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誰かが僕の体を揺すぶっている。目を開けて見ると看護婦さんだった。どうやら僕はまた眠ってしまったらしい。
「ススム君、昼ご飯だべましょうね」
「はい~」
けだるそうな声で返事する僕。
「そうだ、看護婦さん。昨日から僕はよく眠気に襲われるんですけど、なぜですか」
「それは多分、ススム君がまだ成長期だからだと思うよ。いっぱい眠って、いっぱい成長するためにね」
とても軽い口調で話す看護婦さんの言葉に信憑性はなかったけど、疑うほどのものもなかった。
ちょうど昼ご飯を食べ終わったところにママが入って来た。
「ススム、気分はどう?」
「とってもいいよ」
「ならママは退院手続きをして来るね」
「は~い」
病室に入ってくるママは松葉杖を持って入ってきた。
「それ、使わなければいけないの?」
杖を使うのにちょっと抵抗感があった。
捻挫はそんなにひどい傷でもなかったし、静養すればすぐなおると思うから。
「明日からは学校へいかなきゃいけないでしょう。これがないといろいろと不便だよ」
「足が完全に治るまで、家で休んでもいいでしょう?」
「だ~め」
ママの口調は厳しかった。従うしかない。
はじめて使う松葉杖は不便だった。特に脇下が痛い。
早く捻挫が治ることを願うしかない。