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ようやく家についた。もうすっかり晩ご飯の時間になった。
「買い物いってくるね」
「うん」
テレビをつけてみると、CMが流れてる。面白い番組がなかったので電源を切った。
自分の部屋に戻ろうとしたら、ノックの音がした。のぞき穴から見るとガク君とバンドのみんなだ。
ドアを開けて、入って入って、と言った。
「ススム君、体の具合は大丈夫?」ガク君が心配そうに聞いてきた。
「大丈夫、発見が早かったので大したことにならなくて済んだ。」みんなを見回して、「来てくれてありがとう。」
「気絶ときいたけど、足も痛めたんだね」
「ちょっとね」
病院の階段で転んだというのは恥ずかしかったので、言葉を濁した。
「実は病院へ見舞いにいきたがったけど、邪魔になるのかなあって思って」
「今日、こうやって来てくれたじゃない。本当にありがとう。そうだ、飲み物持って来るね」
そういって、立ち上ろうとしてる僕をガク君が止めてくれた。
「いいよ。僕たちはすぐ帰らなくちゃ」
「えっ、もう帰るの?」びっくりした。「来たばかりじゃない?」
「練習があるんだ。」
「なんの練習?」僕は聞いてみた。
「実は、今日来たのも見舞いがてら伝えておきたいことがあったの」ガク君はスマホをいじってから僕に話した。「今送ったものは新曲のデモなの。歌詞も書いてきたので、家で練習してくれる?」
「これ、、一体?」スマホをみながら僕は聞き返した。
「今度の日曜日の11時にオーディションがあるの。急に頼んでごめんね、だって僕たちもおととい知ったばかりだから。体が心配だけど、ススム君のボーカルにたよるしかないから」ガク君は続けた。「僕たちはこの曲て参加するつもり。ススム君の歌があれば勝てると思うんだね」
その後も曲いついて少し話し合ってからガク君たちは帰った。
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