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異端者の吸収  作者: 寫人故事
2-2章 序列戦
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バトルロワイアル

フィールドを少し歩いて五番のエリアまで来た。さっきまでは入場から試合開始まで早かったのに今回はえらく遅い。


 これが相対性か。こんなにはっきりと感じられたのは初めてかもしれない。


 数分は経った気がする。


「選手が所定の位置に着きました。Ready Fight!」


 試合開始まで長かったなどという思考はそうそうに終えて動き出す。


 当然周囲は全員敵なので意識を割くのは360度、全方位。魔力感知を展開して周囲の選手の位置を把握する。


 このまま魔力感知をしていれば、すぐに魔力が尽きるので移動をする。


 フィールドの中央の柱に向かって走り始めたのだが、すぐに攻撃が飛んできた。俺はそれを早めに避けて、飛んできた方に目を向ける。


 目の方が見れる距離が長いので目を向けた。


 飛んできた方に敵意を向けてくる選手はいないので流れ弾だと判断する。すると、今度は剣が迫ってきたので、反って避ける。


 これは明らかに敵意があったので立ち止まった。


 剣を振ってきたのはさっき俺を馬鹿にしてきたやつだ。これは隙を見て棍を振るうのが一番か。魔力を抑えて魔力弾を放ち、防御したところに魔力を込めた棍で一気に殴り飛ばす。


 想像以上に吹っ飛んでいったが無視して移動を再開する。


 何度か戦いつつ無事柱まで到着した。


 この柱には階段が螺旋状にくっついている形なので階段の下で柱に背中をつけて敵を待ち構える。


 こうすることで警戒すべき範囲が大幅に減る。


 階段と柱の方角、正面は目でカバー出来るため、魔力感知が九十度ぐらいで済んだ。


 問題は柱と階段が少々邪魔なくらい。


 メリットの方が大きい。位置的に死角になりやすいためか、あまり戦いにならずに結構人数が減ってきた。


 ちょっとずるいが勝つためには仕方がない。


 すでに下段での人数は百人を切っただろう。そうなると流石に気づかれることが多くなってきた。


 後ろが壁という状況は相手も武器を振りにくい状況のため、大抵魔法で攻撃されるが魔法なんて俺には効かない。魔力弾を撃ち込んでから距離を詰めて棍で殴り飛ばす。


 そうやって俺もそれなりに倒して、残り十数名まで減ってきた。


 俺は壁から離れて、漁夫の利を狙いにいく。気づかれないために接戦になっている選手たちを狙って距離を詰めて、棍で殴る。


 一回目は成功したのだが、二回目は片方にかわされ、戦闘になってしまった。


「漁夫の利とはせこいじゃないか」


「一人減ったんで感謝して欲しいですがね」


 人数が減れば余裕が出てきたのか、話しかけられたので返しておいた。


「それもそうだな」


 相手は近接メイン。悪くない。同時に駆け出して、剣と棍が衝突する。


 そこから何度も近距離で武器がぶつかりあい、両者一歩も引かない戦いになった。


 少しでも振るのが遅れれば負け確定。相手を少しでも乱せれば勝てる。


 棍に乗せる魔力量を少し増やして、相手を防御に専念させる。こうなれば俺の勝ちだ。


 魔力弾を生成して一気に攻撃の数を増やして、相手が防御しきれなくなったところで、相手を吹き飛ばした。


 場外に吹き飛ばしたが、万が一戻ってくることを考慮して、フィールドの端まで走る。


 相手は壁まで吹き飛んで壁で受け身を取って、壁を蹴り戻ってこようとするが、戻ってきている最中の空中にいる相手に俺は棍を振り下ろして、水に叩きつけた。


 危なかった。


 放置していたら戻ってこられていたな。


 振り返れば、すでに下段には俺含め三人しかいない。つまり上にはまだ二人以上いるということか。


 それならまだ下りてはこないだろう。


 下段の二人は戦わずに睨み合っている。俺を待った方が体力の消耗が少なくて済むし、不意打ちを防ぎたいのだろうな。


俺はゆっくりと歩いていき十メートルぐらいのところで立ち止まる。


「ここで決着を付けるか上に行くかどっちがいい?」


 一人が話しかけてきた。


「どちらでもいい」


「決着を付けたい」


 上の奴等の量が分からない今、三人のみの間に決着を付けたい。


「よし、それで行こう」


 他二人の同意が得られた瞬間再び勝負が始まる。全員が三人の中心に向かって走り始める。


 俺は二人の距離が棍の届く位置まで接近した瞬間に質量の無い筋肉を使い一気に速度を上げて二人の間に入って、二人同時に棍で殴り飛ばした。


 一撃で決めるために魔力を多目に込めて吹き飛ばしたので、二人とも気絶したようだ。


 実は始まった時からスカーフが発光していて、負けが判定されると光が消える仕組みになっている。


 二人とも光っていないので二人とも戦闘不能と判定されたようだ。二人倒したのだが、まだ試合は終わらない。


 上にはまだ四人以上いるようだ。


 ゆっくりと中央の階段まで行って、階段を上る。俺が階段を上りきった時に人が飛んできて、危なげなくかわした。


 階段の方向に避けたために転びそうになったが司会が試合終了を告げる。


「勝者、ソウヤ選手、ガサス選手、マラー選手、ドーマ・テーカン選手。今大会初めてのバトルロワイヤル四人勝利です」


 終わったのか。


 大して戦わずに勝利してしまった。最後は真面目に戦っていたしよしとしよう。


 戻ろう。


 フィールドに上がっていた橋が下りてきたので、その橋を通って戻って控え室から出たところにアリナがいた。


「おめでとう」


「有り難いが、明日も勝たねば本選にいけないから、まだ喜べないな」


「そうだね。明日も頑張って」


 アリナから激励の言葉をいただいてしまったから、勝つしかないな。


「明日も勝って俺と戦えよ」


 黙れデブ。観客席で絡んできたデブが歩いてきて話しかけられた。


「あなたも頑張って生き残ってくださいよ」


「当然だ」


 これで負けたら盛大に笑えるのにな。だが、師匠が言っていたし勝つのだろうな。


「部屋に帰ろうか」


 デブがいなくなったので、帰るのを促す。


「Eブロック見なくていいの?戦うんでしょ」


「どうせ師匠が見ているから問題ない。俺より師匠の方が分析が上手い」


 師匠は脳筋じゃない。相手を分析して勝つというのを大事にしている人だ。人を見てきた数が俺より圧倒的に多い経験を生かして、デブをしっかりと評価してくれるだろう。


 俺の敵討ちを頼んでおいたし、一層注目して見ていただけるはずだ。それを明日にでも聞けば簡単に情報を得られるというわけだ。


「俺は今日久しぶりに家事をするぞ」


「ダメ」


 そんな二文字で一刀両断しなくても。


「今日は元気が有り余っているんだからいいだろう。料理させてくれよ」


「それなら良いかも?少しだけだよ」


 よっしゃあ。ついにアリナが折れた。


「ソウヤが戦いで頑張るなら私は家事を頑張らなきゃって思っていたのにな」


 すでに許可を出したことを後悔している!?


「アリナは十分頑張っているよ。だから少し休め」


「お言葉に甘えさせていただこうかな」


 よし、アリナが完全に折れた。だが、アリナの折れた後の再生スピードは速すぎるので急いで家事をする必要がある。


 帰ってすぐに、冷蔵庫の中を確認して、料理をする。


 速攻で玉ねぎをみじん切りにして、牛挽き肉と卵と一緒に捏ねた後に形成して冷蔵庫で寝かせた。


 寝かせている間に寝室にいるアリナにばれないように、部屋を掃除する。


 寝室は今度だな。


 掃除を終えた後、ちょっと待ってから形成したやつを冷蔵庫から取り出して、中まで火が通るようにフライパンに蓋をして、少したってからひっくり返して少し焼けば完成だ。


 完成したハンバーグを皿に盛り付けて、空いたフライパンでソースを作ってかける。


 後は茹でた野菜も盛り付ければ完璧だ。


「アリナ出来たよ」


「はーーい」


 寝室からアリナが出てきた。


「ハンバーグ良いね。ところで部屋掃除した?」


 なぜ気づく?


「した」


「文句を言うより冷めないうちに食べなきゃね」


 食べ終わったら文句を言われるんですね。でも、少しでもアリナの負担を減らせたと思うしいっか。

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