表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異端者の吸収  作者: 寫人故事
2-2章 序列戦
56/330

三位決定戦前

「もう昼じゃん」


 ベッドに乗っているアリナが時間を見て驚いている。


「そうだな。昼ご飯の下準備はしてあるからすぐ作れる」


「なら私が作るからソウヤは休んでて」


 本調子に戻ると俺を働かせてくれなくなるのか。アリナはすぐに起き上がり台所に立つが、首を傾げている。


「あれ?砂糖と塩ってこの並びだったっけ?」


 アリナが砂糖と塩が入った二つのカップを眺めながら聞いてくる。


「何言ってんだ?前からそうだろう」


「なら朝間違えたかもしれない」


「それは寝ぼけすぎだ。砂糖と塩を間違って取る訳がないだろう。普通に包丁を使っていたし」


 普通は包丁を普通に使えるのに、砂糖と塩を間違えたりしない。


「それもそうだね」


 納得して料理を再開したが、アリナは納得したことの真逆をしていたから恐ろしい。


 俺の早過ぎた下準備のおかげかすぐに料理が運ばれてきたが今度は砂糖と塩を間違えてはいないだろう。


 皿を運んでから席について二人同時に食べ始める。


「美味い」


 砂糖と塩を間違えていないだけでアリナの料理はこれほどまでに美味しいんだ、とちょっと感動してしまった。


「ありがとう。寝ぼけてはいたけどソウヤの作ってくれた料理も美味しかったよ」


「ありがとう」


 今朝の件があったおかげでアリナの料理の美味しさが一層感じられて、俺はすぐに食べ終えてしまった。


「今日はいつもより食べるのが早いね」


「そんなことない、いつも通りだ」


 俺は席を立って皿をシンクに運んだところでアリナに、

「お皿、洗っちゃだめだからね」

 と釘をさされたので皿はシンクに置くだけにして鎖帷子を着ることにした。


 さっさと着替えてリビングに戻ってくるとアリナは皿を洗っていた。


 俺はすることもないのでアリナの皿洗いを見ているとアリナの手に傷があるのが目に入る。アリナは自分で傷があるのを分かっているだろうに絆創膏も貼らないで皿を洗うのは大変だろう。


 アリナは絆創膏を持ってきていないのか、それとも俺用だからとでも思って使わないのだろうか?


 俺は寝室にある自分のバッグから、念のためにと持ってきていた耐水性の絆創膏を取り出してポケットに入れておく。その後、アリナのところに戻ってアリナが皿を洗い終わるまで待つ。


 水が付いたままでは絆創膏は付かないだろうし、中止してと頼んでも気にしないでと言ってきて後回しにするだろうから待つしかない。


 今すぐ代わってあげたいところだけど許してくれないだろうな。何で自分のことを後回しにするんだ。俺に取って何よりも大事なのはアリナなのにアリナが自分のことを大事にしてもらわなくては守りきれない。


 アリナは皿洗いを終えたようで手を拭いている。手の水分がちゃんと拭き取られたか見ておく。


 アリナはちゃんと拭き取っていたのでアリナの手を取る。


「ちょっと失礼」


 アリナの手はまだひんやりしていたが構わずポケットから絆創膏を取り出して張り付ける。


「ありがとう。でも気にしなくていいのに」


「俺は気にする」


 こう言ってをけば少しは自分のことにも気をつかってくれるだろう。


「それじゃあ、俺はコロシアムに行ってくる」


「もうそんな時間!?私も行く」


 アリナは小走りで寝室に行って小さいバッグを持って戻ってきた。


「ソウヤは準備出来ているの?」


 俺は床に置いてあった棍を拾って準備万端。棍は試合の後に運営のスタッフが持ってきてくれたが、持ってきてくれた時まですっかり忘れていた。


「俺も準備終わった」


「それじゃあ行こっか」


 アリナがドアを開けてくれて俺が先に部屋を出たのだが、一瞬何かの気配を感じた。反射的に魔力感知を発動して周囲の確認をするが誰もいない。


「どうかしたの?」


「誰かいた気がしたんだが、誰もいない」


「それ私もある、でも気のせいじゃない?私も時々確認するけど、毎回誰もいないし」


 アリナは魔力感知が使えないから目視だろうが毎回誰もいない時に気配を感じるのか。


 それは不自然。


 気配を感じれるなら誰かいる時にも感じれるだろうに毎回誰もいないとは。俺が思い付く限りこういうことが出来るのは師匠とタナトスだが二人とも気配を消せるからありえない。


 だけど二人なら魔力感知が発動したのを察知して隠れることは可能なんだよな。


 知り合いが少ない俺が考えても仕方無いから諦めて摩訶不思議なことは全てタナトスのせいにしよう。地球でも同じように分からないことは霊のせいとかにしていたし。


 俺の場合は実在するのが確認出来ているものに押し付けているから同じと言えるかは分からないが、摩訶不思議繋がりでタナトスを選んだ。もしかしたら本当にタナトスかもしれないし、無害である限りタナトスが近くにいるんだなと思おう。


 タナトスが俺たちにとって有害なことをするとは思えないから無害な限りという条件付きだ。こんなことよりコロシアムに行かなければ。


「近くには誰もいないし、取り合えず行こう」


「うん」


 部屋から出てから、アリナがドアの鍵をかけるそれから一緒に歩き出す。


「意気込みは?」


 アリナが聞いてくるが難しいな。


「昨日の試合を見たら勝ち目は薄いが頑張る」


「その調子。でも昨日の試合凄かったよね。タナトス君とエンゲさんの試合。タナトス君の身のこなし凄かった」


 タナトスがエンゲの魔法を一つも消さずに飛んで跳ねて瞬間移動をしてで避け続けたのは凄かった。完璧に俺の要望を叶えた完璧な試合だったからお礼を言いたい。


 いつか絶対に焼き肉を一緒に食べに行くぞ。


 そんなレベルの活躍をしたタナトスのお陰でエンゲの魔法が分かったのだが、エンゲの魔法メインの戦いに勝てる気がしない。エンゲはたぶんだけど魔方陣を自分の魔力で組み立てているから吸収できないと思う。


 俺もそうなれれば魔法が使えるようになるのだが、魔法発動の基本のきの字も分からない俺にとって魔法陣など作れない。見た目を寄せて作って一見見分けが付かないぐらいまで再現できるのだがそれだけでは魔法陣足り得ないようだ。


 魔法は難しい


 俺が転生して生まれた時から魔法に触れていたら多少は変わったかもしれないが感覚が掴めない。仕組みは調べたから分かってはいるつもりなのだが、魔法を使う感覚がない俺には過ぎた代物のようだ。


 魔法を使ってみたかったんだけどな。


「アリナは魔法についてどのくらい知ってる?」


「私は生まれた時から使えないからソウヤの知識と同じくらいじゃないかな?」


「そうか」


 アリナは周囲の魔力を乱すスキルだから自分の魔力で魔方陣を作ろうとしても乱されるのだろうな。


 アリナもいつか魔法が使えるようになれたらいいんだけど。そのためには俺がまず使えるようになってアリナに教えられるようにならなくてはな。


「魔法はアーサーに聞いたら?」


「アーサーは忙しいだろ。学校を卒業すれば勇者として本格的に活動するのだから今は準備に忙しいじゃないか」


「そうだったね。私は他に教えてくれそうな知り合いはいないよ」


 俺は当然いないのだが、奇跡を起こせれば一人いる。タナトスに奇跡的にあって焼き肉食べながら礼を言いながら魔法について教わるしかない。


 その時は訪れるのかな?分かったもんじゃないな。


「ソウヤ、もうついたよ」


 気づいたら目の前にはコロシアムがあった。考え事をし過ぎて回りが見えていなかったようだ。


「それじゃあ、また後で」


「じゃあね」


 俺は選手控え室まで移動してきた。勝ったら三位、負けたら四位。タナトスがどういうとうもりかは知らないがもしかしたら辞退をして繰り上げで負けても三位になれるかもしれない。


 だけどそれを見越して負けてもいい何て考えを持っていては駄目だ。


 相手に敬意を表して全力で戦う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ