15話「犠牲者への気持ち」
幸せを手にするには犠牲が伴う。それは必ずしもではないが今回はそうだった。
その犠牲者は......
ナツメside
琥珀を安心させたしまぁ安心したかわかんないけど
俺のことうっすらとかもだけど信頼できなくなってんじゃねぇかなってちょっと思ってる。脱出のためとは言え俺研究員になったんだし、それに実際琥珀の実験に関与する。琥珀を苦しめる人の中の1人になる。だってそうしなければ俺が解雇されてまた実験体に戻って琥珀を助けられなくなる。この立場が一番やりやすいんだから。
「クロウ様。俺が実験体の頃、脱出した日の夜。警備員は仕事せずサボっておりました。だから俺が警備しますよ?もちろん実験にも関与しますし。」
「だめだ、警備員か実験のどっちかだ。お前は天才なんだから実験の方だ。どっちかにする理由があるんだよ」
それは警備員は研究員や実験体が逃げないように侵入者を防ぐために情報を外に出さないための者らしく警備員には一切情報を与えてはいけないらしい。俺は思いっきり外に出てるけど。まぁ俺まともな情報持ってないしな。警備員よりは持ってるけど研究員よりは持ってないからか。琥珀のこと知ってるだけでだいぶ… というか病院に琥珀の血を提出したし。
それで十分外に情報出してる気もするけどクロウなりに俺を信頼してるのか?子供だし
ううん、あいつは残虐非道。親だとも愛されているとも思いたくない。俺は頼れる人は誰1人いない環境で生き続けた。支えることはするけど頼るなんてしない。それが俺なりの生き方だから
「実験ですか。なら俺は明日何すりゃいいんですか?」
「あぁ。そうだな。お前が連れてきた親友の身体検査だな」
親友の身体検査。琥珀の元親友。あの子の名前….鈴か
「わかりました」
次の日になって俺は鈴を収容している部屋に行く
「鈴。。でろ」
「ナツメくんこれ何!?ふざけないで!赤の他人でしょ!?私たち!!!お金で釣って最低だよ!!」
「何を言われようが俺はやめない。琥珀を助けるんだよ。お前に幼き頃化け物と呼ばれ捨てられた。」
「琥珀!?知らないわよそんな子!!幼稚園の卒園くらいに化け物と呼ばれてそれ以来話さなくなった子ならいるけど琥珀なんて名前じゃないわ」
「っ!!!その子の名前は!?!?」
明らかに琥珀のことだった。琥珀は俺がつけた名前。鈴が知らないのも無理はない。琥珀と言われて知らないのも当然だから。琥珀に直接合わせたわけじゃないし
「確かあの子は….苗字は忘れちゃったんだけど海来ちゃん。海が来ると書いてみらいちゃんだったわ」
「苗字は….瀬戸だったりしねぇ?」
「あぁ確かそうね。というかそんなことどうでもいいの!!出してよ!!帰して!!」
「あの子を傷つけた罪。償え、。ついてこい」
鈴を半強制的に連行して連れて行く。その場には琥珀もいた。他の研究員が実験を行なっていたみたいで悲鳴が聞こえる
「うぅ!やめ。痛い!」
琥珀だって慣れないんだろう。何年受け続けても。
「え?.....海来ちゃん?なの?」
「え。誰….?」
「鈴だよ!!」
「私は琥珀なんだけど」
琥珀が冷静に言い放つ。
「琥珀。この子は琥珀のかつての親友。鈴ちゃん。琥珀の本当の名前は瀬戸 海来。」
実験中の琥珀にそういった
研究員は実験の手を止めてくれている
「というわけだから、目の前で親友を実験してあげる。」
そういって鈴を身体検査する。血液検査だったりその体に合うように実験しないと簡単に死ぬからね
研究員は俺に実験意欲があるとわかったのか実験を続ける。琥珀とは呼ぶけど助けようとしないし琥珀の親友を傷つける行為を琥珀の目の前でする。琥珀は忘れているけどね?それだけはよかったよ。海来ってい否前で琥珀らしいけどあんなクズな両親につけられた名前なんていらないよね。俺のつけた名前琥珀の方がよっぽどいい。後で琥珀の意思を聞かなくちゃ。琥珀の意思が最優先だし。
その日は叫び続ける鈴を小さな悲鳴をあげて苦しむ琥珀の横で身体検査をしクロウに結果を提出した
「クロウ様。これが俺が連れてきた鈴の記録です」
「あぁ。お疲れ。休んでいいぞ」
「はい」
琥珀はある程度慣れている。慣れても苦しい実験に悲鳴を消すことはできないものの身体検査だけで大騒ぎする鈴とは別でおとなしかった。
「琥珀。名前どうする?海来と琥珀」
「私は琥珀がいい。ってかあの鈴って誰?」
俺は鈴について教えた。
かつての琥珀の親友で琥珀の本当の名前を教えてくれたのは鈴であること
「できれば….鈴って子とお話ししてみたい」
「…わかった。クロウに聞いてみる。。無理だったら俺が伝言してやる。」
「ありがとう。ナツ」
次は鈴の方へ行く
「鈴、俺の琥珀愛が爆発した。俺は琥珀の兄。瀬戸 ナツメ。琥珀の本名は瀬戸 海来なんだろうけど琥珀はずっと名前で呼ばれず化け物と呼ばれ続けた。だから名前を忘れて俺が名前を与えた。つい最近まで兄妹関係であることすら知らなかった。だからあの子のことは琥珀って呼んで俺はナツメでもナツでも」
「ここから出して….なんでもするから」
「琥珀への伝言だけ聞く。ある?ない?」
「あるわけない….ここから出してよ!なら琥珀ちゃんに行ってよここからどうしたら出れるの出してって」
「無理だと思うがわかった…後立場的には琥珀も同じだから。お前もあいつも実験体だ。それじゃあな」
犠牲者なんてどうでもいい。自分らが幸せになれるなら。
でもやっぱり.....,




