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第46話 いざ鑑定タイム!


「これら全て『虹の蝶』の皆様が!?」


 ギルドの受付嬢が、カウンターに積まれた討伐証明のアイテムを見上げながら唖然とした。

 依頼表に記されている量より、確実に多い。


「ただ今鑑定いたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか!?」


 カウンター奥でスタッフ達が総動員で慌ただしく鑑定を始める。


「凄い、ヤーゴクックの爪があんなに……」


「流石『虹の蝶』、凄腕が揃ってるってのは本当らしいな」


 ギルド内の冒険者達がマキナ達に注目する。


「凄く見られてるね〜」


「何かこそばゆいわね」


 『虹の蝶』のギルドとは違い、ここに集まっているのは大陸各地の冒険者。

 マキナ達の実力を実際に初めて見る者ばかりの為、余計に視線を集めた。


「あっ、『虹の蝶』の皆さん!」


「先程はありがとうございました!」


 すると、探索エリアから戻ってきた複数の冒険者がマキナ達に声をかける。


 皆、フォレストホーンに襲われていた者達だ。


「皆さんは命の恩人です、ありがとうございます」


「怪我もなさそうで何よりだ」


「それにしても、あの激昂状態のフォレストホーンを倒せるなんて凄いです!」


 その言葉を皮切りに、ギルド内が騒つく。


「激昂状態のフォレストホーンを倒した!?」


「もし遭遇したら逃げることに尽力しろ、って言われるくらいの奴だろ!」


「何であんな涼しい顔していられるんだ……」


 どうやらあの森から生きて戻ってこれたこと自体が奇跡らしい。


「『虹の蝶』の皆様、少しよろしいでしょうか?」


 するとギルドスタッフに呼び止められた。


「何かありましたか?」


「激昂状態のフォレストホーンを倒したと言う話は本当ですか……?」


「ええ、俺達が遭遇したときには既にその状態だったので」


「そういたしますと、もしかしてフォレストホーンの真ん中の角もお持ちですか?」


「それならありますよ」


 マキナは鍛冶スキル【収納】を発動させると、カウンターに螺旋状の大きな角が次々と現れる。

 受付嬢は両手で恐る恐る持ち、その重さを確かめる。


「こ、これは、間違いなくフォレストホーンの一角(いっかく)!?」


 あの後、マキナ達は討伐したフォレストホーン全ての素材採取を行っていた。

 討伐証明品では無いのだが、武器製作や素材売却に利用出来ればと思い、念の為採っておいたのだ。


「にしても綺麗な形だよね〜!」


「改めて見ると、宝石を思わせる輝きだな」


 角の色鮮やかな艶を目に映しながら、ベローネは言った。

 受付嬢はコホンと喉を整えた。


「『虹の蝶』の皆様、もし宜しければこのフォレストホーンの角をこちらで買い取らせて頂きたいのですが如何でしょうか?」


「この角をですか?」


「はい、実はこの角はフォレストホーンの一角(いっかく)と呼ばれ、元からフォレストホーンが有しているものではなく、激昂状態の時に初めて体内で生成される物なのです」


「へーそんな仕組みだったのねこれ」


「つまり通常のまま討伐したら手に入る代物ではない、と言う訳だな」


「その通りです、ましてこのような状態の良い物を見たことがありません。激しい戦闘になる関係で、むしろ多少の傷があるのが普通な位なんですから」


「なるほど……俺は武器用の1本があれば充分だな」


「ちょうど良かったわね、残りはここで買い取ってもらいましょうよ」


「因みに、お1つ辺りこのお値段でどうでしょうか?」


 受付嬢はカウンターに羊皮紙をそっと置く。

 マキナ達は内容を確認する。


「ひゃ、100万(ガロン)!?」


「な、何よこの値段!? こんな高く買い取ってくれるの!?」


「はい、最高ランクであることは間違いありませんので!」


「「ひぇ〜!?」」


 アリアとステラは顔を横並びにしながら動揺する。


「そんなにするのか、驚いたな」


「君はあまり動揺しないんだな、マキナ」


「驚きすぎて逆にどうしたら良いか分からないな」


「私もだ、どうやら似た者同士らしいな」


 そんなベローネの脚はと言うと物凄く小刻みに震えていた、似た者同士とは一体……。


 「マキナ、この際アンタの奴も売っちゃいなさいよ!」


 ステラの提案を、マキナは丁重にお断りしたのだった。


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