おばあさんはテンセイを知らない
筆者は昔の言葉を知らないのでおばあさんはどんどん現代の言葉でしゃべります。
ともあれやっと2話目です。
今後もたぶんちんたらいきます。
感想、レビュー、ありがとうございます!
薄らぼんやり暗い。でも温かい。
起きそうで、でもあえて起きないこの感じ。キライじゃない。
むしろ・・・イイ・・・
でも何だろう。
体がうまく動かせない。
ふんわり重いものに押さえつけられているというか
力が入らないというべきか・・・
何はともあれ、
そろそろあの人が起こしに来てくれるはずだ。
肩をそっと揺らして「祓」って名前をやさしく呼んでくれるんだ・・・
きっと今頃朝食の準備をしてるはず。
ほら、今日も野菜汁のいい匂いがして・・・
して・・・
して・・・・・・
こない、だと・・・!?
え、あ、え!?
どうしたんだろう、まだ寝てる!?(棚上げ)
あの人に限って・・・
いやいやでもほら、今日はたまたまいつもの献立を変えてみたんだきっとそう。
おまえさーん!
そろそろ起こしに来てくれてもいいんだよー?
あなたの祓はもうすぐ起きそうですよー?
「あぅぁ!」
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
確かに私は若くない。
自他共に認める立派なババアだ。
しかし、しかしである。
昨日まではハキハキと喋っていたし、体に力が入らないなんてこともなかった。
一晩で呂律が回らなって体が動かないくらいに衰えたとでも?
これが「もう年なんだから・・・」と言うものなのだろうか・・・
驚きすぎて目が完全に覚めてしまった。
恐る恐る目を開いてみる。
ぼやけた視界に入ってきたのは、なんとまあ愛い紅葉の手。
どこの赤ん坊の手だろうか。
思わず自分の手をワキワキさせてしまう。
・・・・・・紅葉の手もワキワキした。
私の手だった。
人間は年を取りすぎると逆に若くなるのだろうか・・・
そういえばさっきの声もババアにしては濁った声じゃなかったような。
なんだろうこの状況。訳が分からない。
とりあえず
おまえさぁあああああああん!どこぉおおおおおおおおお!
「ぎゃぁああああああああ!!!」
オバアサン ハ コンラン シテイル