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桃太郎のおばあさんは育て方を間違えた  作者: 秕理紀
プロローグ
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プロローグ

初投稿です。広いお心でお読みください。

昔々、ある所におじいさんとおばあさんが住んでいました。

ある日山におじいさんは芝刈りに、おばあさんは川に洗濯に出かけました。

おばあさんが洗濯をしていると、川上からどんぶらこどんぶらこと大きな桃が流れてきました。

「おじいさんと食べよう」

おばあさんは桃を持ち帰りました。


おじいさんが山から帰ると、おばあさんは早速桃を割りました。

すると、どうしたことでしょう。

玉のような赤ん坊が桃から出てきたではありませんか。

子供がいなかったおじいさんとおばあさんは喜び、赤ん坊に「桃太郎」と名付けました。

可愛がられた赤ん坊はすくすくと成長し、立派な青年になりました。


そんなある日、村にある知らせが届きました。

恐ろしい鬼ヶ島の鬼が宝を奪い、お姫様を攫ったというのです。

正義感あふれる桃太郎は鬼退治に出ることを決意しました。

初めは反対していたおじいさんとおばあさんも桃太郎の熱意に折れ、

刀ときび団子を渡して桃太郎を送り出しました。


危険な鬼退治の道中、桃太郎は犬、猿、雉と出会います。

彼らはおばあさんが持たせてくれたきび団子を欲しがりました。

桃太郎は言います。

「きび団子をあげよう。ただ、どうか一緒に鬼退治に行ってくれないか」

いくら勇敢な桃太郎といえど、たった一人での旅は少し心細かったのです。


長い旅の末、桃太郎たちは鬼ヶ島に辿り着きました。

「我こそは桃太郎!貴殿ら鬼を退治してくれる!」

たくさんの鬼たちが襲い掛かってきましたが、なんのその。

犬、猿、雉と共にばっさばっさと倒してしまいました!

鬼に勝利した桃太郎たちは捕らわれのお姫様を助け出しました。

「なんて素敵なお方!」

お姫様は一目で桃太郎を好きになり、桃太郎はお姫様と結婚して幸せに暮らしましたとさ。

めでたしめでたし。


――――――――――――――


と、いうのが物語のお話。


「嘘ばっかり」


本当の桃太郎の話はもっと違う。こうだ。


刀鍛冶のおばあさんと主夫のおじいさんは川で子供を拾いました。

しかし、桃太郎は成長しても仕事をせずにNEET生活を満喫していたのです。

ある日、鬼の噂を聞き付けた桃太郎はおばあさんの刀とおじいさんのきび団子を持ち出しました。

そして、犬・猿・雉をきび団子()()で手懐けてしまいました。

鬼ヶ島に到着すると桃太郎は動物たちをけしかけ油断していた鬼を襲います。

鬼に勝利した桃太郎はお姫様を嫁にし、奪った宝とお姫様の実家のお金で贅沢をして暮らしましたとさ。


桃太郎は無職家事手伝わないだったし。

旅に出たのも鬼の宝とお姫様が目当てだったし。

そりゃあ、顔はよかったけど。


「あーあ。育て方、間違えちゃったかなー」


真川天音。17歳。

何を隠そう。桃太郎のおばあさんの生まれ変わりである。


「っていうかさぁ・・・

私のきび団子(おやつ)持ってくなよぉおおお!」


食べ物の恨みは時空を超えるのである。

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