一丁目、色紙
詩:一丁目
この場所に入った時、そう感じた
ぼくの居場所はここではないと
いや、最初から分かっていた
ぼくの居場所はここでは無いと
あれは雪の降る夜だった
君は大切にしてくれたね
ぼくの贈り物を
君は愛してくれたね
ぼくの宝物を
でも、雪が晴れると気持ちが変わるのはなぜだろう
心の隙間が埋まらないのはなぜだろう
今日、この場所に入ってそう感じた
ぼくの居場所はここではないと
いや、結末は分かっていた
ぼくの居場所はここでは無いと
あれは雪の晴れた朝だった
君は放っておいたね
ぼくの日常を
君は楽しんでいたね
彼の日常を
今日、この場所を出てそう感じた
ぼくの居場所はここではないと
いや、霧が晴れたから街が見えた
ぼくの居場所は橋の向こうにあると
今までありがとう
ぼくの街になってくれて
今までありがとう
ぼくの一丁目になってくれて
今までありがとう
一丁目に橋を架けてくれて
詩:色紙
紙の隅に空欄ひとつ
桜の花びら舞う季節
クラスの子どもがはしゃぐ中
ぼくの机はクラスに棒立ち
先生が人生訓をふるう中
ぼくの椅子は床に逆立ち
「この隅に書いてほしいな」
そんな言葉を期待した
「この隅を埋めて欲しいな」
そんな言葉が欲しかった
どうして大人になったんだろう?
ぼくの身体は子どもなのに
どうして大人だと思い込んだんだろう?
ぼくの身体は子どもなのに
君に早く出会いたかった
紙の隅に書いてほしかった
君に名前を呼んでほしかった
紙の隅を埋めて欲しかった
それでも、あの時出会っていれば
ぼくは君を無視しただろう
それでも、あの時話しかけられれば
馬鹿な返事をしただろう
紙の隅に空欄ひとつ
君に委ねた黒いペン
桜の花びら舞う季節




