14話「壊れる日は近く....」
心が壊れ何度も限界を迎えている琥珀。ここまで壊れることはなかった。
だって幸せを知らなかったから、でも幸せを知った琥珀はそれにすがる。それを手に入れるため自身を壊してでも....
その結果はもちろん。俺と琥珀の家族関係があるか調べるためのもの。
結果は
99.9パーセント家族である。と。
つまり琥珀は俺の妹に当たる。そういうことだった。確かに俺は琥珀に対して不思議な気持ちを抱くことが多々あった。
それは無意識に家族愛を芽生えさせていたんだと今考えればそう思う。
それにその事実をクロウが知っていたのなら俺が実験体にふさわしい理由も説明がつく。血のつながりがある方が適応しやすいんだから。でも俺の妹があんな力を持つ?あの力って元凶は何?あの力の原理は?あれはなんなの?琥珀は悪くない?琥珀の本当の名前は?何もわからない。
琥珀の本当の苗字は俺と同じ瀬戸なのはわかる。でも下の名前は?
何もわからないことばかりで俺は戸惑う。
そんな俺だけど琥珀は…
琥珀side
私の代わりにナツが呼ばれたあの日の夜。ナツが外に出たことは知ってた。でもナツは私を裏切らないってきっとそうだって思ってたから私は何も言わずただただ寝たふりを続けた。
ナツが呼び出されたからナツが帰って来なくて代わりに研究員が来て。私に言った
「ナツメはもう戻らない。ナツメは実験体から研究員に昇格した。ナツメはお前みたいな化け物の世話役にするには勿体無い人材であることは判明した。だから代わりのものがくる」と。
ナツメ以外なんてあり得ない。嫌だ。ナツメといるとどこか安心できたのに嫌だよ。他の人だなんて無理だよ。ナツ!助けてっ!
ナツは本当に戻らずかなり長い時間が経った。それかナツがいないから時間が長く感じたのかもしれないけど。
そんなとき外から足音がうっすら聞こえて扉を開ける電子音が鳴る
「ナツ…..?」
「琥珀….実は」
それはナツで。ナツはいったんだ。
「俺と琥珀兄妹かもしれない」って
「どういうこと….?」
聞くとどれだけ調べてもナツと私の父母が一致して病院で調べてみると家族関係が立証されてしまったと。だからクロウはナツを実験体にすることにこだわった。でも天才なら話は別。かつての私の親友を騙して実験体にした。私の親友は裏切ったからいいでしょとのことだった。
「それで私はどうすればいいの….?」
「首輪を頑張って外す方法を見つける。お前が今思う心からの願いはなんだ?羽が発動するほど心から願っているもの」
「私は….ナツと私で幸せに暮らしたい。それで2度とこんな思いする人が現れて欲しくないからこんな研究所と所長なんてぶっ壊れちゃえばいい。消えちゃえばいいんだって」
「所長を消すのはダメだ。殺すならいい。存在ごと消しちゃあダメだよ」
ナツは冷静にそういった
私は庇ってるもんだと思ってヒートアップした
「なんでよ!!」
その衝撃で羽がばさっとなる
「落ち着け琥珀。認めたくはないけど俺と琥珀はあいつの子なんだぞ?存在ごと消したら俺らの存在も無かったことになる」
「あ….うん。ごめんナツ」
「いいよ琥珀。ヒートアップして無茶苦茶な願いを発動させないようにね。心からの願いを操作できるように気をつけて、俺は首輪の対抗手段を探す。もう少しだけ待っていて」
そうナツがいった、これが例え嘘だとしても私は信じて待ち続ける。今までずっとこの地獄から連れ出してくれる人を何年も待ち続けた。今や何も変わらない。地獄から連れ出してくれる存在が1人いるかもしれない。それだけで救われるし今までまった時間これから待つ時間。無駄には思えないし今までよりはきっとあっという間だから
壊れる前に止めるし俺が抑えてやる。兄として....




