17話「想いの力」
想いが強ければ強いほど、それを叶える力は強大になっていく。それは時にそれを無効化するものでさえなかったことにしてしまう。心からの願い。叶えましょう。
この力は多分元が天使か悪魔なんだろう。琥珀はなんらかが原因で本来持たないその力を持って生まれてきてしまったか生きている中で何かしらのせいでその力を持ってしまったんだろう。
この施設のみんなを暴走した俺はそのまま殺してしまった。
もちろん親であるクロウも。まぁ親だとは思ってないけど。俺は殺人の罪を犯した。でも実験に関わってる時点でもうダメなんだと思う。だから俺は妹の琥珀を守るためなら悪魔にだって鬼にだってなってやろうって。そう心から思った。それを多分能力発動前に心から願うことができたから悪魔になれたんだと思う。収容状態を見るに琥珀と鈴しか収容してないらしいから琥珀を解放して琥珀に鈴をどうするか聞こうかとと思う。
琥珀の部屋に行って琥珀に声をかける
「俺多分悪魔になったかもしれねぇ。悪魔の力を一時的に手に入れた可能性もあるけどそれでも…..俺はいいと思ってる」
「ま、まさか研究の薬を飲んだの!その力は….普通を2度と手に入れられないんだよ!?」
「だからさ。俺は願ったんだよ。琥珀に普通をって….でもやっぱりダメだった。この力はどう足掻いても失うことができないんだよ」
琥珀side
そんなのわかってるよ!!だから、お願い。普通じゃないことに苦しむのは私だけでいい。ナツはナツを救って。私を助けてくれた。私のヒーロー。救世主。そんなナツが私のことでこれ以上苦しむ必要はない。悩む必要はない。
だからお願い。私のこの力よ。私に力は多分オリジナルだから消せないんだろうけどナツは違う。だから!ナツの能力は消せるよね?お願い。ナツに普通を返してっ!!!!
そう心から願うと首輪が割れ能力が発動される。羽が思いっきりバサッとなる
「え。なんで首輪が割れたの…..?」
「わからない….それに琥珀何を願ったの?」
「ナツにもう苦しんでほしくないから….だから願ったんだよ。ナツに普通を返してって願ったよ」
ナツは焦ったように能力を発動させようとする。私と同じ仕組みなら簡単には発動できないのに。
人は簡単に願いをいう。一生の願いだったり。本当にお願いって。簡単に神頼みだったりもする。
でもそんなの通用しない。たとえ命を失ったとしても絶対に叶えたい。命を天秤にかけたとしても即答でハイと言えるほど願っている心からの願いしか発動させれない。
それに無意識に心から願ってしまえば無意識に発動させてしまう。だから羽がバサッとなるし隠すことも難しい。扱いが難しい上に不運ばかり。力の扱い方が上手くなれればむしろ便利なんだって理解できる。
それでも…..それでも…..私はこの力を好きになれないよ。人生を壊してしまったんだから。ナツに会えたのは力のおかげかもしれないけど
「そういえば鈴って子は?」
「あー。行くか。なんか知らないけど首輪壊れたし」
「多分….願いの力が強すぎたのが原因かな。ナツを自由にしたいって思いが強かったからさ。多分そのせいなんだと思う。今までは首輪に打ち勝つほどの願いの力が足りなかったからなのか。わかんないけど」
「鈴と話しに行こう。琥珀」
「うん」
心からの願い?ずっと想い続けた?大丈夫。もう自由だよ。
さぁ、やり残したことは何?あるよね?それをやりに行こう。後悔なきように




