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ちょっと変わった話を差し上げます  作者: 武佐井 玄
赤信号を無視しないでください
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朝目を覚めると、頭が痛い。喉もなんかいつもと違ってカラカラで飲みものを取りに厨房に行った。


ママはもう朝ごはんの支度をしている。食パンの新レシピに挑戦しているらしい。


「おはよう」


僕は口を開けて答えようとしたけど、言葉が出てこない。何かを話そうとすると、喉がうずうず痛くなってきた。


ただの乾燥でこうなったから、水で潤しておけばいいと思い、ちょっとぬるめのお湯をゴクゴクと飲んだ。


たっぷり飲んで口にした言葉はとてもしゃがれている。


「どうしたの?」


僕の様子を心配そうにママが問いかけてきた。


僕は自分の喉を指した。


「喉が痛い?」


うなずく。


「風邪でもひいたのかしら」


こう言いながらママは手を僕の額にあてがった。


「あら、ひどい熱!早くベッドで休んで。今日学校は無理みたいね」


風邪だといわれて、体までだるくなってきた。最悪の状態になった。


まず頭をよぎったのは歌の練習だ。


三日しか残っていないのに、風邪なんか引いて、どうしよう。明日にでも治ればいいけど、僕は風邪をひくと長引く体だから心配だ。


ママはお盆にどんぶりと水、薬を載せて入ってきた。


どうやらおかゆを作ったらしい。


「学校にはもう連絡しといたから、今日はおとなしく休んでね」


開けっ放しにした窓を見たママは言葉をつづけた。


「窓を開けて寝るから風邪をひくのよ。昼はあったかいけど、夜はまだ寒いから」


いいながら窓を閉めてくれた。


「炊飯器におかゆを作ってあるから、昼ご飯はちゃんと食べてね。薬も」


僕は力なくうなずいた。


ママは部屋を出ていくのを見て、僕は目をつぶった。ひと眠りして起きたら風邪が治っていてほしい。


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