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ちょっと変わった話を差し上げます  作者: 武佐井 玄
赤信号を無視しないでください
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3

「ね、どうして?」


ただ黙っている僕をみて、ガクさんはきょろきょろ見ながら、話を続けた。


「もしかして、いじめの事?」


誰がそんな話までしたんだ?最悪だよ。本当に。

 

「それなら、大丈夫よ。この学校にはいじめはないし、あったとしても、、」


「あったとしても?」


「そんなの絶対ないって。信じて。ね!」


どうしよう。断りたい、でも断れない。あれこれ悩んでるうちに、チャイムが鳴った。

 

「放課後、部室で待ってるから。絶対来てね。ね。」


そう念を押してガクさんは自分の席に戻った。

 

もともと勉強のできる人じゃないから、授業を聞いても聞かなくても同じだけど、今日はバンドの事で悩めるから、集中しなくてもいい口実ができた。


やっと最後の授業も終った。ちらりとガクさんのところを見たら、ちょうどガクさんもこっちを見た。軽く会釈して教室から出て行った。

 

いろいろ悩んでるうちに、もう校門に着いた。一緒に帰り道を急ぐほかの生徒を見たら、羨ましくなってきた。よっし!行こう。部室へ。

 

恐る恐る部室のドアを開けた。

 

僕を見つけたガクさんは走ってきて、僕の手を握りながら言った。

 

「本当に来たんだよね、ありがとう!」


その後からは自己紹介したり、練習したり、楽しく過ごした。これって本当の学校生活かな。

 

部活が終ったのは20時すぎだった。

 

「ススム君の歌って、本当にうまいよね。」

 

バスに乗って席に座ってから、ガク君は僕にそう言った。他の部員は歩いていくらしい。

 

「それほどでもないよ。」照れながらは言った。それからはたわいのない話で時間つぶしをした。


「つぎはXX前に止まります。つぎはXX前に止まります。」

 

ガク君はボタンを押した。


「私ここで降りるの」ガク君は腰を浮かしながら、「じゃ、また明日ね。」

 

「うん。また明日。」

 

家に着いたけど、ママはまだ戻ってないみたい。台所のテーブルにはメモが残されてある。適当に食べてねって。


適当に食べようとしても、冷蔵庫を開けてみたら、食べれるものなど全然ないじゃない。今夜はコンビニの弁当だな。

 

でもその前に見たい番組があるから、先ずそっちから。ソファに横になって見てると、いつの間にか寝てしまった。


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