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年賀状  作者: ハイ様
4/4

「今日は意外と暑かったし、シャワー浴びるか。

昨日はシャワー浴びれてないし」

シャワーを浴びたあと、鍋を洗う。

さすがにずっと使いまわしていると危ない気もしなくもないからだ。

ついでに野菜やらも切ってしまう。

動くときはいっぺんにしたほうがあとあと便利なのは、ここ一年でよく学んだ。


さて、年賀状に取り掛かろうとして、

ふとTVに目をやると、赤い2つの光が映っていた。様な気がした。

2度にしてみると、何もない普通の画面で芸人がわいわい言っていた。


「よし、三枚目もできた!・・・ん?」

また、画面に赤い光が見えたので、

後ろを振り返ってみるがドアはちゃんとしまっており、変なことは何もない。

床に落ちている鏡が目に入る。

これを動かなくても後ろが見える位置に配置し、作業を続ける。


作業をしながらも、気のせいだろとときどき注意を払っていると

「見えた!」

その光はドアの新聞要れのところにあった。

わざわざ開いてみていたのである。


暗闇の中に、赤く染まった月のような光がじっとそこを動かない。

そのときは夢のことを鮮明に思い出していた俺は全く動けず、

背中に冷たい空気をほんの少し感じた。


ズルリ・・・

いきなりその何かは細長い新聞入れから入ってこようとした。

ズル・・・・ズル・・・ボトン!


完全に進入を許してしまったが、俺の身体はまだ全く動かない。動いてくれない。

部屋の中という安全な場所だと思っていた場所をなくし、

恐怖のせいか涙がこぼれてくる。

夢の中のようになってしまうかもしれないと

後ろ向きな思考のみで支配されていく。


そんなことはおかまいなしに、何かはゆっくりとこちらに近づいてくる。

玄関は暗くなっているが、近づいてくることによって輪郭のみがぼんやりと見えてくる。

目を合わしていたら、また増えるのではないかという恐怖に襲われた俺は、

力強く目を閉じた。

それは間違いだったのかはわからないが、

視界が暗くなった瞬間、様々の想像が頭を過ぎり、

もう目を開ける勇気などひとかけらもなかった。


少し時間がたったと思う。

何も起こらない・・・

目を開けてみようかと思った瞬間、

シャキ・・・シャキ・・・

最初に思い浮かんだのは野菜をかじる音だった。

目は意外と簡単に開き、音の元はすぐ見つかった。


さっき切った野菜の残りをウサギが食べていたのだ。

真っ白なウサギは首輪をしており、

足の裏は雪によって汚れたらしく茶色になっており、

目は燃えているように真っ赤であった。


「なるほど、こいつだったのか。

でも、なんでこんなとこにウサギが・・・」

まだ野菜を食べ続けているウサギを拾い上げる。

それは大切な食料なので、勝手に食べられても困るのだ。

そのとき、首輪に紙が挟まっているのに気がつく。


「紙?

住所とか何か情報でも書いてあるのかな」

その紙を取り、広げてみるとそこには・・・・



『来年は辰年ですよ!』




内容に唖然としたが、

次の日にはウサギは消えており、年賀状は結局遅れて出すことになってしまった。

誤字などありましたらご報告お願いします。


感想やアドバイスなどお願いします

バスバス言ってやってくださいw

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