南米の破天荒サーファー
チリ最北部、アリカにて開催されるサーフィン大会。
そちらに前代未聞のサーファーが参加するとの情報を得た我々は、その独占インタビューに成功した。
*
――あの……チュパカブラさん、でよろしいでしょうか?
氏:オタクは人を『人間さん』って呼ぶのか? オレにも名前があんだよ。ムロモッフォンプっつうイカす名前がよ。チェケカブラ!
――す、すみません。えー、ムロ……ムロ?
氏:気さくにモッさんでいいぜ。
――ありがとうございます。では、モッさん氏。単刀直入にお聞きします。あなたは『本物』なのでしょうか?
氏:見て分かんない? 着ぐるみに見えるわけ?
――い、いえ……ただ、我々としても俄かには信じがたいことでして……
氏:モノホンよ、モノホン! ヤギの血をすするUMAチュパカブラ! それザッツオレSAMA!! チェケカブラ!
――ハッキリ断言しましたね。
氏:オタクさぁ、自分が人間ってことに自信無いの? そんなことよりさ、もっとサーファーとしてのオレをフューチャーしてチョーダイよ!
――なるほど。モッさん氏は何故今回のサーフィン大会に挑戦しようと思ったのでしょう?
氏:それそれ! そういうヤツ! オレの心がシャウトしたわけよ。ヤギよりも波に乗りてぇ……ってな! チェケカブラ!
――すみません。ちょっと気になることが。
氏:ん? 何よ?
――先ほどから要所でおっしゃっている『チェケカブラ』とは?
氏:あー気になっちゃった? 気になっちゃった系? オレさぁ、正直サーファーとしては駆け出しなわけ。自分の実力は分かってんのよ。
――そうなんですね。
氏:で、オレは考えた。そんなオレの最大のウリは何か。そりゃ当然、世界初のUMAサーファー! これしかないっしょ!
――つまり?
氏:キャラ付けよ、キャ、ラ! キメで使ってアピってんのよ、チェケカブラ! チェケラとチュパカブラをフュージョンってわけ! グッドなアイディアっしょ?
――そ、そうですね。
氏:流行るよなー。流行っちゃうよなー、コレ! 参っちゃうねー!
――そ、そうですね。
氏:あ、ッベ。もうこんな時間か。へへ、コレがコレなっちゃうんで。そろそろ……
――彼女さん、いるんですね……では、最後に大会への意気込みを一言お願いします。
氏:世界初のUMAサーファーとして、うまく波に乗るんで、応援ヨロシク! チェケカブラ!
――ありがとうございました。
氏:サンクス、チェケカブラ!
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翌日、モッさん氏は政府によって捕獲された。




