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第14話 その頃『白銀の翼』は(3)(追放者side)


「どうなってんだテメェんとこの武器はよぉ!!」


 時は少し遡る。

 サンドスネークの討伐に失敗した『白銀の翼』、命辛々帰還したジュダル達は翌日、サルマ武具店に向かい、店主を見つけるや否や胸ぐらを掴みあげた。


「ひ、ひぃ!」


「1回使っただけですぐ壊れやがったぞ!!」


「そ、そんなはずは……!」


「現に壊れてんだよ! 俺のクリムゾンも、団員達の武器もなぁ!!」


 剣身の折れたクリムゾンを見せつけるジュダル、

 別のクエストに行っていた団員の武器も、例外なく破損していた。


 店主は信じられないといった表情だ。

 サルマ武具店は王国内で見ても高水準の性能を誇る武器を取り揃えている店だ。


 実際、一般的な武器の耐久値は200あれば充分すぎるほどに高い。腕の立つ冒険者なら1ヶ月は通して使えるだろう。


 店主は鍛治ステータスこそ見ることは出来ないが、ここの武器の耐久性、特に皇炎剣クリムゾンは随一だと自負していた。


 決してここの武器が弱いわけではない、マキナの武器が異常なくらい強かったのだ。


「何が「俺に巡り合う為に存在していた」だ! クソみてぇな武器売り付けやがって!!」


 そんなマキナの武器に助けられてたなんて微塵も思っていないジュダル達。

 今までの乱雑な使い方を省みることは一切考えてない。


「そうだそうだ!」


「こっちは死にかけたんだぞ!!」


「責任とれよ!!」


 『白銀の翼』の団員達は皆一様に店主を責め立てる。店内は軽いパニック状態に陥っていた。


「これから俺達は重要なクエストを実行しにいくんだよ、それなのに武器が無いってんじゃお話にならねぇ」


「は、はい、その通りでございます……」


「お前ンとこの武器が不良品って噂が流れるのは嫌だろ? 双方このままじゃ終われないって訳よ

、分かるな」


「は、はぁ……」


 ジュダルは振り向き、団員達に命じた。


「お前ら、好きな武器持ってけ!! ここの店主様が無償でくれるってよ!!」


「「「ういっす!!」」」


 すると団員達は店内の武器を漁っていき、(おもむろ)に装備しだした。


「え、ええ!? そんなぁ困ります!?!?」


「特別にチャンスをやるよ。またここの武器を使ってやる、その代わりにまたすぐぶっ壊れたらタダじゃおかねぇ!」


 するとジュダルは、店内奥の美しい装飾が施された矛に目を向ける。


「へ、いいのあんじゃねぇかよ」


 ジュダルはカウンターを飛び乗り、矛の前に立つ。


「俺はこれにするぜ」


 店主はジュダルの腕を掴む。


「おやめください! それは……ここの大事な矛なのです! ここの開店きね――」


「うるせぇ!!」


 バキッ!

 ジュダルは小賢しいとばかりに店主を殴り付ける。

 

「武器ってのは使ってやらないと可哀想だと思わねぇかぁ? 俺は思う、この矛の悲しみが伝わるぜぇぇぇっっ」


 ジュダルは奪い取るように矛を手に取る。


「テメェらいくぞ! もうここに用はねぇ!!」


「「「へい!」」」


 ゾロゾロと店から去る団員達。


「お願いしますぅ、せめて、せめてその矛だけはぁ……!」


「しつけぇぞオヤジィ!」


 ジュダルは足にしがみ付いてくる店主を蹴り上げ、店を後にした。


「俺達はこれから闇ギルド狩りに向かうぞ!!」


「おお!!」


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― 新着の感想 ―
[一言] 下手な鉄砲、数打ちゃ当たるかもだが、限界がある(笑)
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