが、私が秘かに憧れているお方なのだ。


 父親は恭しく絹の包みを王弟殿下に差し出した。

「おお……っ!」

 王弟殿下が興奮気味に絹の包みを開くと、表面が虹色に反射する、まるでオパールみたいに煌めくアンモナイトの化石があらわれた。

 感嘆に王弟殿下の声がうっとりと震える。目はアンモナイトに釘付けだ。

「なんと見事な……!!」


 アンモナイトに夢中になって火中に投じられた宝石の如く目を輝かせる王弟殿下の注意を、コホンと父親の侯爵が咳払いをして引いた。


 王弟殿下は満足の色をたたえて片眉を器用に上げた。視線で合図をするとゆったりと歩き出し、その意を悟った反国王派閥の重鎮たちが王弟殿下に従って続く。


「シェリリア、殿下たちとアンモナイトの話をしてくるから待っていておくれ」

「はい、お父様」


 ひとりになった私に、たくさんの熱い視線が集中する。私、三大美女だし。しかし、ササッと何処にでも出現する私の親衛隊が周囲をかため、誰も近付けさせない。


 私は小首を傾げて、親衛隊たちを手招きした。


 親衛隊の彼ら彼女らには助けてもらったことも多い。秘密にされているが会長はルドヴィスで、いつも細かいところまで配慮してくれた。明日になれば髪は切られてしまう。せめて美しい今、彼ら彼女らにお礼が言いたかった。


「父がいない間、寂しいの。お話をしないこと?」


 親しく会話をしたことがなかった彼ら彼女らに、とびっきりの笑顔を向ける。髪が一番だが、顔も美しいと称えられているので私の微笑みは悪くはない、と思うが自信がない。


 けれども、彼ら彼女らは真っ赤になって頷いてくれたから、私はますます嬉しげに微笑むこととなったのだった。


「いつもありがとう」

 ドレスの裾を持って膝を折り感謝を表明する私に、彼ら彼女らは真っ赤なままブンブンと首や手を振る。明日になれば離れていく人も少なくないだろう。でも、今日はまだ私は三大美女だ。


 髪が長い最後の夜に、彼ら彼女らの美しい思い出になれるように私は願いをこめて微笑んだ。


 その時、会場の入口付近でざわめきが起こった。


 第三王子と男爵令嬢、その取り巻きたちが使用人たちの制止を振り切り、押し入るように夜会に乗り込んできたのだ。パーティー好きの男爵令嬢にねだられて招待状もないのに、王族の身分を振りかざして夜毎パーティーに強引に出没する第三王子の行動に、王都の貴族たちは苛立ちをつのらせていた。


 それなのに第三王子の言い分は、「王族が出席してパーティーに箔が付いただろ、感謝をしろよ」と宣うのだから、火に油を注ぐように嫌悪させて、第三王子の評判は下落する一方であった。


 サッ、と親衛隊に緊張が走る。


 第三王子が傲慢な態度で私を貶める言動する事を承知している親衛隊は、守るために人垣をつくり第三王子から私を隠そうとした。


 小説の、侯爵家のひとり娘として誇り高く育てられた淑女のシェリリアならば内心の苦悩を表に出すことなく第三王子に対応しただろう。でも、私は違う。


 国王は優秀な第一王子と第二王子の養育には関わったが、第三王子に関しては愛玩人形のように王妃に与えてしまった。王妃は手から離れた第一王子と第二王子の代わりに第三王子を甘やかして甘やかして、蜜の沼の泥濘のごとく甘く育てて、思慮の足りない酷薄な優越感の塊の第三王子をつくってしまった。


 もはや王家にとって第三王子は、頭と胃に不快な痛みをもたらす存在でしかなかったが、国王は貴族たちから上がる苦情を軽く考えていた。

 王妃は王妃で些細なことで激昂しやすく、国王は機嫌の悪くなる王妃を面倒に思って、第三王子を王妃に任せっきりなので、なおさら第三王子は誤りも欠点も直されることなく高慢な鼻を高くする一方であった。


 その結果の被害者が、小説のシェリリアだ。


 小説でのシェリリアの結婚は、王家の横暴を世に示す鍵となる。

 怒り沸騰の父親とルドヴィスが暗躍をしたのだろう。国王は退位、第三王子は不自然な事故死。貴族派が急激に台頭して、そんな激動の時代を背景にヒーローとヒロインの恋愛が描かれての人気小説だったが、私は第三王子との結婚なんて断固としてお断りである。


 それに三大美女としての最後の夜なのだから、私も思い出がほしい。


 私は隣に立つ令嬢にニコリと笑いかけた。

 蜜蝋のような花びらのロウバイみたいに半透明なオーガンジーを重ねた黄色いドレスが、令嬢の可憐さを際立たせている。私は片手で自分の深緑色のドレスを持って、残る片手を令嬢に差し出した。


「もしよろしかったら私と踊っていただけませんこと? 私、男性パートを踊れますし、婚約者の第三王子殿下から男性とのダンスを禁止されていますから、この1年間壁の花でしたの。でも今晩は踊りたくて。お願いできないかしら?」


「わ、わたくしと……!?」

 黄色いドレスの令嬢が赤い花のように頬を染めて瞳を見張る。

「ええ。貴女のロウバイの花のようなドレスと私の深緑色のドレスでダンスをすれば、花と葉のように美しいと思うの」

 私は他の親衛隊の令嬢たちにも、

「皆さんとも」

 ひとりひとり視線を合わせた。桜の精みたいな令嬢は桃色のドレスに施された刺繍が芸術的だし、真紅の薔薇のような赤いドレスの令嬢は白い肌が引き立ち、薄い紫色の小花が群れて咲くリラの花のようなフリルのドレスの令嬢は清楚な風情があった。


 4人とも火照るみたいにキュウゥーンと顔を紅潮させて、高鳴る鼓動と震える身体を隠して一生懸命に頷く様が咲いたばかりの花のように初々しい。


 羨ましすぎる、と男性の親衛隊たちは羨望の漣に胸をざわめかせたが、子どもの癇癪のような第三王子の言動は周知の事実である。致しかたない、と涙を呑んで女性親衛隊たちへの協力体制をとり連携を図った。

「ダンス中は第三王子殿下とて邪魔はできないだろう」

「ダンスとダンスの間を素早くパートナーチェンジできるようにしないと」

「音楽を変えてもらおう。一曲が長いとシェリリア様がお疲れになる。なるべく短いダンス曲で」


 曲が変わった。


 水面にたゆたう花びらのように左右にゆらゆらと揺れているみたいな旋律が流れた。音の旋回。天使の声みたいな響きの音楽を足に纏わせ、私は可憐な令嬢の手をとりクルクル踊った。


 ロウバイの花みたいな黄色いドレスが華やかに広がる。春風に落花が降り散る桜吹雪のように桃色のドレスがたおやかに。かぐわしい芳香を漂わせ紅の薔薇のドレスが優雅に。ふんわりと薄紫色のリラの花みたいなドレスが甘やかに。令嬢たちが瞳をキラキラ煌めかせて、軽やかにクルクル踊る。


 クリスタルのシャンデリアが、天から星屑を落としてそのまま蛍の光となったような柔らかな輝きを降らす下で。

 花々が蝶々みたいに飛び立つ幻想みたいに。

 深緑色のドレスが、黄色の、桃色の、深紅の、薄紫色のドレスを、優しく緑色の葉で花をくるむみたいにヒラヒラと舞い、翻り。まさに蝶々が寄り添って舞い飛んでいるようだった。


「なんて可愛いのでしょう!」

 年配の貴婦人たちが目尻を下げて顔をほころばせる。


「……俺、鼻の奥が熱いんだけど」

「……俺は胸に何か刺さったみたいで苦しい」

「……僕、脳髄が痺れてクラクラするんだけど」

 口から魂が出てしまいそうなほど悶絶する親衛隊たち。一秒でも見逃せないと目を全開にして瞬きもしない。

「ああ……! 眼福!!」

「ああ……! 尊い!!」

「天上の花園は地上にあったのかっ!!」


 親衛隊たちだけではなく会場中の注目が集まる。それに立腹しカッと逆上したのは第三王子であった。


 自分を特別な存在であると勘違いをしている第三王子は、優秀な婚約者に劣等感を募らせていた。脚光を浴びるのは自分であり婚約者であってはならない、と。


 だから、

「シェリリア! ダンスをするなっ、これは命令だっ!」

 と怒鳴り声を発してダンスフロアに乱入すべく足を踏み出して、ドン、と誰かにぶつかった。

「無礼者っ!」


 荒げた声の先にいたのは会場に戻ってきた王弟殿下だった。私の父親もいる。


「無礼者ねぇ? 無礼はどちらかな? 招待もしていないのに厚かましくも入り込み、騒ぎ立てる――礼儀を欠いているのはお前だっ!!」


 王弟殿下から厳しく叱咤されて、そっぽを向いた第三王子は子どもみたいに口を尖らせてふてくされる。招待されていないパーティーへの不当な闖入は父王や兄王子たちからも幾度も注意されていた。

 冷たい視線が突き刺さる。ようやく自分に注がれる冷え冷えとした雰囲気に第三王子は気がついた。


 沈黙のままであったが、貴族たちの眼差しは雄弁に語っていた。ゴミクズ、と。


「き、気分が悪いっ! 帰るぞっ!」

 負け犬の遠吠えのごとく吠えて、第三王子は男爵令嬢と取り巻きの宰相の息子と騎士団長の息子を引き連れて脱兎の勢いで逃げ出したのだった。

 

 笑止。反国王派閥のパーティーで歓迎されると思っていたのかしら? 無様だわ~。


 私は可愛い女の子を腕に抱き、第三王子の醜態を横目で眺めながら、小説のシェリリアはアンナノと結婚してつくづく不幸まっしぐらだったな、としみじみ思った。


 そして断罪まで残り20時間となり、私は屋敷に帰りぐっすりと眠ったのだった。


 翌朝、目覚めて。


 薄暗い室内に窓明かりの、無色の朝の光がひたひたと透明な液体のように満ちてきていた。淡雪のような光が降り注いでは積もり、明るさが増してゆく。


 私はベッドに流れる長い黒髪を手に一筋とり、指で梳いた。


 ヘッドボードにもフットボードにも彫刻の施された豪華な天蓋付きのベッドに横たわり、枕元にあった手鏡を手にして、泣くつもりなどなかったのに涙があふれた。


 曇りのない鏡に映る私は長く美しい髪をしていて、それが哀しくて。前世ではショートだったから平気だと思って、平気だと思い込もうとしていたけれども、やっぱり悲しくて。


 子どもの頃から伸ばして、丁寧に手入れをして。


 亡きお母様と同じ髪色で。

 お父様が目を細めて頭を撫でてくれて。

 ルドヴィスが綺麗だと誉めてくれたのが嬉しくて。


 大事に、大事に、伸ばしてきた髪なのに今夜切られてしまう。


 平気なはずがなかった。哀しい、悲しい。薄い布に覆われた世界から切り離されたような閉ざされたベッドの上で、私は髪を櫛で梳いて涙をこぼした。


 本心では髪を切りたくない。

 でも、第三王子と婚約を破棄できるチャンスなのだ。


 私は手鏡と櫛を置くと涙を拭ってベッドから降りた。


 ――小説のシェリリアにならないように。小説のシェリリアは完璧な淑女だったけれども、私は違う。それが私の強み。


 残り11時間の限られた時間を無駄にしないように、私は決意をこめて歩き出した。


 食堂に行くと、父親はすでに執務室で派閥の貴族たちや親交のある貴族たちと密談のために籠っていた。昨日のうちに手紙を出して招いていたらしい。


「お嬢様、こちらを」

 朝食の席に座る私に、執事が密偵からの報告書を渡してくれる。第三王子の動向に変化なし、今晩の王宮夜会にて断罪を決行する予定である、と報告書には短く書かれてあった。


「こちらも」

 男爵令嬢、宰相の息子、騎士団長の息子の監視報告だった。やはり断罪の強行に熱意を燃やしているらしくエネルギッシュにピチピチしているようだ。


 私は、溜め息をついた。


 子どもの戯言と放置している王家に頭痛がする。いや、厳重に目を光らせていないから知らないのかも。常に見張っていれば第三王子の行動も少しはマシになるだろうに、国王と王妃は前世での流行りの甘やかすだけの毒親とか、第三王子は愛玩子とか、そんな感じなのだろうか。


 国王と王妃に対しては罵りたいことが色々とあるが自主規制した。もう、お父様も私も忠誠心は最底辺だけど、一応は至尊の座の方々だし。それに、王妃には今夜の主役になってもらうことだし。


 王国の先行きが心配だけど、王弟殿下もいらっしゃるしお父様たちも悪巧みをしているし、小説でも王国は繁栄していたから大丈夫。


 昨夜の、小説の知識を利用しての反国王派閥との接触は成功した。


 確実に僅かだけど小説の設定の流れは変化してきているし、大好きな小説だったから断罪の一言一句まで覚えている。


 だから失敗はしない。残り9時間。私は商人の来訪を告げる執事に、にこりと笑った。


「まぁ! 見事だわ、素晴らしい!」

 私は感嘆の吐息をもらした。

「細工職人を徹夜させて作らせました。店にあった最高級の簪に、仕掛けを施しました。ご注文通りの仕上りとなっているか、と」


 銀の花簪。

 花の飾り部分には、銀の小花が銀の枝に寄り集まって咲き誇るように房状となり、そこに小粒のルビーやサファイアやダイヤモンドが花芯を作り輝いていた。


「ええ、満足よ。今夜の夜会で髪に挿すわ。この簪のことは生涯他言無用よ?」

「商いは信用が全て。細工職人も同じく。決してシェリリア様を失望させは致しません」

 如才なく立ち回り要領よく世間を泳ぐ商人は、信頼というものは一瞬でなくなり、回復するには長い時間が必要となることを身にしみていた。それにシェリリアを裏切ることは侯爵家への敵対行為に等しい。


 頭を下げる商人に私は大枚の金貨を再び与え、さらに深く商人は頭を下げたのだった。


 残り時間は8時間となり、私は銀の花簪と調和する髪飾りを宝石箱から選んだ。イヤリングとネックレスも。


 ネックレスは、中央にエメラルド、周辺にはブルーダイヤモンドをあしらって光を拡散させて雅やかに綻ぶ大輪の花のようなネックレスだ。昔、ルドヴィスから誕生日に贈られて嬉しくて嬉しくて。私のエメラルドの瞳と、全体的に色素の薄いルドヴィスの無色透明に近い青い目の組み合わせでの逸品である。


 私はネックレスを握りしめた。


 婚約者のいる私とルドヴィスとの間には、適切な距離という見えない壁がある。昨夜のパーティーにもルドヴィスはいた。会場の隅から私を見守ってくれていた。きっと今晩も。


 残り7時間。

 私は侍女たちに促されて夜会の準備に入った。


 まずは、椿油につけ込んだつげ櫛で髪のホコリや汚れをとり、侍女たちがたっぷりの時間と労力をかけて綺麗に髪を洗ってくれる。それから、頭皮と全身のマッサージにクリーム。

 料理における美味しくなるための下拵えみたいに、ガッツリと侍女たちがアレコレと入念にケアをしてくれるのだ。


 残り4時間、下準備の完了。

 いよいよ化粧と髪のセット、ドレスの着付け。


 残り、1時間。

 私は父親の侯爵と馬車の中にいた。


 王宮に到着すると、父親に支えてもらって馬車から降りた。目の前には、王宮の入り口へと続く巨大な丘のような階段があった。階段の両脇に並ぶ儀礼服の衛兵たちが凛々しい。


 背筋が粟立つ。

 私は胸の奥で根性を据えた。グッと奥歯を噛みしめると覚悟を決めて、私は父親にエスコートされて階段を登ったのだった。


 父親とともに豪華絢爛な会場に入場すると、男爵令嬢を腕に絡ませた第三王子がドカドカと突進してきた。


 ――始まるのだ!


 音もなく父親が私から距離をとる。父親は国王を呼びに離れていった。


「シェリリア! おまえと婚約破棄をするっ! おまえは王族たる俺にふさわしくないっ!!」

 いきなりの第三王子の宣言に、周囲は唖然とした表情となった。一方で第三王子は自分の怒声に注目が集まり、俺カッコイイ! と陶然とした表情をしている。

「おまえは俺の言い付けを破って昨夜はダンスをしたな! それに俺の恋人に対して、ドレスを汚したり階段から突き落としたりしてやりたい放題をしたっ! よって罰を与えるっ!!」


 騎士団長の息子が第三王子の後ろから踊り出て、私を乱暴に床に押さえつけた。宰相の息子が、私の複雑に結われた髪を乱雑にバラしてザリザリと鋏で切り落とす。


「「「「キャアァァァッ!!」」」」

 女性たちの悲鳴が会場に響き渡る。王国の女性にとって髪は女性の命とも言われる大切なもの。ショックで失神している女性もいた。


「何事だ!?」

 そこにタイミングよく現れたのは、国王と王妃と王弟殿下と父親たち。お父様、バッチリのグー! ですわ。


 騎士団長は私に覆い被さっている息子を、宰相は私の髪を鷲掴みしている息子を見て、ザアァと音をたてて血の気をなくした。


 国王も、私の周りに散らばる切られた黒髪ときらきら輝く髪飾りを見て青ざめる。


 今こそ泣くべき! と全私が叫んだ。


「お父様……」

 肩が震えた。睫毛の裏に涙が溜まり、瞼から筋を引いてこぼれる。

「お父様……」

 両手で切られた髪と髪飾りを胸に抱き抱え、父親に助けを求めて弱々しく声を微かに絞り出す。私は練習で獲得した庇護欲をそそる表情でハラハラと涙を落とした。


 小説のシェリリアは侯爵家のひとり娘の矜持で、淑女らしく耐えた。しかし、それは悪手だった。耐えてしまったから、第三王子と結婚させられたのだ。この場面では絶望を我慢してはならなかったのである。


「シェリリアが悪いのだ! 俺の恋人をいじめたのだっ! だから婚約破棄をして罰を与えた、俺が正義なのであるっ!!」

 第三王子が喚くが、私の父親は胸元から書類の束を取り出して、

「第三王子殿下の捏造による冤罪です。こちらが証拠に、必要ならば証人も呼びます。また、こちらは第三王子殿下の娘に対する暴言の数々の証拠ならびに第三王子殿下の浮気の証拠になります」

 と国王に、真冬の砂漠のように冷たく厳しい眼差しをして差し出した。

「陛下。当家では、以前から第三王子殿下との婚約の解消を願い出ておりました。第三王子殿下も婚約を破棄するとの宣言をなさっておいでです。この機会にどうか婚約の解消を」


「ああ、いや、第三王子にはシェリリア嬢への責任をとって婚約破棄よりも結婚を」

 国王の名案だと言いたげな言葉に会場中の貴族たちが、言語道断とばかりに氷点下の眼差しを国王に一斉に向けた。

「陛下。陛下は、娘のシェリリアに生きながら死ねとおっしゃるのでしょうか? 散々に娘を貶め暴言を繰り返し、挙げ句に10年以上もかけて伸ばしてきた髪を切った第三王子殿下との結婚を娘が喜ぶとでも?」

 王弟殿下が、父親の侯爵に加勢をしてくれる。

「兄上。そんな結婚は償いにすらなりません。シェリリア嬢をご覧下さい。怯えて涙を流して。恐怖する相手との結婚などシェリリア嬢にとって不幸なだけです」


「「「おそれながら陛下。我らも王弟殿下と同意見でございます」」」

 大臣たちからも奏上されて、会場中の貴族たちからの刺のある無言の圧迫感に屈するように国王はガックリと肩を落とした。

「……仕方あるまい、婚約の解消を認める……」


「いいえ! 許さないわ!」

 王妃が叫ぶ。

「シェリリア! 被害者ぶって何を座り込んでいるのっ! あなたがそんな風だから王子が悪く言われるのよっ!」


 些細なことですぐに激昂する王妃。

 小説の中でも激しく怒り、必死で涙を耐えるシェリリアの腕を掴み上げ、立たそうとした。けれどもシェリリアは無理矢理に引っ張られてバランスを崩し、王妃はシェリリアともども倒れてしまうのだ、シェリリアの上にのし掛かるように。


 小説のシェリリアはその時、何も持っていなかった。

 しかし、私は。

 切られた髪と銀の花簪を持っていた。


 貴婦人たちの悲鳴が破裂した。


「シェリリアッ!!」

 父親が絶叫する。

 

 王妃は青くなって茫然としている。


 私のやわらかい腹部には花簪が突き刺さっていた。じわりと赤い血が腹部を染める。両手で簪を持ち引き抜こうとする私を、

「ダメだっ! 引き抜けば血が噴出するかもしれないっ!」

 と人垣から飛び出してきたルドヴィスが止める。

「僕は医師です。僕が彼女を運びますっ!」


 誰にも有無を言わせずルドヴィスが私を抱き上げ、親衛隊が囲み、一団となって会場を駆け抜けた。

「早く馬車にっ!」

「王宮で治療をしないのですか!?」

「信用できないっ! 彼女を傷つけてばかりの王族のいる王宮などっ! それに幸い傷は浅いから応急手当てで屋敷までもたせることができる。安全な僕の屋敷で治療した方が、設備もあるし安心だっ!」

 

 そうして、ルドヴィスの屋敷に夜の闇を放たれた弓矢のごとき速さで貫いて運ばれ、私の36時間は終幕となったのだった。


 王宮で後始末をしてきた父親の侯爵がルドヴィスの屋敷に駆けつけたのは、その5時間後。真夜中を過ぎていた。


「翌日、いや、もう今日になるのか。朝議が急遽おこなわれる事になった。ほぼ決定しているが、そこで第三王子の王位継承権の剥奪と王妃の幽閉が議会にかけられる。会議というより発表に近い」

 父親は疲労の滲む声で言った。

「もちろん、シェリリアの婚約は第三王子の有責で破棄となった」


「うふふ、お父様、ありがとう。私たちの完全勝利よ」

 ピンピンした私が父親に抱きつく。

「心臓が停止するか、と思ったぞ。仕込みと理解をしていたが腹部の血を見た時は」

「面白い仕掛けでしょう? 血糊付きよ」


 前世のマジックナイフである。

 先端が物に当たると刃の部分が引っ込み、まるで本当に刺さっているみたいに見える、演劇やイタズラで使われているナンチャッテナイフのおもちゃ。


 それを銀の花簪に応用したのである。


 小説を覚えている私は王妃の行動も把握していたから、倒れた瞬間を見計らいグサリと。


 小説の王妃は、シェリリアが幸福になることを疎ましく思うのだ。

 シェリリアとルドヴィスの結婚式の日に、ルドヴィスを暗殺するのである。


 私の前世の推しであるルドヴィスを。

 今世の初恋の人であるルドヴィスを。


 私が、許せなかったのは王妃であった。


 でも、もう安心。

 王妃を排除することができたから、ルドヴィスは死なない。死なせない。ルドヴィスを救うためならば綺麗事など踏みつけてみせる。


「それでお父様、ルドヴィスと相談をしたのですけど、今後のために傷口は浅かったことにしようか、と」

 ね、とルドヴィスと見つめあう。

「しばらくは療養のため安静の看板はあげますが、後遺症の問題など後々を考え、不自由なく暮らすにはその方がいいかと思いまして」

 ルドヴィスが提案すると父親も賛成してくれる。

「そうだな。あまりに悲劇的にしては、今後の行動がしづらいからな」 


 ルドヴィスは笑みくずれた表情で私の手をとった。私もルドヴィスの手を握り返す。ときめく胸を押さえつつ、ルドヴィスの半透明な青い目を仰ぎ見る。

「夢みたいだ。もう一度シェリリアと将来を語れるなんて」

「でも、ルドヴィス。私、髪が短くなってしまったわ」

「だから? 僕が君に一目惚れしたのは子どもの頃だよ。髪が短いどころか、おてんばな君は泥だらけで笑っていた、向日葵のように。それからずっと君は僕の太陽だよ」


「違うわ。貴方が私の太陽なのよ」


 背景に花を咲かせてイチャイチャする私たちに父親の侯爵は苦笑をもらして、

「王家も愚かだったな。今回の事件により国王は退位することになるだろう。若い第一王子が即位しても権勢のある王弟殿下を抑えこむことは困難だ。貴族たちの発言力は増して力は急伸してゆく可能性が高い。未来はわからないが、人の恋路を邪魔するべきではなかったことは確かで間違いのないことだ」

 とボソリと呟いたのだった。

読んで下さりありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
バッチリのグー!に年齢を感じた
騎士団長の息子と宰相の息子はなぜ第三王子についてんの?w 年齢近くてもさすがにないわーwww
スピード感あるし、鮮やかな手並み…と言いたいところなんですが、使用人のおしゃべりについてはちょっと無理あるなじゃないかなぁと 昨日一昨日まで全く聞いたことのない噂が一気に広まったとしたら、逆に王子を嵌…
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