受験生の験担ぎ
数多くのクイズ番組で活躍し 「国語の神様」と称され 日本語のアクセントや方言研究の第一人者として知られる 国語学者の金田一春彦さんは、受験シーズンになると自宅のある物をよく盗まれていた。
たびたびそれが毎年のように被害に遭うので、セメントでブロックの門に埋め込むほどとなったのだった
そのある物とは表札である。
「表札を持っていると志望校に合格する-」という言い伝えが広まり、3大科目の国語でよい成績を収めるという
そんなはた迷惑な迷信が一部で信じられていた。またその一部の言い伝えによると、4軒の表札を取ると、しけんとる→しけんとおる→試験通るとの語呂合わせが伝わったのも原因のひとつか
被害者には小説家で劇作家で「ひょっこりひょうたん島」を描いた井上ひさしさんや大学教授も名を連ね 大東文化大学名誉教授民俗学者の高桑守史さん もその被害にあった
その被害について高桑守史さんは功を成した人の物を身に付けてその人にあやかる心情、と分析している。
必死に勉強をして切羽詰まった受験生がわらをもつかむ覚悟で著名人らの表札を失敬して験を担いだのだろうか
私たちも日々「何かすると調子がいい」や「これをやらないと落ち着かない」ということがあるだろう
例えば「靴は必ず左から履く」「受験に勝つ カツ丼」などもそうだ
人はジンクスや言い伝え 口コミなども比較的みたり やってみたいと思ってしまう 先日もテレビ番組で「〇〇を食べたらよい」というのでは購入してしまった
受験生は心も身体もすり減った気持ちが強い よいものならなんでも取り入れたいものだが やはり表札泥棒は犯罪行為で絶対やってはならない
「いつも通り」を大切にして よこしまな考えを持たず 一つ一つやることが大切なのだ




