ファストファッションから見るなろうランキング分析と戦略
ファストファッションとは流行の服を安価で大量に流通させるという形態。
しかし、昨日ファストファッション巡りしてみて言うほど流行か?
ファストファッションとは定番の服を安価で大量に流通させる形態。
うん、しっくりくる。
この定義からなろうのランキングを見てみると、見事にファスト化してるな。
同じような小説が大量に投稿されている。
悪役令嬢がというと悪役令嬢が大量に、チート無双がというとチート無双がそれはもう大量に。
そういう意味ではファッション業界よりファスト化が著しい。
ラノベは知らないうちに終了して、ファストノベルになっておりました。
終わり。
じゃあんまりなので続けると、ファストファッションは定番のつまんない服を安価で流通させることに意味がある。しまむらなんぞ価格の暴力だしあれ。ユニクロが安価か?って疑問は話の流れで安価ってことにしておいてくれ。
なので、アパレルがファスト化が進行するのはわかるのよ。
安いは正義だし。
だけどなんで無料で読めるなろうでファスト化が進行するん?
コストかからないんだから逆に多様化するのが自然じゃね?
と思っていたけど、違うな。
ファストファッション巡りしてわかったけど、まあファッションに限らず商業展開するなら常に採算性が付きまとう。いくら大量に流通させると言ったって、限界がある。
チノパンしか売ってなかったら、ジーンズ欲しい客は他に行ってしまうしな。
定番のアイテムは揃えておかなきゃならん。
しかし、なろうの場合はコストゼロ(電気代とか通信費は含まず)書籍化しない限り収益はないのだから、採算も糞もない。
歯止めをかけるものがないので、ファストファッションを越える勢いで同じようなもんを大量に揃えることができる。
電子だから売り場面積の限界もない。無限に広い売り場に無限に同じものを揃えることができる。
それはいいとしてなんでつまんない小説がランキング上位にいくのよ? って疑問にはそれはつまんないのにランキング上位じゃなくて、つまんないからランキング上位と言うしかない。
しまむらを見て確信したよ。
しまむらがダサいを武器にファッションに興味ない人を取り込んだように、つまんないも強力な武器になる。
ラーメン屋に漫画があるとするじゃん。
その場合ラーメン来たのもそっちのけで読み込んでしまってラーメン伸びてしまうような面白い漫画はダメじゃん。
つらつらと読めて印象に残らずラーメン来たら話の途中で切っても気にならないつまんない漫画が正解じゃん。
もうちょい想像して見よう。
バスや電車での通勤通学。ちょっと暇。
頭使わないで時間潰したい。
これから仕事や学校だから読み込んで乗り過ごしてしまうようなのはダメ。
感動して泣いてしまうようなのもダメ。
分かりやすいのがいい。
会社や学校で頭使うんだから、通勤通学の暇潰しでまで頭使いたくない。
だから、これはこうゆう世界で主人公はこうゆう奴で、とオリジナリティがあってしっかり読み込まないとわからないのもダメ。
またこれか、またこのタイプがというありきたりなのがいい。
悪役令嬢なら悪役令嬢が大量にあるのがいい。
そのフォーマットなら知ってるから頭使わなくていいし。
長文タイトルで内容説明してくれてるのは最高だ。
面白いと会社や学校に行ってからも続き気になるなら、駅やバス停に着いたら忘れてしまえるつまんないのがいい。
もしくは洗濯機回してるから終わるまでちょっと暇だから、その間だけ読める奴、なんでもいいから。
こうゆう読み方をされると面白さはなんの役にもたたない。
つまらなさこそが武器になる。
読者は面白さを求めなくなったのか? というとそんなことはない。
面白さは紙なり電子書籍なりお金出して買ったコンテンツに求めるに決まってるじゃん。
無料で読めるなろうは頭使わないで時間潰せればいい、面白さまでは求めないし。
こういう層が確実にいる。
それについて文句を言ってもどうにもならん。
文句でどうにかなるならユニクロの時価総額が世界一になってない。
ところでな、しまむらすげえぜ。俺しまむらの株買うわと株価を調べたらなんと10890円!
最低取引単位が100株だから最低108万円ないとしまむらの株主になれません。
ねえよ、そんな現金。
トヨタの株価が7925円。しまむらってトヨタより株価高いだぜ。
株式発行枚数の違いあるからストレートに比較はできんけど目安ってことで。
ユニクロのファーストリテがえっと、おおう107850円!
1000万越えのお金がないとユニクロの株主になれませんなあ。
さすが世界一の服屋。
なんでこんなこと書くかというと定番の、あえてつまんないと書くけど、つまんない定番で世界で戦ってきた結果がこれな訳よ。
これを踏まえて、つまんないってダメなことか?
つまんなさを武器にして世界一になれることはユニクロが証明してるじゃん。
オンワードてブランドがある。
ジャケット8万円、スーツのセットアップで30万なりってブランドさ。
そのオンワードの株価は277円!
2万8千円あれば株主になってお釣りくるよ。
洋服の青山の株価が817円。
上下30万のオンワードが株価では吊るしのスーツ売ってる青山に負けてる。
つまりそういうことよ。
つまんないのはダメどころか、つまんなさを武器にするのは正しい。
株価がそれを証明している。
オンワードの30万のスーツの良さがわかって、それを買える人ってユニクロ買う人に比べると少数な訳じゃん。
そういうこと。
なのでなろうのランキングにつまんないのが上がるのは、ごく正常なこと。
でもってつまんないと質の高さが両立することもユニクロが証明している。
面白いもんで世界は狙えないが、つまんないと質が高いを両立すると世界一が見えてくるんだぜ。
ただ面白いもんを書くより、つまんなくて質が高いもんを書く方が書き手としてはよっぽど面白そうじゃん。
この視点で見ると色々納得できることがある。
つまんないのになぜかシリーズが作られて世界が熱狂する映画とか、毎回毎回ひたすら同じような展開が続く刑事ドラマとか。
それで金稼いでる人たちはとっくの昔につまんないがお金になることを知ってるいるんだよ。
もちろん面白いものを書こうとして力足りずつまんなくなってしまった、ではダメで意図された計算されたつまんなさでなければならない。
しまむらは客を見て、どうゆうダサさが求められてるかちゃんと考えるじゃん。
つまんないのがダメなんじゃない、つまんないからいいんだよ。
さあ、みんなもありきたりでどこにでもあるつまんねえ、けど質の高いもん書こうぜ。
駅に着いたら読み捨てられるとしてた、また次の日読まれるってそれは凄いことじゃん。