~第4幕~
冬の迫る11月、外にでると少し肌寒く感じるようだ。学園祭が終わった頃になって学校は急に宇宙人の都市伝説で賑わうようになった。神流崎とかいう謎の女子生徒が謎のメール受信(交信)をしたという話。それとほぼ同時期に学校の用務員が学校の屋上に光り輝く未確認飛行物体が降下するのを目撃したという話。また夜中の学校で走り回る奇人を目撃したという話。いずれも現段階では画像が残ってなく、やはり信憑性にかける話ばかり。
誰かの悪戯。そうだと思っている人間が少なくない。いや、大半なのではないだろうか。そう、俊一は思っていた。
そこへきて「メアゾの会」なんていう謎なワードが親友の口から飛びでてきたのだ。失笑するしかないが、くすりとも笑えなかった。
「おら、好きな物を選べ」
学校の自動販売機からホットの缶コーヒーを青木は指さした。
「ありがとう」
「別にいいよ。小遣いなんて普段使わないから」
「小遣い貰っているの?」
「ああ、お前は貰ってないの?」
「うん、貰っているけどさ……」
「じゃ、聞くなよ……」
「うん、ごめんね……」
コーヒーを口にした俊一は本題に入った。
「それで? 『メアゾの会』ってなんだ?」
「それは……」
「もう、何でもいいよ。お前が変な奴に狙われているのなら、護るよ。お前の頭がヘンテコになっているのなら、お前の頭を叩いて正常にもどしてやるよ」
俊一は笑顔でそう話した。青木はゆっくりと缶コーヒーを飲み、話をはじめた。
「昨日、ゲーセンで遊んでいた。そしたらさ、安藤って覚えているか?」
「え?」
「あの野球部で目立っていた奴だよ。俺さ、1年のときに風紀委員会やっていた時、アイツと親しくやっていた時があってさ」
「安藤とは同じクラス……いや、ダチだったけどさ……」
「え!? そうなのか!?」
「お前がそのなりで風紀委員やっていたのが意外だ……」
「ははは、あの時は生徒会入りも目指していたし」
「そうか、まぁ、その話は後でもいい。それで? ゲーセンで安藤がどうした?」
「気さくに挨拶してきた。そしたら今アイツさ、メアゾの会っていう団体に所属しているらしくて、そこに来てくれないかってスカウト受けて」
「安藤からなのか……」
「何でも異世界人と交信するっていうか、異世界とこの世界の繋ぐ者達の集まりらしく……」
「待て、お前、今何て言った?」
「え? 異世界……」
「異世界って何だよ、あの野郎」
俊一は腹を抱えて大笑いした。そして開口一番こう言い放った。
「わかった! 俺ものってやる! 俺もそこへ連れてってくれ」
俊一のなかで何かが芽生えた瞬間だった――
∀・)読了ありがとうございます!また明日続きます!いざメアゾの会本部へ!!