12話「幸せへの第一歩」
まずは管理下から逃れること、そこから始まる幸せへの大一歩、
幸せが欲しければ自分で奪い取れ、その幸せに必要な人がいるならばその人も自分で守り抜け。
周りは簡単に奪い去っていく。
琥珀を助けるために。幸せな未来へ一歩前進。
この機械でピアスを無理やり外す。そして機械にピアスをつける。それをすると管理が続行されまるで俺がつけたままのように見えるのだ。
そして機械は小型だから持ち歩くことで居場所に違いが出ないようにする。夜出歩くときは部屋に置きっぱにすることで居場所特定をされずに済む。この機械は人と同じように機能されるように作られていてこのピアスのような機械を作るときの実験に使われる。
これはもう使われることが少ない。なぜならストックが大量に保管されていることを俺は知っている。壊れてから作るんじゃ遅いからな。
それで今は夜琥珀にすら隠れて外に出る。脱出も簡単じゃあないけど琥珀も研究員も気付かぬうちにこの場所は外へ繋ぐ穴があった。ダクトなんだけど。外って言っても部屋の外であって研究所の外じゃない。
琥珀は気づかなかったのはなんでなんだろ。結構長い間ここにいたと思うんだけどな。それとも俺の知らないとこでちょくちょく部屋交換とかされてたのか?そもそも俺が琥珀の世話係になったのって割と最近だしな。
夜の研究所は思ったよりも静かだった。
夜遅くに研究したりとかもあまりしてないみたいだった。もちろん警備員はいるけど。俺はそれを掻い潜って探索を行う。厳重なこの場所で警備員がいない場所時間帯はあまりないと思う。それゆえに夜には寝れない警備員は疲れていてサボりたいって思っていると思う。だからこそ行動しやすい。こんな場所に誰かが侵入する意味なんてない。国に消されるだけだし。そもそも関係者以外この場所の存在すら知らない。地図に載らない土地だから。
そんな場所から学校通ってた俺も俺だけど。
そんなことを考えながら研究所の探索を進めるけど警備員はいるけど全然見つからない。サボり癖が酷いみたいだった。脱出に使えそうなものはあまりなく琥珀の首輪をどうにかするものも見つからない。元々はこの場所の研究員の1人だったからあると思ったんだけど。
琥珀の首輪をどうにかする前にあの部屋から出すわけにはいかないよな。だって許可なしにあの部屋を首輪状態で出たら警報が鳴り響くようにできてんだから。
しばらく探索を続けていると夜があけていった。
俺は今日実験ないし琥珀が苦しむことにはなるけど俺は寝て休む。
琥珀が苦しむ中寝るなんておかしいって思うけど…寝不足になったらバレるかもしれない
そして朝
「化け物でろって言いたいところなんだがナツメだそうだ」
「は?俺?今日は琥珀なんじゃ」
「琥珀?よくわからないけど化け物の実験をするはずがなぜかクロウ様がナツメをご指名なんだ。ナツメ。クロウ様のとこに行くぞ?お前何したんだ?」
俺は心当たりが一つだけあった。そう昨日の夜外に出たこと。でもピアスをつけた機械は部屋に置いていったし今はポッケに入っているから持ってる。俺は琥珀とは違い実験用の服を着せられているわけじゃなく普通の服を着ているからポッケがある。
隠し通せ、何があっても、絶対に




