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美少女発掘! 異世界ED治療の旅!  作者: 越智 翔
第一章「純潔の守護者」
1/8

第一話

試験的に投稿してみます。

面白い、続きを読みたい、という声がたくさん集まったら、第二章以降も書きます。


普段、私の代表作を読んでいる人からすると、違和感がありまくりかもしれません。

これはこれ、あれはあれということで、まったく別の方針で作品を書いているとご理解ください。

 今日もバイトだ。

 毎日忙しい。せっかくの大学生活だってのに、この春からは働いてばかりだ。遊ぶ余裕がないのはもちろん、授業に出る時間すらない。ま、学業に興味などない。それならサークル活動に顔を出したいかというと、そうでもないんだが。


 少し家を出るのが遅くなった。遅刻するとマズい。

 やっぱり、出発直前までネットでエロ動画をダウンロードしていたのがいけなかったか。だが、あれこそは俺の生きがいだ。

 女はいい。巨乳、貧乳、ロリ、お姉さん、看護婦、スチュワーデス、女子高生……なんでもいい。だが、特に好きなのが、ハーレムプレイだ。複数の女を侍らせる。最高じゃないか。まさに男の夢。


 この前、二十歳になった。そして俺は相変わらず童貞だ。性欲だけはハチきれんばかりにあるのに。

 五年くらい前から、ずーっと毎日毎日、女のことばかり考えて生きてきたが、結局、ついに手が届くことはなかった。

 いや、一度だけチャンスならばあった。あったんだが……。


 梅雨の合間の晴れ空。雲の隙間から抜けてくる日差しがやけに眩しい。乾きかけた路面を自動車が走り抜けていく。排気ガスがどうにも鼻につく。雨に洗われたばかりの空気にまず最初についたのが、その臭いなのだ。

 アパートの自室は涼しかったが、外に出ると、じんわりと暑さを感じる。今日のアルバイトは引越し屋の手伝いだ。非力な俺にはつらい仕事だが、給料は割といい。ただ、帰る頃には汗だくになっているだろう。

 頭上を電車が走る。高架下の日陰に入ると、すっと涼しくなる。もうすぐバイト先だ。


「やぁ」


 脇を見ずに歩いていると、誰かがそんな風に声をかけている。


「君だよ、君」


 ……ん?

 俺?


 顔をあげて、声のしたほうを見る。暗がりから出てきたのは、一人の男だった。

 パーマがかかった真っ白な長髪。顔立ちは美形に分類できるだろう。というか、あんまり日本人っぽくない。まあ、それはいい。

 服装がおかしい。この蒸し暑い日本の初夏に、こいつは黒いロングコートを羽織っている。


「なんすか」


 この忙しいのに、うぜぇな。

 もっとも、俺は自分が臆病者だという自覚もある。弱虫だってこともよーくわかってる。だから、ちょっと冷たい口調で応対するくらいが、せいぜいだ。

 まあ、一方で弱い奴には強いし、エロが絡めば絶対に諦めない自信だってあるんだが。


「お願いがあるんだが」

「なんすか。時間ないんで」

「ああ、すまない」


 なんだ?

 ヤケに気取った喋り方をする奴だな?


「君……ちょっと、異世界に行って、超能力を受け取ってみようとは思わないか?」

「ハァ?」


 異世界? 超能力?

 こいつ、何言ってんの。


「ああ、まずは自己紹介しなくてはな。私はヤール・トゥルツァーヌーン。まぁ、気安くヤールと呼んでくれればいいよ」


 ……これは。

 アレだ。

 春先の、あの、変態が湧く季節にデビューし損ねた、こじらせちゃったタイプの。

 イタいイタい厨二病が重症化した、哀れむべき人だ。


「そうですか。じゃ」

「待ちたまえ」


 はい、待ちます、なんて誰が言うか。

 時間もないし、アタマおかしい人と付き合って、ひどい目に遭うのもゴメンなんだよ。


「色摩君」


 なっ!?


「色摩好男君だね。ちゃんと君の事は調べてきた」


 なんでこいつ、俺の名前を?

 思わず足が止まり、ギギギと首が後方に捻じ曲がる。斜め後ろに立つその男、ヤールは、余裕の笑みを崩していない。


 ヤバい。

 本気でヤバい。

 絶対おかしいって。


 ……ただの変態じゃない。こいつは訓練された変態だ。ストーカーだ。


「うっ……わあぁぁぁっ!」


 悲鳴をあげて、俺は走り出した。


「……待てというに」


 男がそう呟いた瞬間、異変が起きた。

 今、俺は確かに高架下から走り出たはずなのに、何かに引き摺られるようにして、また影の下に引っ張り込まれたのだ。


 どうなってるんだ?

 追いつかれた? いや、距離がある。なら、ロープか何かで引っ張った?

 だが、そんな仕掛けは見つからない。まっすぐ立っているだけなのに、ズリズリと靴底が擦れる。そしてあの、ヤールとかいう変態のところへと近付いていく。


「ちょ、ちょっ!? タンマ! ストップ!」

「逃げないで話を聞いてくれるかね?」

「き、聞く! 聞くから!」


 すると男は、満足げに頷きながら笑みを浮かべた。


「よかった。君に頼みがあるんだ」

「な、なんすか」

「さっき言ったろう? 異世界に行って、超能力を受け取って欲しいんだ」


 こいつ、真顔だ。

 あかん。絶対にあかん。イッちゃってる。


「……言葉で言っても信じてもらえないようだから、一度、無理やり連れて行くしかないな」


 そう呟くと、男は俺の首根っこを掴み、コンクリの壁際まで引っ張っていく。そこでそいつが手をかざすと。

 ……薄汚れたコンクリの壁が、急に傷一つない、ガラスのような平面に変わった。


「ここを通るんだ」

「ひえっ!?」


 俺が動き出すはずもなく。男は俺を無理やり、そちらに突き飛ばした。

 転がり出た先は……周囲の壁が、どれもこれもガラスでできた通路だった。


「なんだ、これ……」


 コンクリの壁をブチ抜いて、こんな仕掛けを作るとか、こいつ、どんなレベルの変態だ。金かかってるな。


「時間がないんだろう? 私もだ。とりあえず、もう一度転移するぞ」


 また俺を掴む。そして、一瞬の浮遊感。

 目を開けると、また風景が切り替わっていた。


 周囲は石の壁になっていた。何百年も前の建造物っぽい雰囲気だ。暗い色の分厚い石が何段にも積み重ねられ、そこには複雑な紋様が彫り込まれていた。

 背後は階段になっている。どれくらい長さがあるかはわからない。この部屋の中の灯りに照らされているのは、ごく僅かな範囲だけだ。

 そして、今、俺と男のいる部屋はというと、縦横五メートルほどの、正方形だった。床だけはクリーム色で、何かの魔法陣みたいな図形が描かれている。そして、どういう原理だかわからないが、中空には、金色に輝く天秤が浮かんでいた。高さ一メートルほどの、割と大きな奴だ。


「これだ。『運命の天秤』……これを君が手にすればいい」

「は、はいぃ?」


 なんか、常識を超えている。これ、テレビか何かのドッキリか?

 いや。でも、じゃあ、どんな技術でこんなマネをしているんだ? こんな派手な演出にかけられる予算なんて、今時、どこの制作会社にもないはずだ。


「もしかして」

「ふむ?」

「マジ?」


 俺の質問に、男は目をパチクリさせた。


「あ、ああ。そうとも、『マジ』だ。つまり、君には本当に超能力を得て欲しいと思っている」

「な、なんで?」


 俺が問いを返すと、男は一度溜息を漏らしてから、説明を始めた。


「……僕が退屈でね」

「は?」

「この世界、エタールは……君にわかるように言うと、剣と魔法のファンタジー世界だ」

「はぁ」

「で、ここを創った創造神がいたんだが、そいつは無責任にもいなくなってしまってね……今では、この世界で神と言えるのは、私だけになってしまった」


 理解が追いつかない。


「で、だ。私のお願いというのは、君にこの世界の管理を任せたい。その代わり、君の人生を分けてくれないか?」

「俺の? そんなことして、何が楽しいんだ」

「楽しいさ。代わり映えのしない世界をぼーっと見つめるより、変化のある人生を味わうほうが、ずっとね」


 退屈した神様、か。

 まだ、これを現実として、受け入れきれていないのだが、俺の考えは決まった。


「なるほど」

「私は君の人生の一部を借りて、向こうの世界で少し遊んでくる。その代わり、君にはこの世界で楽しく暮らせるよう、超能力を与える。どうだい?」

「だが断る」


 冗談じゃない。

 そんな話に付き合ってられるか。


「……なぜかな」

「当たり前だろう? お前が俺に成り代わるって? どうやって?」

「私には神と呼べるだけの力がある。君の見た目を真似るくらい簡単だ」


 そう言うと、一瞬、男の姿が俺そっくりになった。そしてまた、すぐ元通りのヤールの姿に戻る。


「すげぇ」

「安心だろう?」

「だが断る」


 俺の度重なる拒否に、ヤールはずっこけなかった。

 だが、眉間に皺がよる。


「なぜかな」

「当たり前だろう? 俺の人生でいろいろ遊んでくるって? ふざけんなよ。数年後に戻ったはいいが、お前のせいでメチャクチャになってたら、どうするんだよ」

「ああ、安心してくれ。犯罪に手を染めたりはしない」


 あかん、こいつ、わかってない。


「そういうレベルで納得しろってか。いいか、最近の大学生の就職事情は厳しいんだよ。日本がずーっと不景気だって、わかってねぇか? 来年からは大事な就職活動だってあんだよ。それに、俺には金がいるんだ」

「ほう」

「働いて、自分の学費を稼がないと」

「それだけじゃないんだろう? もちろん、知ってるとも」


 そう言いながら、ヤールは俺の下半身を指差した。


「現在の地球上で、もっとも好色な人類、それが君だ……しかし、最近、どうも調子が悪いようだね」

「くっ」


 ま、まさか。

 医療機関以外では、どこにも誰にも話していない秘密。

 それをこいつは。


「その若さで勃起不全か……気の毒にな」

「う、うるさい」

「女にモテたくてモテたくて仕方がないのに」

「だぁっ!」


 くそっ、この野郎。


「一年前、テニスサークルの先輩の女性に、飲み会のあと、誘われて」

「それ以上はやめろぉっ!」


 気付けば、肩で息をしていた。

 こいつ、よくも。俺の心の傷を。


「くっくっくっ、済まなかったな。だが、この世界でなら、君の悩みは解決するかもしれない」


 男は、天秤を指差した。


「これは『運命の天秤』といってね……まぁ、わかりやすくいうと、君が触れれば、この世界では絶対無敵になれる。つまり、無条件にあらゆる勝負に勝てるようになるんだ」


 なんか、とんでもないこと言ってる。どんなチートだ。


「それが殺し合いでも、ギャンブルでも、クイズ大会でも。関係ない。勝負と名のつくものなら、絶対に君が勝つ。素晴らしいだろう?」


 もう、ここまでのことがあるから、この天秤についても、きっと事実なんだろう。

 だが、そんなヤバいものを俺に与えて、問題ないのか?


「そして女というものは。強い男を愛するものだ」


 ヤールは俺に向き直る。


「この天秤の力で、好きなだけ暴れるといい。世界中の美女達を喜ばせてやれ」

「だが断る」


 三度目だ。

 こいつ、わかってない。


「なぜだ」

「なんか難しそう。俺は頭を使うのも体力を使うのも嫌なんだよ」

「そんな理由で……断るのか?」


 ちょっと表情が険しくなってる。怖い。


「それだけじゃねぇ。バカだろ、お前。俺は勃たねぇっつってんだよ」

「馬鹿なのは君だ。治したいんだろう? 『それ』を」

「ったりめぇだろ」

「なら、私の提案を受けるのが最善だ。君の過去は知っている。男というのは、自信によって安心を得るものだ。勝利を重ね、無数の美女達が君に想いを寄せるようになれば……君が充分納得できるような女性に出会えれば、突然治ってしまうかもしれない」


 むっ。

 そういう考え方があったか。

 治してから女を捜すのではなく。女を捜しまくれば、いつか治る、と。その発想はなかった。


 しかし、そんなんでうまくいくのか。


「今、了承してくれるなら、オマケをつけてやってもいいぞ?」

「……それは、どんな?」

「絶対服従する有能な美少女を一人」

「よし引き受けた!」

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[良い点] タイトルと主人公の名前が笑う。 エッチ先生はエッチなのです。 [気になる点] ヤール・トゥルツァーヌーンはどんな駄洒落なのです?
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