第18話 マキナ対ルゴス
ガキンッ!!
マキナはイフリートでルゴスの大鎌を受け止める。
確実に1人ずつ仕留めるために、アリア達とは少し離れていたマキナを狙ったのだ。
「貴方がリーダーですねぇ!!」
鍔迫り合いになり、血走った眼を向けるルゴス。
「まだそういうのは決めてないんだ」
「嘘をつけええぇぇ!! 小娘どもに隙が出来たらすぐさまカバー出来る動きをしていたなぁぁ!!」
「バレてたのか、アンタすごいな」
「舐め腐るなぁぁぁ!!」
マキナの冷静な受け答えに、ルゴスの頭の血管が浮き上がる。
「貴方は私の大鎌デスサイズでさっさとぶっ殺して、あの小娘共は奴隷商に売り飛ばしてやる……死ぬより辛い目に合わせてやりますよぉぉぉ!!」
マキナはイフリートに力を込める。
剣身の炎はさらに燃え上がり、髪も陽炎のように揺らめく!
「……誰を殺すって?」
「ひ!?!?」
「誰を売り飛ばすって?」
イフリートに接触していたデスサイズの刃が、燃え盛る炎によりドロドロに溶解する。
「ひいいいいいい!?!?」
マキナにとってアリア達は初めて出来た仲間だ。
だからこそ、
この発言はマキナの逆鱗に触れた。
あっという間に持ち手だけになったデスサイズ、
ルゴスは動揺し、腰が抜けたまま後ずさる。
「……お、お待ちなさい! 私は選ばれた人間なのです! 暗殺によって王国の情勢を動かしてきた、今までも! これからも! 私のような人間は必要になる!」
ルゴスの背中に大木が当たる、
おぼつかない足取りのせいで地面を捉えられない。
「私を捕らえるというのは立派な大罪です! それは許されることではありません!!」
マキナを纏う炎とは反対に、ルゴスを見つめる眼は冷たかった。
「誰が捕らえるなんて言ったんだ」
「へ……」
「もしかして自分は生きたまま捕まる、なんてそんな都合の良い考えしてないよな?」
マキナはイフリートを最大火力にする。
「……へ、へへへ、嘘ですよね?」
「そこ動くなよ」
そしてマキナは駆け、ルゴスの目の前でイフリートを振り上げる。
「うおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
「あああああああああああああああ!?!?!?」
迷いの森中に爆音が鳴り響く。
マキナの言ったことはもちろんブラフだ。
依頼には漆黒のルゴスの連行も含まれている。
だが連行した時に暴れる可能性もあるので、予め心を折っといた方がいいのだ。
マキナは、ルゴスのすぐ前の地面に突き刺さっているイフリートを抜き取る。
「……少しやりすぎたか?」
「うへ、へへへ、へへへ……」
目の前で白目を剥きながら失禁をしてるルゴスを見ながらマキナは呟いた。
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