自殺してヘタレと呼ばれる
もう生きるのが辛い。傷の痛み、心の痛み、この手の中には何もない。
あるのは虚しい感情とモノクロの景色だけ。
心残りがひとつだけある。それだけ伝えて終止符を打とうと思う。この生に。
家族へ
ごめんね。本当に。この手紙を見る頃には、自分は死んでいると思う。驚かせてしまってごめん。
それに、育ててくれたのにごめん。一生懸命育ててくれて本当にありがとう。
でもそれ以上に今が苦しくてどうすることもできなくて、、、ごめん。
大切に育ててくれたのにね。今もさ、大切に想ってくれてるってことは理解してるんだ。
でも、いじめられてるこの数年間どうしようもなく辛かった。
助けてって言いたいけど、臆病な自分は何も言い出せなかった。
それに今までも、家族に迷惑ばっかりかけてきたしさ。
その度に許してくれたのは、愛情や優しさなんだなって今更になって思うよ。
バカ息子だね全く。書きながら自分のバカさ加減に笑ってしまうよ。
ただね、もう我慢するのも耐えるのも気力も何にもない。これからの希望さえも。
それでもさ、家族には感謝してるよ。なんだかんだで、やっぱり自分の一番の居場所だったんだと気づいた。
今更だけどね。親不孝者で、本当にごめんなさい。育ててくれて、本当にありがとう。
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遺書を家族に書き残した後に、深夜の山奥にある橋から飛び降りて僕は死んだ。
死んだはずだった。だけど、意識はある。自分の死体らしきものが下に見える。
俗にいう幽霊なんだろう。生きる気力さえなかった僕は、霊になったんだくらいの認識だった。
自分の死体のそばに行って死んだんだなと実感していると、後ろから声をかけられた。
「ヘタレの自殺者さんですか〜?」と。屈託のない陽気な声で。
心臓はないはずなのに、恐怖で硬直してしまった。
慌てて声の方に振り返ると小さな少女がいた。暗さで顔まではよく見えないが、
少女ということで怖さは和らいだ。
だが、自殺=ヘタレ・・・・そうなるのかと少し悲しく思っていると
「ヘタレなあなたにやり直す機会を与えたいと思うんですが、いかがですか?」
と言ってきた。程の良い風に捉えてしまい異世界に行くのかなどと考えていると、察せられたのか
「異世界とかまさか思ってませんよね?ヘタレが異世界に行って生まれ変われるなんて甘いんです、
甘々のヘタレですね。やり直すって意味わかりますか?生まれ変わるじゃないんですよ。」まで言われた、、、、。
怒るより、悲しい。返す言葉も見つからない。自殺してなお、虐げられる運命なのかと死にたくなる。
生き辛い、死に辛い・・・なんなんだろうと思っていると。少女が続けて言う。
「あなたの遺書は今ここにある。つまり、自殺する前に戻ることができるの。
そして、これからいくつかの経験をした後に生き返らせてあげる。やるでしょ?」
「経験って?それに生き返ることを望んで自殺なんかしないよ。」
「ヘタレらしい言葉ね。あなたは両親に対して申し訳ないと思ってるけど、手紙書いてさようならって
自分勝手なだけよ?あなた自身が変われば、あなた自身の生きる理由が見つかるわ。
そして親孝行することも望める。これをきっかけにするかはあなた次第ね。」
少女の言葉が胸に刺さる。自殺したのはいじめられた事が原因。
それさえ克服できれば少なくとも親を悲しませなくて済むし、普通に生きられるのかな・・・
「ヘタレさん?もうあなたの返事は要りません。とりあえず経験してきてください。
言っときますが大変です。たまに助けてあげますが、
便利な道具やスキルがあると思わないで下さいね。ヘタレにありがちなんで。」
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情報が多すぎて軽くパニックを起こしていると、光の門が横に「出てきてそこに抵抗する間もなく押し入れられた。
「頑張ってね。私は応援することしか出来ない。でも、あなたが自殺するのはダメ。
私はあなたに生きて欲しい。私にしてくれたみたいに、彩のある道を歩んで欲しいの。」
彼がいなくなってから私は呟いた。




