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異端者の吸収  作者: 寫人故事
3-1章 迷宮の魔物
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アリナの寝坊

 俺はアリナに言われた通りにアリナを起こしにいく。


 アリナが俺より遅く起きる何て、珍しすぎるな。アリナはいつもは決まった時間に寝て決まった時間に起きるから不規則な生活をしている俺よりも早く起きるのに。


 俺はアリナの部屋をノックしてからアリナの部屋に入ってアリナの近くに行く。


 アリナの寝顔が余りにも美しいから起こさずに眺めていたくはあるがここに時間をかければ後の探索を終了する時間が遅くなってしまうから仕方なくアリナをお越し始める。


「アリナ、朝だよ。起きてくれ」


 アリナの唇に強く誘惑されるが何とか振りきりながらアリナを起こそうとするが中々起きてくれない。


 アリナの瞼を触ってみると目は動いていないようだ。これは確実にノンレム睡眠中。三十分ぐらい待ってから起こした方がいいのだろうが俺なら忘れて三十分を余裕で過ぎるに決まっているから起こし続ける。


 それでも起きてくれないのでアリナをお姫様抱っこして一階に運んでソファーに寝かせる。


「白雪姫は王子からのキスをされる事で目が覚めるんだったよな。アリナも誰かからキスをされれば起きてくれるか?」


 アリナに語りかけているつもりだけど起きていないからほぼ独り言を発している。


「アリナが一日ぐらい起きなかったらキスをして起こすよ」


 そう言ったら急に起こすのが勿体なくなってきてしまったけど、アリナには起こして欲しいって頼まれたしな。でも起こそうとしているのに起きてくれないのはアリナだし。


 人の前で熟睡しているのは危ないぞ。


 俺みたいに寝ている間にアリナに何かしようとするやつがいればアリナを誘拐しようとするやつもいる。危険だから起きるべきだ、俺の欲が抑えられている間に。


「アリナ、起きてくれ。朝だぞ。できるだけ早く目的の魔物を見つけておきたいんだ。魔物の魔力は覚えたから後は見つけるだけだから早く探しに行きたい」


 うーーん、起きない。


 目が覚めるつぼみたいのって無いのだろうか?あるのならすぐに押すのに。


 だんだんアリナが起きなさすぎて不安になってきた。


 俺はアリナの脈を計ったり、アリナの呼吸の状態を確認したりしてアリナが正常に生命活動を出来ているのか確認する。問題なさそうだから寝ているようだが寝過ぎだ。


 俺は仕方なくアリナを起こすのは一旦諦めて朝食を作り始める。完成前に再びアリナを起こし始めて完成する時にアリナの目がしっかりと覚めてくれて出来立ての朝食を食べてもらうのが理想だけど起こせる自信がない。


 あんなに起こそうとしても起きないと自信無くす。俺は手際よく料理の最後の行程の前まで終わらせて再びアリナの元に行く。


 アリナが天使に見えてきた。美しく清らかと表現すればいいのだろうか。


 こうしてぼんやりと見ていると欲が出てきてアリナを独り占めしたくなってきてしまう。俺はアリナの顔に自分の顔を近づけていきもう少しでキスできる所まで顔を持っていった。


 アリナの気持ちが分からないままキスをするのは何か嫌だな。アリナとはちゃんとした付き合いをしたい。


 俺は自分の顔をアリナの顔の前から横にスライドしてアリナの耳の近くに口を持っていく。


「起きろ、アリナ」


「ソウヤ…起きたよ。今日はどこに行くの…?」


 寝ぼけているが起きてくれたようだ。俺はアリナの近くに寄せていた顔を離してアリナの顔を見る。


「おはよう、アリナ」


「おはよう、ソウヤ。夢を見ていたの。私はずっと起きているのにソウヤは私を起こそうとしている夢」


 俺の言った言葉が夢の中で聞こえていたのか?そうだとしたらレム睡眠中だと思うんだけど何故起きなかったんだ?


「そうか。それは申し訳なかったな」


「ううん。必死に起こそうとしてくれて嬉しかった。いい夢だったよ」


 アリナは変わっている。起きているのに起こそうとしているという事は自分の存在を認識されていないのと一緒だろうに。


「どのくらい起こそうとしてくれたの?」


「それなりに長く」


「その言い方だとソウヤがいつも起きる時間ぐらいからだから結構長いね。ありがとう。ソウヤは謝られるより感謝される方がいいんでしょ?」


「ああ」


 自分の善意でやった事に対して謝られるのは違和感を感じるから感謝される方がいい。


「時と場合にもよるが感謝された方がしっくりくる。そういえば朝ご飯がもう少しで出来るから少し待っていてくれ」


 俺は唐突に思い出して朝ご飯を作りに行く。火をかけ直して最後の行程を終わらせれば終わり。すぐに終わらせてダイニングに運ぶがアリナが席についていない。


「アリナって朝に弱かったけ?」


 アリナはまだソファーで寝ている。


「今日は何だか体が動かなくて」


「それならそっちに運ぶよ。手は動かせるか?」


「自信ない」


「それなら俺が食べさせるよ」


 俺はリビングに料理を運んでアリナの前のテーブルにアリナの分を置く。俺はパンを小さく千切ってアリナの口の前に運ぶと、アリナが口を開けてくれたのでパンをアリナの口の中に入れた。


「ありがとう」


「次はどれを食べたい?」


 それから俺はアリナに指定してもらった料理をアリナの口に運んでアリナに料理を食べさせた。ついでに言えば、俺はアリナにパンを食べさせる時に何度かアリナに指を軽く噛まれている。


 お疲れモードのアリナはいつものきちんとしたアリナとは違う魅力を感じるから時々こうなって欲しいかな。


「動けるか?」


「ソウヤに朝ご飯を食べさせてもらったからもう体調は万全だよ。今日も迷宮攻略に行く?」


「ああ。仕事を失敗せずに早くサードを辞めたいからな」


「なら何でサードになったの?」


 それはこんな大変な仕事だと思わなかったし罪が消える事と給料しか目に入っていなかったから。


「短期間で大金を稼ぐためだ」


 本当の理由の一部だけを話せば少しは格好良く聞こえるだろう。


「ソウヤの事だから大して調べずに修行だけたくさんして序列戦に挑んだだけだろうけど」


 正解!俺の事を理解され過ぎて俺は今恥ずかしく思っている。


「今回の仕事を手始めに順調に仕事をこなして一緒に仕事を…辞めようね!」


 眠いのか?あんだけ寝たんだから眠いわけないと思うが。いや、寝過ぎると逆に眠くなる時あるよな。


「眠いなら出発を遅らせて仮眠を取るか?」


「今寝たら数時間は起きないと思うから止めておく」


 迷宮探索に支障を来す程の眠気を今感じているとは思えないので探索に出る事にする。


「もし目的の魔物に会った時は発信器の魔法具を付けて一旦退却という事でいいよな」


「うん。ソウヤはどうやって目的の魔物を判別する気なの?」


「目的の魔物が発見された場所に残っていた魔力の残滓から目的の魔物の魔力を判別したそうだ。その魔物の魔力のサンプルを貰ってここ数日で魔力を覚えたから問題ない」


 魔力感知で探れば識別できるように頑張って魔力を覚えた。


 昨日の男みたいな印象に残りやすい濃い魔力なら簡単に覚えられるが今回のサンプルのようにかなり薄い魔力だと覚えるのに苦労する。


「アリナは準備出来ているか?」


「もう万端だよ。サポートは任せて。ソウヤの邪魔にならないように頑張ります」


「アリナが俺の邪魔になる事はありえない」


 俺はアリナに側に居て欲しいのに邪魔に思うという事ほどおかしな話はあるまい。


「それじゃあ、出発するか。アリナは今日は会えると思うか?」


 俺はまだ会える気がしない。俺のこういう系の感覚は中三ぐらいに完全に麻痺したから会える気がしないのだ。昔だったら会える気がしていたのかもしれない。


 昔は行事があると明日は行事があるなんて胸を踊らせたものだが、中三ぐらいから次の日が行事でも実感が湧かないのだ。これが定期テストでもあるから困る。


 前日に勉強をしなきゃみたいな感覚がないから大して勉強をしないからな。


「私は会える気がするよ。ここ二回の迷宮探索でかなりの魔力をソウヤが吸収しちゃったから怒って出てくるんじゃない?」

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