街灯、線香花火、虫かご
詩:街灯
光の中を通り過ぎた
一瞬、聞こえた
パチパチッ
気のせいだろうか?
光の中を通り過ぎた
一瞬、聞こえた
パチパチッ
やはり、気のせいではないのか?
光の中に立ち止まった
耳を澄ました
そこに拍手は無かった
しかし、まだ立ち止まった
耳を澄ました
やはり、拍手は無かった
ぼくは街灯を通り過ぎた
パチパチッ
闇の中に鳴り響いた
パチパチッ
闇の中を照らしてくれた
詩:線香花火
閃光が散った
「ぼくはまだ君といたいのに」
火花が散らばった
「ぼくは君と歩きたいのに」
君の指が震えた
「私も未来を考えている」
君は手を握った
「私も前に進みたい」
閃光が煌めいた
「ぼくらはどうするの?」
火花が広がった
「ぼくらはどうなるの?」
君は花火を預けた
「あなたが決めて」
君は手を握った
「あなた次第よ」
ポトンッ
「明日へ向かうだけだよ」
詩:虫かご
光の粒が降ってきた
足元に降り立った
光の足が長く伸びた
ニョロニョロッ
ぼくらの足を撫でるように
ぼくらの心を結ぶように
ニョロニョロッ
無数の光の足が長く伸びた
ぼくらの足を結んだ
ニョロニョロッ
蝶々結び
ぼくらの右足に蝶が舞った
パタパタッ
光の蝶は飛び立った
一斉に浮かび上がった
パタパタッ、パタパタッ
光の蝶は束になった
再び光の粒になった
パタパタッ、パタパタッ
光の粒は羽ばたいた
ぼくらの希望を乗せて
光の粒は目まぐるしく動いた
ぼくらの運命を乗せて
光の粒には蝶がいた
無数の蝶がいた
天空の虫かごだった




