本当の事を話す
「魔王様もしかして記憶が無くなっていると言うのは嘘なのですか」
「えっと、すみません、本当は記憶がないというのは嘘で」
「一体どういう事だドクターお前が言ったから魔王様を迎えに行ったんだぞ」
「私に聞かれても、この方の体からは確かに魔王様の魔力が宿っているので間違いはありませんよ」
「ならなんでこんな事を言い出す」
「少し落ち着いてください、えっとあなたの名前は」
「俺は正男だけど」
「では正男様、あなたの体から魔王様の魔力が宿っているようですが、何か心当たりは」
「心当たりはあるんですけど、信じてくれますか」
「ええ、ですがさっきのように嘘を吐かないように」
二人には嘘偽りなく魔王の話をした。
「では本当の魔王様は成仏したで間違いありませんね」
「はい、間違いありません」
「そうですか、魔王様は成仏したのですね」
「それで一体俺はどうすればいいんですか」
「まあ魔王様の魔力が宿っている事は正真正銘の魔王ですからね、この事は三人の秘密にしましょう、元の魔王様が成仏したなんて今は言えませんからね」
「では私はこれで」
白衣の女性は立ち上がり扉を開け出て行く。
「もう今日はおやすみください正男様、明日からは魔王とこの大陸について説明しますので」
「あっ分かりました」
「それと今日の事はすみません、いきなり拉致してしまって」
「いえ、異世界に来るのって憧れでしたからいいですよ」
「それならよいのですが、ではおやすみなさい」
「はいおやすみなさい」
メイド服の女性も出て行き一人になってしまう。
「まあ言われた通りに寝るか」
すぐにふかふかのベッドに横になり今日は寝るのだった。