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~第6幕~

 アルタ人を探すメアゾの会に入団した俊一と青木は、それから学校の図書部に入部した。そして向井とともに学校中の生徒から聞き込みをおこなう。また何故かメアゾからメールを受けた普通の人間である神流崎も通学に復帰すれば、図書部に入部してメアゾの探索を手伝った。



「なぁ、神流崎さんさ」

「なに?」

「俺さ、1つひっかかることがある」

「なにが?」

「なぜ、メアゾは神流崎さんにメールを送ったのだろうか?」

「さぁ、迷惑な話だけど、たまたまじゃない?」

「いや、多分好きだったのかも」

「何が?」

「神流崎さんのことが」

「ば、馬鹿言わないでよ!」



 俊一は神流崎からビンタをくらった。



「ご、ごめん……」

「いや、こっちも悪い事言ったよ。俺たちはある意味で命狙われているものね」

「うん、私さ、西村君達が来るまでは、あの中で唯一の人間だったから。怖いの。本当は向井先生も安藤君もカナミアンって子も」

「わかるよ。俺だって怖い。きっと青木だって同じだろう。でも、何故だろうな。俺はこのメアゾ探索が楽しい」

「え?」

「俺はサッカー部だったけど、アキレス腱切っちゃってもう出来ないのさ。もう、何もかもが真っ暗なのだけど、何か新しい生き甲斐を見つけられた気がして」

「西村君って強いのね」

「強くはないさ、俺も向井先生が怖くてやっているところあるし」

「西村君」

「うん?」



 神流崎早紀は勢いのままに西村俊一と唇を重ねた――



「ごめん……」

「いいよ。ありがとう。神流崎さんが嫌じゃないなら、俺、彼氏になるよ?」

「ば、馬鹿言わないでよ!」



 俊一の彼女となって今度は抱きつく早紀だった――




 すっかり寒くなった12月の夜中、俊一はノートにありたっけのメアゾ探索におけるデータを書き上げていた。気になるのは土佐総心高校での目撃情報が余りにも多いこと。そして早紀へメールをやたら送っていた時期があったこと。様々な情報から1つの仮説を見いだした。



 翌日、図書室でメアゾの会メンバーを前にして俊一はある案を提起した。



「なるほど……面白いな。たしかにやってみる価値はある」

「しかしそんな発想よくでてきたわね」

「やってみましょう。彼が来るかも!」

「俺も何かしないといけない感じか?」

「あ・た・り・ま・え!」



 俊一が着目したのは早紀が以前学校のレクリエーションで巫女の芸を披露したことにあった。その様子に心惹かれたメアゾは彼女の物真似をしようとしているのではないか? あるいはもっと凄いことをやってみせたいのかもしれない。



 その晩、普段は使用不可の屋上を使用し、自前で作った大きな旗を男子3人がそれぞれ持った。照明を含めた準備を向井が行い、カナミアンはすぐにメアゾを帰還させるべく異世界空間を出現させていた。



 そしてこの舞台の主人公となる早紀は巫女装束で舞った。



 青木が「何だよ、このカルト儀式」と苦笑いをした時、夜空に流れ星がいくつも現れて眩しく光る物体が土佐総心高校屋上へと降りてきた。



 向井は「アルソン! テシラだ! 捕まえろ!!!」と大きく叫んだ。



 向井の声に即座に応じたのは安藤だ。



 屋上に眩い閃光が走った。そして次の瞬間、安藤の腕の中でジタバタする赤子、いや、テシラというメアゾ? が全員に見えた。



「走りなさい! アルソン!」と今度はカナミアンが叫ぶ。



「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」



 安藤はカナミアンが作りだした空間の中へタックルして空間とともに消えた。



 メアゾ捕獲は呆気なくも終わった。そんな感触だった。



 メアゾ捕獲から数カ月して向井と安藤は俊一たちの目前から去っていった。



 俊一は向井から驚くような大金を手渡されたが、これは青木や早紀もそうなのだろうか。何とも奇妙な体験をしたが、誰かに話したところで誰も信じてはくれないのだろう。これは3人だけの秘密だ――




∀・)読了ありがとうございます!いよいよ明日、最終回を迎えます!!最後までのお付き合いを何卒お願い申し上げます!!

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