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第48話 地下水脈ダンジョンへGO!



 翌日の朝。

 宿でゆっくりと身体を休めたマキナ達は早速探索エリアを歩いていた。


「ふあ〜よく寝られた〜!!」


 アリアは身体を伸ばし、大欠伸をした。

 ふかふかのベッドに豪華な朝食、スイートの名に相応しい至れり尽くせりのもてなしを受けた。


「昨日の疲れが綺麗さっぱり無くなったわ」


「これでダンジョン攻略に万全の状態で望める」


 マキナは肩を回し、調子を整える。


「いつにも増してやる気充分だねマー兄!」


「もちろんだ、何てったってミスリルだからな」


 マキナは胸を躍らせる。

 貴重な鉱石を手に入れられるかもしれない千載一遇のチャンスを逃す訳にはいかない。


「にしても、昨日の帰りのアンタの燃えっぷりは凄かったわ」


「我々から見ても別人のようだったぞ」


 他愛もない会話をしながら草原エリアを通過すると、ゴツゴツした岩や砂利が目立ってくるようになってきた。

 遠くの方には高くそびえ立つ鉱山も見える。


 そして、目の前に巨大な洞窟が姿を現す。


「ここだな」


「如何にもお宝ありますって感じね」


 2つ目の探索ポイント、地下水脈エリアへと続く洞窟だ。


 4人は足を踏み入れる。

 地面は荒れており、少しでも油断すると(つまず)いてしまいそうになる。

 長い長い道を進んでいくと、目の前の光景に思わず4人は魅き込まれる。

 岩の壁で覆われた広い内部、辺りは地下水が滝となって流れ出し、至るところに奥へと続く洞窟があった。


 恐らくその先に幾つものルートがあるのだろう。


「すごいな、まさに迷宮(ダンジョン)だな」


 ひんやりとした風がマキナの頬を撫でる。

 近くには様々な冒険者がパーティー内で話し合っている。


「『ローズ団』、遂にミスリルを手に入れるつもりだぜ」


「流石にプロのトレハンギルドには敵わないよ……」


「儚い夢だったなぁ」


 皆が口々に呟く。

 1人の冒険者が4人に気付くと、恐る恐るマキナに尋ねた。


「君達、もしかして『虹の蝶』かい?」


「ええ、そうですけど」


「やっぱりそうだ! 昨日、草原エリアの森で暴走したフォレストホーンを倒したって話は聞いたよ!」


 するとこの会話を皮切りに、周りの冒険者が集まりだす。


「『虹の蝶』だって!?」


「あの蝶の紋章、間違いないよ!」


「今1番熱いギルドに会えるなんて、楽園竜(アイランド・ドラゴン)に来て良かった……!」


「あの砂塵のベルフェムトを半殺しになるまでボコボコにしたって本当ですか!?」


 何やら根も歯もない噂まで立っていた。


「『虹の蝶』の皆は今からダンジョン攻略かい?」


「はい、そのつもりです」


「なるほど……僕達には無理だけど、君達ならもしかするかもしれない」


「どういうことよ?」


 ステラが問いかけると、冒険者の男は続ける。


「ついさっき『ローズ団』の連中がこの地下水脈のダンジョン攻略を始めたんだ、このままじゃミスリルは間違いなくヤツらの物になる」


 彼はポケットからメモを取り出すと、マキナに手渡した。


「これは……?」


「このダンジョンの地図さ、とは言っても行けた範囲に限られるけどね。獲れたアイテムの場所と名前も書いてあるけどそれは気にしなくていい」


「こんな重要な物、頂いていいんですか?」


「いいのさ。数日前から探索を繰り返してるけど、僕らにはこのダンジョン攻略は無理そうだからね」


 冒険者の男は自身のパーティーに目配せをすると、全員が頷く。


「それなら私達のメモもあげるよ!」


「黙って『ローズ団』にミスリルを取られるのは面白くないからね!」


「俺達の無念を晴らしてくれ!」


 各パーティーのダンジョン攻略のメモが次々に集まる。


「すごい……これだけの情報があれば何とかなるかも!」


 アリアは嬉しそうに微笑む。


「ありがとうございます、俺達が必ずミスリルを見つけ出します」


 冒険者達に一礼し、マキナ達は奥へと足を進めた。



 ◇



 ダンジョン内は膨大な魔力場によって空間が拡張されており、外観以上に中が広いケースはザラにある。

 それが地下水脈に存在するとなると、とてつもない大きさが予想される。


「ここから先は行き止まりだな」


 マキナはメモを見比べる。

 どの地図にも記されている通りの構造になっており、信頼できる代物だと分かる。


「少なくとも帰ることには苦労しなくて済みそうだ」


「彼等には感謝しなければならんな」


「でもこの先どうするのよ、分かれ道が多すぎて何が何やら分からないわ」


 ステラはその場に座り込む。

 ここまで不安定な足場の道を歩いてきたのだ、無理は無い。


「……メモによると、ここではラダマント水晶が見つかったらしいな」


「さっきの場所にはキルハライト水晶があったらしいし、この辺のアイテムは獲り尽くした後みたいだね」


 マキナは岩の壁に触れる。


「やっぱりな」


「どうしたのマー兄?」


 1人納得するマキナに対し、アリアはキョトンとした顔を浮かべる。


「ダンジョンってのはある日に自然に発生する物だけど、構造はその場所に起因する。例えば、森のダンジョンなら樹々が迷路みたいに配置されるし、古城のダンジョンなら石造りの壁が主体になる」


「ふむふむ」


「それはアイテムも同じだ。この地下水脈のダンジョンなら、本来そこにあってもおかしくない水晶系のアイテムが多く出る」


 マキナは更に続ける。


「そして俺達が今立っているラダマント水晶が見つかった場所が、実際に自然の中で作られる環境とまったく同じなんだ」


「え、そうなの?」


「ああ、洞窟内の壁がゲルニ岩、火花岩、ムラクモ石の5:3:2の割合の層で構成されて、尚且つ湿度が約65パーセント以上の環境ならラダマント水晶が長い時間を掛けて作り出されるんだ。ダンジョン内のアイテム生成ならもっと早いだろうけどな、ちなみに――」


「あーマキナ、その、説明の途中で悪いんだが」


 ベローネは申し訳なさそうに口を開いた。


「どうした?」


「アンタの話、最後何言ってるのかさっぱり分からないわ……」


「頭がキャパオーバーだよぉ……!」


 武器製作と素材調達の両方を行っていたマキナにとって、この世に存在する鉱石全ての生成条件を覚えることは当たり前だったのだが、残りの3人には理解が難し過ぎる内容だった。


 そもそも、どんな凄腕の冒険者でも基本的にそんな知識など持ち合わせていない。


「要するに、ミスリルの作り出される環境に近い場所を探していけば自ずと見つかるってことさ」


「なるほど、そういう訳か」


「推測の域を出なかったけど、ラダマント水晶が見つかったこの場所を見て確信したよ」


「となると……アンタの観察眼が鍵を握りそうね。頼りにさせてもらうわよ、マキナ」


「もう目星は着いてる、今来た道にそれに近い岩壁があった」


「早っ!」


 思わずステラは驚愕する。


「少し休んだらそこまで引き返そう、ここからは最短ルートで行く」


「なんかもう、敵わないわ……」


「良いねぇマー兄、ノリノリだね♪」


 表情を一切変えないマキナを見ながら、アリアは嬉しそうに微笑んだ。


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