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異端者の吸収  作者: 寫人故事
2-2章 序列戦
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予選最後の一騎打ち

今日は予選最終日。


一対一をして勝った方が決勝進出。


ゆっくりと準備を済ませて、会場に向かう。


棍と鎖帷子と小手の三つのみの軽装備だから楽でいい。


軽装備ではあるのだが、今日は初戦が俺だから別に重くても疲れる心配などありやしないのだがな。


AからCブロックまでは予選通過できる人数の二人以下を満たしているから、最初の試合になるのはCブロックからになる。


後は二分の一の確率を引いて一番最初になったわけだ。


そんな感じで予選通過は本来なら全てのブロックで二人ずつになるから、一つの謎が出来る。


予選ブロックが五つあれば、予選通過者は十人。


二回戦目でシードが一人に与えられて、三回戦ではすでに三人に絞られる。


一回戦を勝てさえすれば、後は運で序列に入れるようになってしまっているのだ。


それでは公正とは言い難いだろう。


どうやって決めるつもりだったのだろうか。


今となっては知るすべなどありはしないからこそ考えたくなってしまう。


Aブロック、Bブロックで残ったのが一人ずつだから、合計八人で問題ないのだ。


考えが甘かったが偶々問題が無くなったのか、こうなることを読んでの五ブロック構成になっているのかどっちなんだろうな。


考えが甘いっていうのはさすがに馬鹿すぎるので、恐らく後者だろう。


これを読めた人、競馬強そうだな。


もしかしたら競馬だけで食べていけるかもしれないレベルだろう。


こんな大規模な大会で自分の読みを通すなど、信頼を積み重ねて来た証拠だろうからな。


この世界にも競馬があるのか知らんけど。


でも何かしらの読みを通すギャンブルはあるだろうな。


どの世界でも人の欲は変わらない。


闘技場の控え室を抜けて入場口まで歩いてきた。


アリナはすでに観客席にいるだろうし、アーサーは頑張ってVIPの対応をしているのだろう。


アーサーの対応は一度でいいから見たいのだがもう同じ階にすら入らしてくれないし、アーサーと会わせてもくれない。


VIPを守るためには仕方ないのだろうが、少しぐらい許してほしいものだ。


「それでは選手入場です。ソウヤ選手とマラ選手です」


どうでもいいことを考えているし、俺は緊張していないんだな。


どこまで勝ち進んだら俺は緊張してくるのか少し楽しみ。


と思いながらも本当は少し緊張している。


周りの観客が多すぎて緊張するのだ。


昔から人の相手は緊張したからいつも通りなのだが、試合が始まれば観客を気にしている余裕など無いので試合が始まれば緊張は無くなる。


相手がどんなタイプの戦い方をするのか見れていないから最初は相手の出方を伺うのがセオリーか。


焦らず、じっくり時間をかけて戦うべき。


なんなら他の人の迷惑など考えずに夕方まで戦ってもいい。


夜になると当然暗くなってしまうので、このフィールドに照らされる光の量が分からない以上、慣れていない暗所での戦闘を避けるために夜までには決着をつける。


今は朝なのでまだまだ時間はある。


俺の多いらしい魔力量を生かせば長時間戦闘も出来ないことはない。


そのためには魔力の温存が必要不可欠だけど。


軽く作戦を考えながらフィールドの中央まで来た。


「Cブロック予選。勝った方が本選進出の正念場。果たしてどちらに勝利の女神が微笑むのでしょうか。それでは始めましょう、Ready Fight!」


棍を防御用に構える。


構え終わったタイミングで突然、マラが目の前に現れて、俺は勢いよく後ろに吹き飛ばされた。


速い、スピードタイプか。


吹き飛ばされた俺は壁で受け身をとる。


予選までは場外が存在しているので、ここから落ちて水に触れれば負けだ。


だからといってそのまま戻れば叩き落とされるのがオチ。


なので魔力弾を撃ちながら壁を蹴って戻る。


マラと着地する地面の少し先に向けて魔力弾を撃っているので、マラは魔力弾をよけれても俺の着地は邪魔できない。


だが、着地後すぐにマラは接近してきてパンチを繰り出してくる。


スピード特化の近接格闘


パンチを棍で防ぎながら距離をとる。


これはカウンター狙いで戦った方がいいな。


あの速度を維持するのに消費する魔力は多いだろうし、待つのが最善。


同じように防御していても対策されるので待ちにも技術は必要であり、相手も魔力を温存しながら戦おうとするだろう。


どう動く


マラの動きに注意しながら待っていると周囲から霧が立ちこめてきた。


煙幕か。


恐らくマラはこの霧を感知としても使えるはず。


俺には目眩ましになり、マラには目として働く。


俺の周りの霧は吸収されていて俺の周りの霧は無いがそれでもバレるだろう。


この状態で高速移動されたら勝ち目などないぞ。


背後から攻撃されれば防御など間に合うわけもなく、一方的に攻撃されて負けだ。


この霧のせいで魔力感知も使えない。


なら答えは一つ。


大量の魔力を込めた棍を地面に振り下ろす。


地面はかなり抉れて足場が悪くなったが、代わりに周囲に風が起きて俺の周囲の霧は晴れた。


これで俺の位置は分からなくなっただろう。


後は一方向ずつ霧を飛ばしていけばいい。


俺の位置が分からなければ、俺がどこの霧を飛ばすかも分からないだろうから奇跡的に当たることもあるだろう。


新たな霧が来るより先にやらなければいけないが、一回振るのに時間はかからない。


俺は適当な方向に棍を振り下ろす。


横に振れば魔力が威力を分散して奥まで届かないので、縦に振って確実に奥まで霧を飛ばす。


それを繰り返して、三割近く霧が減ったところで新たな霧が発生してきた。


やはり霧は一度に大量に発生させる術式。


そうでなければ最初に飛ばした時点で霧が発生しているだろうからな。


外側から中央に向かって霧が発生しているので、中央に移動しつつもうすぐ霧に包まれるところにファフナーを召喚する。


俺と背格好を似せた中身のないファフナーだ。


ファフナーは霧に包まれて、もう完全に見えなくなってしまったが、俺は中央にいるためまだ霧はきていない。


俺は棍に魔力を込めて準備をする。


殴られたという情報がファフナーから送られてきた瞬間にファフナーを消しながら、棍を全力で振る。


すると霧は吹き飛んで、その先に倒れたマラがいる。


「勝者、ソウヤ選手」


読み勝ったな。


あの状況からマラはジリ貧だと考えたはず。


何せ霧は飛ばされていくし、いつか自分に当たる危険性があった。


それに霧を発生させる魔法の規模的に何度も使うことはできないためいづれ魔力が尽きると判断するだろう。


そうなれば当然短期決戦を狙ってくるからその的としてファフナーをおき、ファフナーが攻撃した瞬間を狙ったわけだ。


もう少しマラが待っていれば二人いることに気づけて、いづれ俺が本体なのに気づけただろう。


盛大に魔力を使って俺が魔力がまだまだあることを、アピールしていたのもマラの焦りに繋がったのだろうな。


これは完全勝利と言ってもいいのでは?


取り合えず戻ろう。


フィールドに下りた橋を渡って戻る。


これで後一勝をすれば序列入りだ。


後一回勝てれば上位四番以内になれて、優勝したタナトスは辞退して二位から四位までが序列入りするはず。


その一回はデブと戦うことになって、師匠から情報を得られれば勝機は十分ある。


これはいけるな。


心を躍らせながら控え室からでると、アリナがいた。


「お疲れ様」


「かなりいい勝負だったろ。あれは自分でも良かったと思う」


「霧で見えなかった」


アリナは嘘をつかずに本当のことを言うのは良いところだけど、今は誉めてほしかった。


だが、前向きに捉えれば自分の手の内を明かさなかったのだ。


良しとしよう。


「今日はどうするの?」


「師匠に会いに行く。場所を知っているか?」


「勿論」


頼もしい。


アリナについていって観客席に来ると観客席はそれなりに空いていて遠目から師匠の位置が分かった。


昨日負けた選手たちの半分近くは帰ったようだし、それはそうか。


「師匠いるな」


「だいたいあそこで試合見ているからブレイダお姉ちゃんのアドバイスが欲しかったらあそこに行けばいいよ」

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