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異端者の吸収  作者: 寫人故事
2-2章 序列戦
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前準備

 家に帰ってきたが、長い間留守にしていたのでまずは掃除をして持っていった服を全て洗った。


「そういえば手紙を支部に居た人から貰ったよ」


 まさかラブレター?アリナなら誰に貰ってもおかしくない。


「どんな人から?」


「受け付けの女性から」


「内容は?」


「序列任命式について」


 俺宛の手紙か。何だラブレターだと思ってびっくりして損した。


 驚いている場合じゃない。


 今のような関係が続いているからこんなことになるんだ。アリナに早急に俺に惚れさせないと。俺の良いところをアピールするのが定石だろうが、俺の良いところってどこだ?サードになれるぐらい強いとこか。


 そんな良いところをアピールする場面なんてこない方がいい。ならどこ?俺にあるのか良いところ。


 無いか。


 諦めて今後の計画を立てよう。


「アリナ、明後日は暇?」


「こんなに早く帰ってくるつもりじゃなかったから予定は無いけど」


「それなら一緒に遊びに行こう」


「いいよ。どこ行く?」


 今回の目的は二人で遊ぶことではない。勿論大事ではあるのだが、今回は俺のために序列戦中に家事をしてくれたアリナの慰労のために出掛けるのだ。


「全て俺が決めるから当日を楽しみにしてて」


「そうなの?楽しみにしているよ」


 よし、決定。


「それじゃあ、俺は出掛ける」


「私もこれから出掛けるから念のため、鍵を持っていってね」


 アリナも出掛けるのか。


「分かった」


 俺はバッグに鍵を付けて、家を出る。明後日のために下調べを今日中に行うのだ。


 俺は家を出てから街中を歩き回ったが名物観光スポットはやはり塔みたい。だが、三回連続で同じ塔に行くのはどうかと思うので別の何かを探す必要がある。


 探したいところだが、もうすでに昼時なので美味しい昼食を出してくれる店を探しにいく。行列があって出来れば予約ですぐに入れる店だ。


 俺は街を走り回って条件に合う店を数店舗見つけてメモしておく。でもやっぱり店で食べるよりも外で食べた方がいいのか?俺は出店を探していい店を一つ見つけた。


 この出店を中心に地図を調べて良いところが無いか探していく。


 幸い近くにデパートがあるので、時間は幾らでも潰せる。あと何ヵ所かピックアップして夜まで過ごせるプランを立てた。


 その後デパートに行って目当ての店があるか探しだして、先に注文をしておく。


 最後に食品店街を見つけて下調べ終了だ。


 もうすっかり夕方になってしまっているので急いで帰ろうとすると話しかけられる。


「着いてこい」


 この魔力の持ち主とは久しぶりに会ったな。しかし、運が悪い。こいつと絡めば悪いことしか起きないが、今の俺なら多少は問題を減らせるか。


 俺はそいつに着いていき懐かしきボロ倉庫に通された。


「ソウヤ、あの塔で会ったのが最後だよな」


 名前も知らない不良グループのリーダー格。


「あれを計画したのはお前か?」


「そうだ」


「それなら上の人たちが黙ったいないんじゃないのか?」


「出所をしてからまだ会っていないから分からんな」


 そう言ってリーダー格は煙草に火を付けて吸い始める。俺は煙草は好きじゃないんだよ。もっと良い匂いにしてくれればいいのにと思う。


「今回は何の用だ?」


「お前のその顔をぐちゃぐちゃにすることだ」


 懲りないやつだな。だが、俺も今犯罪をすれば警察に捕まってサードにはなれなくなる。


 序列の罪が消えるのは今月末の任命式であるが、今の期間に過去の罪で捕まることはない。だけど今の期間に犯した罪では捕まるんだ。


 そうしなければ今は何をしても許されることになってしまうからな。


「最近出所したなら知らないかもしれないが、今の俺はサード就任を控えているんだ。面倒事は避けたい」


「何言ってんだ。序列戦は昨日まであったんだからもし成れたとしても今ここにいられる訳がないんだよ」


 そうか、転移魔法は秘匿されているのか。それならまだ今回の勝者が誰なのかは公表されていないのだろう。


 魔力を使えばここに俺の魔力が残ってしまうから使えない。俺、かなり不利な状況だ。


「話はここまでだ」


 リーダー格がそういうと周囲からぞろぞろと人が出てきた。この人数を魔力無しで戦うのは不可能。


 仕方ない、《召喚:ファフナー》


 俺はファフナーをバレないように召喚してすぐに出口に向かって走る。不良が鉄パイプを振り下ろしてきたが、ファフナーの援護によって助けられて何とか外に出る。俺はファフナーを中に残した状態で急いで扉を閉めた。


 後はファフナーが何とかしてくれるだろう。そして残るのはファフナーの魔力と不良どもの魔力のみ。


 式神の魔力と召喚者の魔力は少し違い、ファフナーは[並列思考]の魔力を使っているので更に俺の魔力とは違いがある。


 式神が犯罪をした場合は召喚した人の罪に問われるが、俺がファフナーを召喚しない限り今月中ばれることはないので、俺は確実にサードになれる。


 時間をかければ魔力の痕跡から召喚した人を特定することは可能ではあるので、この方法が出来るのはこの期間のみだ。しかし、残す魔力が増えれば増えるほどに手がかりが増えるので他にするつもりはない。


 俺はさっさと立ち去って遠くからファフナーと情報を共有する。


 ファフナーは向かってくる奴等全員の顔面に一撃を入れて気絶させていた。全員の気絶を確認してから俺はファフナーの召喚を解いて、公衆電話から警察に通報する。


 また、邪魔をされても面倒だからな。


 鉄パイプとかが大量に転がっていることから不良グループが戦ったのは明らかだろう。不良グループは確実に捕まる。


 面倒なのは不良の口から俺の名前が出ることだが、ファフナーを召喚したところは見られていないだろうしすぐに出たから今月は逃げ切れるはずだ。


 俺は個人情報を明かさずに通報し終えてすぐに公衆電話から離れる。


 さて、家に帰るか。もうすっかり辺りは暗くなってしまっているので、急いで帰る。


 家に着いてドアを開け、すぐにリビングに入った。


「ただいま」


「お帰り。ソウヤの方が早く帰ると思って鍵を持たせたのに意味無かったね」


「俺は夕方には帰れるつもりだったんだが、長引いてしまって」


 もっと早く帰りたかった。


「ご飯作ったから一緒に食べよう」


「待っていたのか?ありがとう」


「一緒にいられる時は一緒に食べなきゃ」


 あぁー、何かもうアリナ大好き。


 いや、感情を抑えよう。


「それじゃあ、一緒に食べようか」


「うん。ところで明後日はどうするか決めたの?」


「ある程度は考えたがその日の気分次第で変えられるから、基本的には行きたいところに行く感じで」


 スケジュールを細かく決めるよりも余裕を持った方がいいだろう。


「そうなの?それは楽しみだね、早く明後日が来ないかな」


「アリナはどこに行ってきたんだ?」


「買い物。明後日に着る服を買ってきたんだ」


「それは明後日が楽しみだ」


 俺たちはご飯を食べ始める。


「ところで卒業式っていつなんだ?」


「出られるんだったね。えーっとね、来週だったかな。ソウヤも出るの?」


「俺は出るつもりは無いが、アリナの晴れ姿を見るためにこっそりと行く事にしよう」


 アリナの晴れ姿はぜひとも見たいものだ。


「今度カメラを買いに行こうかな」


「何で?」


「勿論、アリナを撮るためだ」


 ついでにアリナにカメラをプレゼントしようかな。アリナは趣味が少ないから写真を撮るのことを趣味にするのも悪くはないだろう。


「明日買いに行こう」


「私も一緒に?」


「当然だ」


 アリナが欲しいカメラを俺が買ってプレゼントするなら明日じゃない方がいいか。


「やっぱり止めた。今度一緒に買いに行こう。卒業式に間に合うように」


「うん、一緒にね」


 折角だし、明後日に買いに行こう。明後日の朝に買って渡せば、サプライズ感もあるし写真を取りながら色々なところに行けるな。

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