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ママは朝早く病院へ来た。
「足、どうしたの?!」
僕の足に巻いた包帯をみたママは心配そうに聞いた。
「昨日の夜、階段から落ちてしまって。でも、手当てもしてもらったから、もう大丈夫」
どうやら、僕は寝ている時、お医者さんが診てくれたらしい。
「痛くはない?」
「ないよ」
「ならいいけど、これからもっと気をつけましょうね」
「はい」
陽気に答えれ僕をみたママは微笑んだ。
ママはベッドのよこにある椅子に座ってリンゴの皮を剥きながら、
「体はどう?痛いどことかない?」
「全然。もうすっかり治ったよ。昨日、倒れたのはたいした病気じゃないみたい」
「よかったね。足も怪我したんだから今日退院できるかしら?」
「足の捻挫もそんなにひどくないから退院できるよ」
ちょうどこの時、看護婦さんが朝ご飯をもって病室に入ってきた。
「ススム君、おはよう」
とっても明るい声の持ち主だ。
「息子の足は?」
「先生に診てもらいました。無理しないと、すぐ治ります」
看護婦さんの言葉を聞いてから、ママは完全に安心した顔をした。
「午前中に、先生にもう一度みてもらって、異常がないなら午後にでもすぐ退院できます」
「ありがとうございます」
看護婦さんが出ていってから、ママは話しだした。
「ススム、ご飯は全部たべてね。ママは会社いってから、午後にまたくるね」
「うん、分かった。いってらっしゃい」
病院のご飯は味がしない。でも、頑張って全部食べた。
これから何をしよう?
足も怪我したので、歩き回るのも無理。携帯をいじるしかない。
ふと、昨日の自分が気になったので、眠気に襲われる原因について調べることにした。
調べれば調べるほど怖くなってきた。思い当たる症状がいっぱいあるから。
お医者さんも僕の体には異常がないと言ったので、自分でわざわざ心配事を増やすことはやめることにし、好きな映像を見始めた。
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