第13話 最強パーティー誕生!
『虹の蝶』ギルド修練場にて、
マキナとアリアは模擬戦形式で訓練に励んでいた。
アリアは双剣系最強武器オルトロスを装備、対するマキナは通常のツインダガー。
強化自体はされてるがオルトロスと比べると性能は数段劣る。
そんなオルトロスの【疾風の加護】を受けた神速の攻撃にも関わらず、マキナはアリアの斬撃を最小限の動きでいなしている。
そして、
マキナはアリアの首筋にダガーを突き付けた。
「ふぇ〜また負けたぁ……」
ペタンとアリアがへたり込む。
「そんなに落ち込まなくていい、前より動きは格段に良くなってるぞ。脚技を織り交ぜてたから読み辛かった」
「そうかな、えへへ」
「俺もツインダガーのいい勉強になったよ、また時間見つけてやろうな」
「うん!」
スタスタと修練場を後にするマキナとアリア。
「見てたか? あの2人の動き早すぎるだろ……」
「あそこだけ異次元だったな」
「1人は入団テストでオブジェぶっ壊したマキナって奴だろ? 最近ワイバーンも倒したって噂だぞ」
「ええ、討伐隊派遣されるレベルのモンスターじゃんか!?」
「アリアちゃん、前から強い双剣使いだったけど更に磨きが掛かってた......」
「俺達も負けてらんねぇ、がんばろーぜ!」
「おおおお!!!!」
活気に溢れる訓練場の冒険者達、マキナ達は人知れず彼らの起爆剤になった。
◇
シャワールームで汗を洗い流した2人はギルドホールへ向かった。
「そういえば俺達パーティー登録してなかったな」
「あ、たしかに! 基本一緒だったから忘れてたね」
ギルドでは特に仲の良いメンバーとはパーティーを組むことが出来る。
難しいクエスト攻略もパーティーで挑めば断然楽になるのだ。
「ちょうど良いから登録しておくか?」
「どうせならもう少しメンバー増やそう! 多いほど楽しいもんね!」
「じゃあ誰かに声をかけてみるか……ん?」
マキナは受付窓口に目を向ける。
槍を装備した金髪ポニーテールの美少女、ステラがウロウロとしていた。
「やあステラ、最近よく会うな俺たち」
「……マキナ!? も、ものすごい偶然ね!」
マキナが話しかける、ステラは会うなり身体をモジモジさせた。
「ステラちゃんおつかれ〜、何か探し物?」
「いや、別にそんなんじゃないの!」
「そう? ならいいんだけど」
「……あ、あのさマキナ!」
「なんだ?」
「よかったらアタシと、アンタ達3人でパーティー組まない……!?」
「俺達と?」
「だってほら! アンタはアタシ助けるときに1人で突っ走ってきたって言うじゃない! アリアはアリアでこの子抜けてるとこあるから心配だし、アタシみたいなブレーキ役がいないと駄目だと思うわけよ! だから……その……どうかな?」
ステラは目を泳がせながら言う。
その姿は初対面の時とまるで違った。
「いいぞ」
「ええ!?」
マキナの予想外の即答にステラは驚く。
「ちょうど今アリアとその話をしてたんだ、俺もステラなら大歓迎だぞ」
「私も〜、一緒にクエストやろ〜ステラちゃん!!」
「ほ、本当にいいの?」
「ああ、知り合いの方が連携も取りやすいしな」
ステラは2人に気付かれないように小さくガッツポーズをする。
心の中の小さいステラは涙を流しながら「しゃー!!!!」と声を挙げていた。
「――その話、私も興味があるぞ!」
3人が振り返るとベローネがいた。
「ベローネじゃないか」
「マキナ、入団試験、そして魔石調達の件から君から目を離すことが出来ないのだ。是非私もパーティーに入れてもらえないだろうか?」
「入ってくれるの! やった〜!」
「ベローネが入ってくれるなんて心強いな、こちらこそ宜しく頼むよ」
「ああ、私達なら良いチームワークが出来そうだ、よろしく頼む」
「まさかアンタとパーティーを組むことになるなんてね」
「ステラ、君の槍術と私の剣術が合わされば敵う者はいない。同じパーティーとして共に頑張ろう」
「ええ、でもあくまでアタシとアンタはライバル関係! いつか『虹の蝶』最強の女の座はアタシが頂くのをお忘れなく!」
「ラ、ライバル!? そうだったのか!?」
「そうよ! 私のリンドヴルムがいつでもアンタの背中を狙ってるわ! 覚悟しておくことね!!」
高笑いするステラの発言を真に受け、ガタガタと身体を震わせるベローネ。
思えばこの2人が話してるとこ初めて見たな。
「何はともあれパーティー結成だな、これからよろしくな」
「みんなでがんばろー!!」
4人は手を重ね合わせる。
『虹の蝶』最強パーティー誕生の瞬間であった。
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