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第7話 その頃『白銀の翼』は(追放者side)


  場所は変わり、街の武器屋『サルマ武具店』。

 ジュダルはここで新たな装備を新調している最中だった。

 店内は『白銀の翼』の団員で賑わっている


「いや〜まさかあの『白銀の翼』の方々に来ていただけるとは、感激でございます!」


 カイゼル髭を生やした店主は手を揉みながらご満悦だ。


「いいってことよ。まさかこんな良い値段で武器を手に入れられるって知れたんだからな、寄り道ってのはするもんだぜ」


「ありがとうございます、どの商品も職人が手間暇をかけた逸品ですので気に入って頂けるかと!」


 そう、ジュダル達がマキナを追放した前日、酒場帰りで立ち寄った店がこの『サルマ武具店』だったのだ。


 有名ギルド『白銀の翼』、彼らにここの武器で活躍してもらえれば『サルマ武具店』の名は王国中に広まることだろう。


 『白銀の翼』の運用経費は浮き『サルマ武具店』は更なる利益に繋がる。

 お互いにとって好機なのは間違いない。


「これからはこの店で武器をそろえることにするからよ、良い奴を頼むぜ」


「それはもちろん! 特に、ジュダル様にぴったりの武器がございます!」


 すると店主は(おもむろ)に上質な布に包まれた剣を持ってきた。


「おお、こいつは」


「はい、クリムゾンでございます」


 ――皇炎剣(こうえんけん)クリムゾン。

 マキナのイフリートと同じ炎属性の剣。

 サイズも大きく、いわゆるバスターソードの部類に入る魔導武器だ。


「この炎剣のジュダルに炎剣を薦めるとは、分かってんじゃねぇか」


「この剣を使える方をずっと探していたのでございます。ジュダル様が来られた時、私は全てを理解しました……この武器はお客様に巡り合う為に存在していたと!」


 ジュダルの口角が上がる。


「へっ、口が上手いな店主よぉ」


「私は本心を言っただけでございます......!」


「気に入った、買ったぜ!!」


 即決したジュダルはクリムゾンを持ち、高く掲げながら叫ぶ。


「良いかテメェら! マキナという鉄屑弄りが去った今、『白銀の翼』はより完璧な武闘派ギルドになった! 国内最強は俺達だ! 今からのクエスト、気合い入れろよぉぉ!!!!」


「おおおおおお!!!」



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 武器:皇炎剣クリムゾン

 威力:300

 耐久値:(200/200)


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 『白銀の翼』は少しずつ崩壊の道を歩んでいく。


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