表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
化け物少女と救世主  作者: 柚音
6/18

6話「私の存在意義」

「普通が欲しい」

ただそれだけだったのに....

「ねぇもし俺が隠し事してたらどう思う?」

と、それに対し琥珀は

「うーん。別にいいと思うよ。言える時が来たら言って欲しい。でも私も関わる重要なことなら言って欲しいって思うかな(まぁ私も隠し事してるんだけどナツに関わる重要なこと)」

….俺は悩んだ。ただ電撃のスイッチを持っているだけ。いつでも苦しめられるってただそれだけで苦しめる気なんてない。だったらいうべきか?うん。いうべきだと思う・俺はだからいう

「俺は琥珀の首輪の電気を流すスイッチを持ってる。さっきクロウに渡された。これのこと言うべきか悩んでた…..」

琥珀は怒るでもなく泣くでもなくただ笑った

「ありがとう。教えてくれて。でもわたしはナツを信じてるからだから、発動させないって信じてる。それに私も何もいえないよ。あなたを絶望させるかもしれない秘密を持っているから。」

え?俺を絶望させるほどの秘密って。

「何だよそれ、俺を絶望させるって」

「これはまだ知らない方が幸せだと思う。でもせめて秘密があるそれだけは知ってほしい。そしてその絶望の原因は私だから」

琥珀side

いつやるかも。本当なのかも何もわからない。でもこれをいえばナツはパニックになるかもしれない。あれだけクソな父親でもまさか実験体だと思われているだなんて思いたくもないだろう。たとえ利用されているとはいえ息子であることには変わりないのだから。たとえそれをクロウがナツが拒否しても。私さえいなくなればナツは助かる?いやでも実験は後ちょっと無理かもしれない。いなくならずにナツを助けたい。どうすればいいの。力はない。どうすればナツを助けられるの?私がナツを助けたことを知られれば関係さえばれかねない。そうなったらナツがどういう目に遭うかわかったもんじゃないよ。2人で幸せになるにはどうしたらなれるの?神様、こんな力を私に与えたせいで私だけじゃなくナツも不幸になってるの。お願い。私とナツを助けて。

最悪ナツだけでいい、神様、どうして私なの?どうしてナツなの?苦しいよ、辛いよ、理不尽だよ。何度も死にたいって思った。でも死ねない。痛いのが怖い。死ぬのが怖いから。死にたいのに怖いから死ねなくて逃げれない。でも実験がいざ開始されたらそっちの方が辛くて苦しくて痛い。この施設に来てからあらゆる死を回避させられて不老不死の薬さえ投与された。それが本物なのかはわからないけどこの施設は国の極秘施設だから世間一般であり得ないとされているものも開発が進んでいるらしい。出回らない方がいいものとかはここで止まっている。それはこの力もそうだし不老不死の薬も同じだった。

非現実を可能にする場所はこの施設。どんな原理なのかは未だ不明、それは私が実験動物としてこの場所にいるからなのかもしれない。それとも私の力を悪用して最近できた非現実的なものたちなのだろうか?初めの方は異能力を制御するこの装置もなかったし。その頃は酷い目に遭わされてなかったから逃げたいって思わなかった。私を受け入れてくれて居場所を与えてくれるこの場所から離れようだなんて微塵も思ってなかった。でも現実は違った。私を力でねじ失せられるように。管理できるようになるまで逃げようっていう感情を抱かせないようにしていただけだった。

「ナツ、わたしナツしか友達がいない。味方がいない。ナツは私を裏切らないでそばにいてくれる?ううん。そばにいてくれなくたっていい。ずっとずっと味方でいてくれる?」

「….俺が正しいと思った方につくだけだからな。このまま刻が進めば俺の考えも変わってくる、でもこれだけは言える。こんなひどいことをするこの場所で働く人たちの考えを理解することなんて一生ないと思う。だから俺が琥珀の敵になることはないさ」

と言った。ナツは自分の正義を貫くいい人だって思った。私の味方をしてるというよりはナツの中の正義が私の味方をすること。私が可哀想な被害者だったから。世界一不幸な少女だたから。でも。私より不幸な人は自分が世界一の不幸って思ってる人は私以外にもたくさんいるんだろうな。人の辛さ苦しみなんて分からないから誰しも自分が一番悪い思う。でも私ははっきりと言おう。自分が一番不幸だと。だって化け物なんて私しかいないでしょう?正真正銘化け物が他にいるならば訂正しよう。でもそれを知らないから今はこう思う。私は世界一不幸である….と

ナツだって不幸ではあると思うでもナツは私と違って強い子なんだよ。仮に無理をしているのであれば表に感じさせない。

それでも十分すごいし強い子だ。

でも無理はしないでほしい。そうじゃなきゃ壊れかねない。

人間なんて簡単に壊れるんだから。バケモノの私でさえ簡単に壊れるというのに。誰だって自分が一番不幸で可哀想と思う。不幸のどん底に落ちた人間はみんなそういう。でも1人でも救いの手を差し伸べてくれないなんてことほとんどない。私の場合6年以上たった1人闇の中生きてきたようなものだけど。そんな中ナツがきて手を差し伸べてくれた。でも普通の人間はもっと早く救いが複数差し伸べられるものだと思う。私を救ったナツだって不幸なんだし。

「ナツって無理してる?」

と聞いてみたことがあったんだその時ナツはすぐにこういった

「無理してない。俺の生まれた場所はこういう場所なんだって割り切ってるから。」

すごいって思った。生まれた環境や状態を憎まないでいられる。それは本心かどうかは分からない。それでもはっきり言えるのはすごい。

私なんて昔も今も自分の意見を引っ込める子だったから。いやバケモノだと発覚する前は割とみんなの中心だっけ?あれもう分からないや。普通の女の子でいた時間なんて一瞬で忘れちゃったよ。あの時も多分普通の女の子ではなかったし。あぁ、普通の女の子になって普通に学校行って普通に勉強して普通に友達作って…特殊な才能だとか何もいらないから….普通をください…神様、これが私の心からの願い。これだけは自由に力が使えたあの時でさえ叶わなかった

自分がいなくなれば.....そう思い始める琥珀と

琥珀の意思をさりげなく確認するナツメ。

2人の想いはどうぶつかって行くのか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ