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異端者の吸収  作者: 寫人故事
3-1章 迷宮の魔物
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結婚する可能性

 夜ご飯を食べてから俺たちは少しだけナメクジの倒しかたを再び議論してから寝た。そして、俺は今アリナを起こそうと頑張っているところだ。


「起きろアリナ。もうすぐ起きてくれなきゃ俺の心が折れるぞ」


 毎日起こしているというのにアリナを上手く起こす方法を見つけられていない。アリナを一発で起こせる方法を見つけられれば俺がかなり楽出来るんだが無理そうだな。


 今思ったがアリナは無防備過ぎないか?男が自由に部屋に出入り出来る状態にしているし、こんなに起きない。確かに俺はアリナの了承も得ずに何かをする気はないがそれでもだ。もうちょっと俺を意識してくれてもいいんじゃないか?


「アリナ起きてくれ。アリナが起きてくれないから心に傷が入り始めた」


 寝ているアリナに現状報告。現状報告した所でもな気はするが、これを切っ掛けとして起きてほしいという気持ちを込めて話しかけている。


「アリナの好きな人は誰なんだろうな。俺には検討もつかない。俺と一緒にいるから今はいないと思うんだ。合っているか?」


 本当に起きないな。このままずっと独り言を言っていようかな。


「アーサーは結婚すると思うか?俺的にはアーサーを好きになる人はいると思うんだが、アーサーは人を助ける事以外に興味がない感じだからアーサーはその人を好きにならないと思うんだ。だからアーサーは結婚しない。だが、アーサーが心変わりして結婚したくなったらいつでも出来ると思うんだ。だってアーサーはいい奴だからな」


 アリナはいつか結婚するのだろうか。アリナの晴れ姿を見たい気持ちはあるがアリナの結婚式には行きたくないな。。アリナが誰かとキスをするのを見たくない。


「師匠は絶対に結婚しないな。師匠は一生剣術を極めようと突き進むだろうからな。そんな感じで結婚しない代わりに師匠は最強になれるかもしれない」


 アーサーは結婚する可能性があるが、師匠はゼロだ。アリナはいつでも結婚できるだろう。俺はアリナが俺の事を好きになってくれる僅かな場合でのみ結婚できる。


「またアリナが結婚したくない人と結婚しそうになったら俺とか師匠に頼れ。アーサーへの連絡手段があるならアーサーでもいい。誰かに頼れよ。そしたら絶対に助けるし助けてくれるからな」


 アーサーへの連絡手段があるなら教えてほしい。あいつ俺に教えない間にどっかに行きやがったからな。今度文句言ってやろう。


「その時は頼るよ」


「いつから起きてた?」


「少し前から」


 少し前とは具体的にいつだよ。俺の話はどこまで聞いていた?アリナの結婚について口に出していなくてよかった。


「起きていたなら目を開けて声をかけてくれ」


「ソウヤの独り言を聞いていたかったから。遅くなったけどおはよう、ソウヤ」


「おはよう、アリナ。俺としては話している間にアリナが起きるから聞かれないつもりだったんだがな」


 本当にアリナを起こすために煩くしておこうと思っての独り言だったからかなり恥ずかしさをおぼえている。


「アーサーへの連絡手段は知らないよ」


「そうか。久しぶりに話したいんだがな。奇跡的に再開するまで待つしかないか」


 奇跡的か。でも不思議と確率が低い気はしない。


「そうだね。でもきっとすぐに会えるよ。そんな気がする。だからもう少しの辛抱だよ。私は空腹の限界が近いから朝ご飯を作ってくるね」


「アリナは辛抱できないのか」


「できない!」


 アリナはすぐに台所に向かっていった。前の食事から悠に十二時間を越えているから俺も腹は減っている。今日もアリナが寝ている間に朝ご飯を作っておくべきだったか。そのお陰でアリナの手料理を食べられると思えば悪くはない。むしろいい。


 朝ご飯が出来るまでの間考え事をし続けるのは無理があるからアリナに構ってもらいに行こう。俺はただたんにアリナと遊びたいだけ。


 俺は台所に行ってアリナの料理の様子を見る。テキパキと料理をしていてみるみるうちに料理の完成が近づいていく。これは早いうちに邪魔に入らなければすぐに完成して時間が無くなる。


「なあ、アリナ―――」


「今は忙しいから後でもいいよね」


 見透かされている。後でいいかな?ではなく後でもいいよねと言っている辺り、俺がしようとしている事を完全に理解している証拠だ。


「後ではダメなんだ」


「暇なのは分かるけど忙しいの」


 むむむ、手強い。絶対に邪魔をさせないように会話をしている辺り、俺より一枚上手だ。だが、この程度で折れる俺ではない。


「アリナが結婚する時は俺を結婚式に呼んでくれるか?」


「結婚しないと思うし、もし結婚した時はソウヤを結婚式に呼ぶ事はないよ」


 え?呼んでくれないの?俺たち友だちだろう。三年もずっと一緒にいるかなり仲のいい友だち。俺がアリナとの仲が進展してほしいと思っている事を無視すると、俺たちは親友レベルの仲のはず。何で?


「何で呼んでくれないんだよ」


「だってソウヤ、呼んでも来てくれなさそうだし。来てくれないなら来るかどうか期待して招待するの嫌じゃない?」


 確かに行きたくはないけど、呼んでくれないぐらいなら行くよ。アリナからの招待状は俺とアリナの仲のよさを表す物だから手に入れたい。


「行くよ。どんな用事があっても全てキャンセルして出席するよ」


「本当?」


「本当だよ!」


 いや、ちょっと待て。アリナを動揺させて料理の手を遅くするつもりで話しかけたのに俺が動揺してどうする。一旦冷静になろう。かなり惑わされてしまった。話題を変えよう。


「アーサーが結婚するならどんな人だと思う?」


「あれじゃない?勇者パーティーに入った回復役の女の子じゃない?」


「ベタだな。だが俺はそういう系は結構好きだ」


「ああいう系いいよね」


 アリナとは趣味があう。俺は結構恋愛系の話は好きだ。


「俺はベタベタな感じの恋愛が大好きだ」


「分かるよ。ベタベタな感じだからこそ憧れる感じがあるよね」


「ああ。好きな理由はやっぱり憧れからだよな」


 憧れはするんだが、人に恋愛感情を抱かなかったから俺は恋愛が出来なかった。勿論今の俺はアリナに恋愛感情を抱いている。


 俺としては恋愛を出来ているだけで嬉しい。昔は人の恋話を盗み聞きをしていた。


「昔は人の失恋すら羨ましいと思っていた。懐かしい」


「私も羨ましいって思ってた。でも告白されても好きじゃないから断るしかないんだよね」


 そりゃあ、アリナなら告白されるよな。


「俺は告白された事がないからその気持ちは分からないな」


「え!?何で?ソウヤなら絶対に告白されるでしょ」


「人と話さないから俺を好きになる人なんていないだろ」


 あまり話さない人の性格なんて分からないんだから好きになったりしないだろう。


「でもソウヤが告白されたって噂を聞いたよ」


「ガセネタだ。論文を発表した後に来た手紙がラブレターとして少しクラス内で騒ぎになったのが、変わっていったんだろうな」


 テレビを作った時の論文を発表した後に研究機関みたいな所から手紙が来た時にその手紙が俺の机に置かれ、ラブレターではないかという噂がたった。それが他のクラスの人に伝えられる時に変わっていったんだろう。


「俺の元いた場所では俺が暴力事件を起こしたという噂が広まっていたから誰も近づいてこなかった。それでこっちでは人と話さなかったから誰からも好かれなかったよ」


「暴力事件?ソウヤは人に暴力を振れるような気の強さは持っていないでしょ」


「事件にはなっていないが、確かに暴力は振るったんだ」


「意外!でもソウヤの事だから理由があったんでしょ?他の人を守るためとか、よほど嫌な事を言われたとか」


 アリナは俺の事を信頼してくれているのか、それとも俺の気が小さいから理由が無ければ出来ないと思われているのか。おそらく両方だな。

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