4話「私が知る救世主の運命」
突然私はこの施設の最高責任者に呼び出された、最高責任者は救世主の.......
私は驚いた、それに驚いてる間に責任者は衝撃な一言を放った、それは救世主ですら知らない救世主の今後の運命、未来の関わることであった、その運命とは...?
琥珀side
ナツは何かを考え込んでいた。私はナツを心から信頼しててだから本当のことを聞かれたことを全て打ち明けた。過去も含めて。でもナツは……私は選択を間違えた?ナツでも受け入れがたかった?そりゃそうだ。だって私は願えば目の目にいるナツもナツの大切な人も夏の記憶も全部消してしまえるんだから。心から願ってないから思っても消せない。というか首輪のせいで消せないけど。それでもナツは私が怖いだろう。怯えられた状態で私の監視とお世話係をやらせるのは私だって辛くて苦しいし酷だと思う。だから変えてほしい。今までの私は他人なんてどうでもよかった。ただお話できる’’友達’’は欲しかった。それ以外はどうでもよかった。ナツが初めてきた時も若いとかこの子もどうせ私に怯えて根を上げるんだろうとか金に釣られてきて用済みになったら守秘義務のために殺されるんだろうなとか思ってた。でもいくら私の方が遥かにひどい状況とはいえナツも似たような状況だった・ナツはこんな私も受け入れてくれた。それがどんなに私にとって救われたことか。ナツは私を救ってくれた。心が壊れかけている。いやもう壊れていたのかもしれない。無意識に力で自分を誤魔化して守っていたのかもしれない。実際にもうできないのにこの子。このクマのぬいぐるみを出せたのが理由でもある。もしかしたらこの子だけじゃ心を支えきれないから誰か話相手が欲しいと願ったのかもしれない。この首輪の限界とか力のことなんて何もわからない。もしかしたら職員さんの方が知っているかもしれない。でもこの子以外に新しく話し相手ができてそれでナツは私を理解してくれた・だから例えナツが私を嫌っても夏だけは自由にしてあげたい。耳の装置さえ壊せばナツは自由。でも首輪のせいでナツの自由を心から本気で願ってもそれは叶わない。
「ナツ….私が怖い?」
恐る恐る聞いた。本当のことを言ってくれるかはわからないけど聞いたことで何かが変わると思った・その返答が怖くてぬいぐるみをぎゅっと抱きしめる。
「琥珀。俺は別に怖くないし大丈夫だから。俺がお前の立場なら同じことしてたと思う。お前は意志というかカッとなって勢いでやったんだろ?俺はそんなことをすれば存在ごと消して力に関する記憶を消す。でもお前は戻した。記憶は消すよう言われたんだろうけど。怖かったのにお前は戻した。偉いじゃん・お前は人の道を外れなかったんだよ。そんな圧倒的な力を持ってしても。圧倒的な権力を手に入れみんなを従わせることも首輪装着前はできたはずなのにしなかった。琥珀は優しいじゃん」
「ナツ…ありが…]
ナツにお礼をいおうとした時
足音が近づいてきた後「ピッ」という電子音が部屋に鳴る。そして
「ナツメか。お疲れ様。ナツメのお父様が部屋に戻っていいとのことだそして。おい化け物」
「っ….は、はい」
「実験だ。出ろ」
「待ってください。職員さん。この子は琥珀です。」
ナツが私のことを訂正してほしいと遠回しにそう言った
「こいつは基本。実験体ナンバーかバケモノと呼ばれている。バケモノが気に食わないなら実験体No.76だ」
「その番号の基準ってなんなんだよ」
とナツがいうと職員さんはこういった
「幸運の数字7。それはこいつの力のメリット。悪魔の数字6。デメリットが大きいからな、。7766が最初検討されたが長いから76になった。それだけだ。実験体に比例された番号がつけられる。それが我が研究所の方針だ。ナツメ。言葉には気をつけろよ・責任者であるあのお方が黙っちゃいない」
私はナツに助けてほしいという視線を送ったがそれは叶わないだろう。ナツだって自分が一番可愛い。それに私だって怖いんだもん。この人たちに逆らうのは。ナツと私が仲良いのがバレたら外されるかもしれない。ナツの安全が保証されるならそれでいいけどもっとひどいところに送られるかもしれない・そもそも私の元だって私が何するかわかったものじゃないんだから危険なのだ・そこに実の息子を放り込むだけでナツのお父さんはかなりやばい
「今日はあのお方と話してもらう。実験はどうなるかはあのお方のご気分次第だ。気分が良ければ回避できるかもな・頑張れよ。No.76」
私は豪華そうな部屋に放り込まれて後ろには職員さんが武器を持って見張っている。首輪の電撃スイッチも持っているみたいだった
「やぁ。私はここの最高責任者でありナツメの父親だ。クロウとでも呼んでくれ。まぁ本名ではないけどな。この名の由来は
ナツメという植物があってだなそれがクロウメモドキ科の落葉小高木なんだ。だからそこからとってクロウと名乗っている。ナツメの親みたいな感じでいいだろう?実験動物のお前にはわからないか?」
「そうですね….馬鹿な私には理解に欠けますが話を聞く限り素敵だと思いますよ」
痛いのは苦しいのは嫌だ。こんな奴にナツの親を名乗って欲しくない。でも早く帰ってナツに会いたい」
「ナツメとは仲良くやっているか?」
その質問に私は
「…そこそこですね。やっぱり私の化け物じみた力が怖いのはそこまで仲良くはないです…でも話を聞く限りどちらかが死ぬまで一緒だそうじゃないですか・だから仲良くなろうとはしてくれています」
「ほう。ナツメは仕事しているようだな。最初は嫌だってうるさかったから何度か指導を入れたが最近は何も言わなくなってな。確認したかったんだ。実験動物如きに感情移入してるのではないかとな。その程度なら構わない。ナツメなりの防衛本能なのだろうからな。」
ナツメなりの防衛本能…..あり得るけど信じたくない。ナツメは心から私の事を信じてくれてるんだって思いたい。だってナツって呼ぶことを許してくれたんだから。
「ナツメはな。お前の実験の被験体だ」